8.保育に欠ける子?欠けない子?

子育てをしていく上で、切っても切れないのが幼稚園・保育所です。その中でも、保育所は、乳幼児の預け先として広く支持されています。

保育所は、児童福祉法第39条で次の通り規程されています。

保育所は日々保護者の委託を受けて、保育に欠けるその乳幼児又は幼児を保育することを目的とする施設とする。A保育所は前項の規程にかかわらず、特に必要がある時は日々保護者の委託を受けて、保育に欠けるその他の児童を保育することが出来る

又、保育に欠ける状況とは、児童福祉法施行令で、

@昼間労働することを常態としていること
A妊娠中であるか又は、出産後間がないこと
B疾病にかかり、若しくは負傷し、又は精神的若しくは身体に障害を有していること
C同居の親族を常時介護していること
D震災・風水害・火災その他の災害の復旧に当たっていること
E全各号に類する常態であること
のいずれかに該当し、かつ同居の親族などがその子供の保育が出来ない場合。

確かに、公共サービスとして実施する場合、何らかの枠組み(規程)を設ける必要はあると思いますが、例えば、働く意志のあるお母さんは、先ず先に就職先を決めてからでないと保育所に入所願いは出せない訳です。普通は、保育所に入所が決まってから就職先・就労条件を見極めていった方が、ゆとりがあるように思うのですが・・・。

他方、常にお母さんと一緒にいる子供たちはホントに保育に欠けていないんでしょうか?よく話題になる密室育児なんかはその典型です。
保育に四苦八苦しているお母さんや家族をも含めて「保育に欠ける子(家庭)」と認識していく必要はないのでしょうか?

経済企画庁国民生活局「平成9年度国民生活選考度調査報告書」には、実は子育てに不安を持っているのは、専業主婦の方が高い傾向が示されているのです。子育てに自信がなくなることがある割合は、有職者が50%であるのに対して、専業主婦では70%に達しています。
又、全国ベビーシッター協会の調査によると、利用者の内33.6%が専業主婦だそうです。有職者は、保育園利用が多い訳ですから、ベビーシッターを頼むのは、専業主婦が多くなるのかもしれませんが・・・。

有職者であるお母さんは、「細かいことにかまっていられないのよ!」という側面もあると思います。しかしながら、子育てに大きな不安を抱いている家族に育てられている子供たちは、「保育が満たされている」と言い切れるでしょうか?それとも、有職者の方から見れば、贅沢な悩みに写るのでしょうか?いかがでしょうね?

もちろん、保育園の第一目的は、日々家族の代わりに子供たちに保育を施すところです。しかし、保育園は、本来、有職者・専業主婦を問わずお母さん(ついでにお父さんも)にもゆとりを提供できる場所であるべきだ!との考え方は、拡大解釈なのでしょうか?
一般に、お父さんはフルタイムで勤務しています。しかしお母さんは、フルタイムを超えて「オールタイム労働」となっています。誰しも、ホッと一息つきたい時がありますよね。体調を壊したり、精神的に不安定であったり・・・。気持ちをリラックスして、新たな優しい気持ちになって我が子と接する・・・。子供にとっては、お母さんのイライラは痛いぐらいに感じているはずです。保育所でその部分が解決できれば、子供を育てる為の環境は格段に向上すると思います。

2000年4月からは、社会福祉法人だけでなく、株式会社やNPOの設立する保育所も認可される運びとなっています。それに伴い、公設からどんどん民設への移行が進むものとも予想されています。
もちろん民設に移行する際に、保育の質の維持向上をどうするか・・・、など様々な問題をクリアーしていく必要がでてきます。
ただその際には「子供を保育」するだけでなく「子供を育てる全ての家族をサポート」するとのスタンスに立って頂きたいものです。

具体的には、緊急一時保育・長時間保育・子育ての為の育児指導など既に取り組まれていることの拡充しか思い当たりません。しかし、もっとスピードを上げて夜間一時預かり保育などの施設拡充に取り組まないと、事態はますます悪化していくように感じます。待機児童受入れだけでも、精一杯なのに・・・、お役所からはそんな声が聞こえてきそうですね。

詳しくはわかりませんが、ホンの20〜30年前までは、社会全体が大きな保育所の役割を担っていたような気もします。「子供は国の宝、皆の宝」この言葉の意味を具現化していかないと・・・。

この項では(も)明確な目標値の設定ができませんでした。ホントひとりごとになってしまいました。ごめんなさい。私も、地元京都で保育事業はじめたいなー。だけど、資金がなー。

<追伸>

現在、地元京都市内で、保育に関連するNPOを立上げようとしています。まず、メンバーが足りません。次にお金&知力・・・。無い物ずくしですが、近いうちに設立すべく努力中です。京都にお住まいの方で、NPOに参加してもイイヨ!という方。おられましたらご一報ください。方針等についても皆で話合いたいと思っています。保育だけでなく、NPO自体に興味のある方も歓迎です。
それから、一番大事な経済的な援助をして頂ける方、大大歓迎です。宜しくお願いします。


9.他民族国家への移行で食い止める!?

