ギルギットプロジェクト

<1999年4月スタート>

ギルギットは、ノーザンエリア(北方地域)の中心地で、標高は約1500m。
パキスタンの首都イスラマバードからは飛行機で1時間弱、陸路(車)で13〜15時間のところにある街です。夏は日差しが強く、冬は寒さが厳しく、積雪も見られます。ギルギット市街は、インダス川の支流であるギルギット川の南岸にあり、メイン・ストリートを端から端まで歩いても30分ほど。
Nippa Welfare Associationのギルギットプロジェクトサイトは、このメイン・ストリートを少し入ったところにあります。
1.母子保健指導センター
2004年4月、ギルギットの『母子保健指導センター』建設のための起工式が実施されました。起工式の準備に際しては、嬉しいことに、多くの地元の人々が手伝ってくれました。
9月現在、写真のように土台・柱と塀の建設が始まりました。セメントなどを完全に乾かすために建物の外壁と天井を造って建設を中断し、ひと冬乾燥させます。完成は2005年の7月ごろとなる予定です。

女性のための母子保健指導センター建設の話がギルギットの人々にも伝わり、入学希望申し込みが殺到しています。定員は約300名の予定ですが、現在も、入学待ちの女性が約90人もいることから、教室数を増やすなどの検討も行っています。

また、センター建設には、子ども平和基金のサポートをいただきました。
2.縫製・刺繍教室
ギルギットの女性を対象に、初等母子保健教育と縫製、識字教室を開いています。

教室は、貧しくて学校へ行けなかった女性を対象としているので、教室が社交や見せびらかし競争の場にならないようにと、下記のような決まりがあります。

  ・シンプルでムダのない生活
  ・シンプルな服装
  ・化粧の禁止
  ・装飾品の禁止

『シンプルこそ美しい!』というのが、教室でのモットーです。
3.識字教室
ギルギットでは、中等女子教育や健康(乳幼児の死亡や、生活習慣病)についての関心が少しずつですが高まっています。

また、「高校くらいは卒業しないと、良いところへお嫁に行けない」との風潮も、僅かだけれどできつつあります。そんなわけで、メトリック(10年生−高校卒業資格)の試験を目指す女子学生に英語と数学を教えるために識字教室が始まりました。

最近では、娘を嫁に出した「母親」世代も、読み書きくらいできないと…と教室を訪れるほど。先日も、ある生徒さんが「お休みをいただきたいのですが…。」というので、理由を聞いてみると、「孫が生まれたんです!」と。嬉しい限りです。