3.幼児達とのふれあう機会を設ければ如何でしょう?

 

子育てを楽しくないと考える男性・女性を多く見かけます。結婚よりも仕事を優先する!と言う方達にも実はあまり子供が好きじゃないから、故に結婚もね・・・。という方も多くおられるのではないでしょうか。?
他方、女性へのアンケートでも「あと一人子供を産む為の障害として、ダンナ氏が積極的に協力してくれないから」と言うご意見も多くあります。男性も女性も、本来母性愛や父性愛が存在するとすれば(これは議論の分かれるところですが)、その愛をより顕著化する為の何らかの動機付け(機会)が必要なのではないかと考えます。そこで、小学校・中学校そして高校時代に幼児達とふれあう機会を設ければ如何でしょうか?教育課程でとりあげるとすれば、やはり家庭科がその中心となるんでしょうが・・。

下記に、中学生を幼稚園に訪問させ幼児とのふれあいを教育課程に取り入れた例を示します。

 

Q1.あなたは幼児が好きですか?

  男子 女子
  はい いいえ はい いいえ
幼稚園訪問前 12% 38% 32% 18%
幼稚園訪問後 29% 21% 43% 7%

Q2.保育に対して

  男子 女子
  興味がある 興味がない 興味がある 興味がない
幼稚園訪問前 5% 45% 30% 20%
幼稚園訪問後 35% 15% 42% 8%


Q3.幼稚園訪問が楽しみですか?

幼稚園訪問前 30%
1回目訪問後 78%
2回目訪問後 90%

データ抜粋:明治図書・中学校家庭科教育の実践(95.NO7)
静岡県小笠原地区技術・家庭科研究部報告(Q1.2)
大津市立貞野中学校 脇淳子教諭報告(Q3)

 

核家族化が進んで、保育の仕方・幼児の可愛らしさを知らずに育つ子供が多くなっているのかもしれません。もちろん出産・子育ては、精神的にも経済的にも多くの負担を強いることとなります。その為に、現行の制度をますます良いものとしていかなければならないのは当然のことです。
しかしながら、基本的に男女ともが、子供を欲しい!と言う気持ちがなければ、どのような制度化においても子供は増えません。このような幼児とのふれあう機会をどのタイミングでどのくらいの頻度で行なえば良いのかは今後の継続課題とさせていただきたいとおもいます。
ただ、子供の頃から男女とも幼児にふれあい、意識し感じることが出来れば、少子化問題の解決・現在の家庭内役割分担に少なからずとも影響を与えるのではないかと考えています。
それとともに、学校での教育が、「生き方」を教えることから、「生きること」を教えることに早くシフトしていかないと、少子化問題だけにとどまらず多大な影響を及ぼすような気もします。

今後は、現在の家庭科の指導要領なども勉強し、追記報告していきたいと思っています。
教育に携わっている方、ぜひともご意見ご感想お願いいたします。(1999年11月25日記載しました)

この項は、「てんてこまい!育児真っ最中3歳と1歳の母」さんよりのお便りを基に作成しました。
有難うございました。



4.働かなければ!症候群?

子供を持つ女性既婚者には、就労意欲がますます高まっていると言われています。そして、その理由は、家計を助ける為・生活維持の為・自己の技術経験を生かすため・・・が上位を占めています。

しかし、この結果が全てを網羅しているとは思えないのです。例えば、こんな選択項目があればどうでしょう?

A.「専業主婦は、職業として認められておらず、その為には、社会に出て行かなければならないから。」

現在の専業主婦の方は、例えばダンナ氏の職業・家計の収入・お受験に代表される子供の学習成果?においてのみ社会に位置づけられているような気がしています。先日のお受験殺人もこの典型かもしれません。
しかし、これらは専業主婦そのものの”個”から発せられたものではなく、全ては本来、付帯項目というべきものです。(幸い我が家には、全て縁遠い話ですが・・・。)
もしも、専業主婦という職業に社会全体から相応の認知が与えられていたとすれば、少子化問題に少なからずとも好影響を与えるのではないでしょうか?ただ単純に、第2子、第3子と子供の数が増えるというだけのものではなく、子育ての楽しみが広がり、その結果子供が今以上にすくすくと育つ・・・。そんな成果をも期待できるかも知れません。

自分が専業主婦であるということを、単に「疎外感」としてしか受け止められず、「働かねば・・・、」そんな強迫観念に苛まれている方はおられませんか?私個人の感覚では、結構多いのではないかと感じています。
「私は、専業主婦でありたい!」という方が安心して専業主婦でいられる・・・。これも大変必要なことではないかと感じています。

では、一体何が「専業主婦を素晴らしい職業と認知している」といえる世の中なのでしょうか?
これは、制度で解決するものではなく、先ずは男性が認知すること。それとともに、働く女性もが専業主婦という職業を認知すること。この2点に集約されるのではないでしょうか?勿論、経済的な側面があればなお良いとは思います。しかし、この順序は変わらないと思います。
(この課題については、継続勉強していきます。)

この項作成に当たっては、「女性が働く事はおかしい!」と言いたい訳ではありません。
まして、性別を問わず就労意欲を持つ事は当然であって、その意欲にチャチャを入れようとしている訳でもありません。しかしながら、男女共同参画社会の形成において、もっとも身近な「専業主婦を立派な職業として認知する」との項目が抜け落ちているのではないか?、そんなことを原点としています。(1999年12月13日記載しました。)