2000年6月に遅まきながら掲示板を設置しました。そこには、多くのご意見を投稿していただいています。設置している掲示板や直接いただくご意見をもとに少子化の理由を直感的に列記したならば、次のようになります。

結婚しない・できない・したくない ・出会いが無い
・今が幸せ
・経済的事由による
・家制度への反発
・結婚(もしくは制度に)夢が持てない
結婚はしたけれども・・・ ・残念ながら不妊である
・経済的事由による
・仕事などの時間的制約による
・育てる自信がない

その中で、男性の私には想像以上に<女性にとっての家制度>※(下記参照)が根の深い問題であると痛感し始めています。親の敵のように<家制度への攻撃>を繰り返す事には、多少の疑問も残りますが、婚姻生活をこれから営もうとする男女の根底には、何がしかの問題を投げかけているような気がします。

「個」を重視し始めた現在においての家制度の蔓延は、社会において能力を発揮していこうとする女性に多くの負担を強いているばかりか、今となっては、会社生活から脱皮し新たな生き方を模索しようとしている多くの男性にとっても、重くのしかかる失策であったのではないかと感じています。
しかしながら、<国家>が<国民>を<統治>するにはとても優れた制度ですね?今となっては改める事も相当困難な状況に陥っていますし、行政がシステムを改めようとする動きも微弱に感じます。

人が人として生きていくためには、どのような仕組みが良いのか?効率的なのか?本当に心地よいとはどういうことなのか?・・・
日本の場合、きっちりと仕組みを議論し、コンセンサスを得て実行し、割り当てていくという手続きがどうも苦手なようです。後から理由や枠組みを安っぽく語ることと、小さな傷を器用に治すことは得意としても・・・。

それならば、その特性を逆手にとって日本人得意の<外圧>をいれてみたら如何でしょう?

つまり、多くの他民族の方に日本を開放し、移民をお願いすることです。背に腹は代えられません。最大限のおもてなしをして、しかも大量にお迎えするのです。
他民族の方を日本国内に多く受け入れることにより、既存のほとんどのシステムは崩壊します。
厚生年金も健康保険も介護制度も教育制度も税の徴収方法も・・・。

少子化問題にとって期待できるのは、「個」が成熟している他民族を多く受け入れた場合、間違い無く社会システムの崩壊を生むことです。

となれば、システムを再構築するしか手が無いわけですね。

自ら再構築する能力を持ち合わせていないとすれば、他の力を利用して大胆に一旦壊してみる。そしてその上で良いものだけを残していく。ひょっとすると「既存のシステム」が生き残るかもしれません。その併用という形かもしれません。それは、私にはとても想像出来ないようなシステムかも知れません。

その後は、日本人の本領発揮・お家芸です。過去のデータを寄せ集め傾向と対策を理路整然と述べる!そして細かなホツレは見事に修復していく・・・。あたかも、自分達が考えつき導いてきたかのように。

他民族を受け入れると、「多くの問題がおこるぞー」と言われる方もおられます。
例えば、就労に関する問題、犯罪の増加による生活環境の悪化などなど・・・。
しかし、それらの問題は、このまま日本が実質的に単一民族を維持したとしても同じことだと思いませんか?であるならば、むしろ積極的に新しい文化を導入することにより更なる発展を、そして豊かな生活を求めて行くことのほうが正解ではないかと感じています。

もちろんある部分においては血は流れます。一時的に体力も消耗するでしょう。しかし、それは当たり前のことです。手術をするのですから。

実質的に単一民族でありつづける必然性・必要性はどこにあるのか?単一民族であるメリットはどこにあるのか?そもそも、いったいいつまで単一民族で在りつづけられるのか・・・。
答えは全てNOです。

少子化問題は、けして小手先の手法により解決できるものではありません。なぜなら少子化は、《社会のゆがんだ仕組み》の結晶であるからです。目先の利益のためだけに小手先理論を振りかざすより、日本の社会生活の仕組み自体を真剣に疑ってかかる事、そして、ドバーっと変化させること。これ以外に解決方法はないと思います。また、それがもっとも近道であるとも感じます。

しかし、これも非現実的な発想かもしれません。何故ならこの手法を採用するのは、やはり行政のエラいさんだからです。その為には、私達世代の代表者が、政治という手段で対抗していくしかないのかもしれませんね・・・。

※この提案項目には、重大な欠点があります。それは、具体的に<家制度>とは何か?と言う事を自分なりに定義することなしに議論を展開しようとしている事です。本来なら、<家制度>の是非とその理由をも同時に論じるべきだと思っています。現時点においては勉強不足です。ごめんなさい。