2002年、5月19日、生後3週間弱とおぼしき仔猫を保護することに。それから慣れないこねこ育てにあけくれ、7月7日現在、生後約2ヶ月を過ぎました。
これまでの数少ない猫とのつきあいは、もっと大きくなってからでした。眼があいたばかりの仔猫の育て方は未知数で、ちょっとした知識をあちこちから教えてもらい、私のこねこ育ての記録がまた誰かの役に立てるならと思い、こうして残しておくことにしました。
ただし、今回私が保護して育てたのは一匹だけ、しかもかなりの健康体。病気の場合や複数の育児はまたちがってくると思います。その子のペースや体調に合わせて、見守ってあげてください。
(マーズ)
◎
●
保護した状況
●
巣箱を保温する
●
ミルクの飲ませ方
●
排泄のさせ方
●
体重を測る
●
離乳食を始める
●
お風呂
●
動物病院
●保護した状況
場所は、人通りの少ない川原で、午後2時ごろのこと。ふたのない靴の箱に入っていて、他の兄弟猫3匹は、すべて死亡。朝まで雨が降っていたので、悲惨な姿でした。とりあえずいったん帰ってスコップを持って戻り、土をかけました。保護した猫だけが、ちょうど縦になった箱が屋根になって濡れなかったのか乾いていて、か細い声で鳴いていました。全身が白い子です。背中とおなかにさわった感じでは、元気そう。
まず、連れ帰って普通のミルクやツナ系のキャットフードなどを与えてみました。さっぱり受け付けません。口のなかを手でさわると、ほんの少しだけ歯が触れます。ともかく猫用ミルクでないとムリだということで、調達に行きます。
ついでにいろいろ育児用品をそろえました。トイレ代わりに100均ショップで食器を乾かすプラスチックかご(外側のみ使用)とか、猫用の哺乳瓶とか、獣医さんに行くときのための洗濯ネット(丸い筒状のにしました)とか、トイレの砂などです。
家には母猫の代わりをする動物はいない(もと女の子の犬はいるが)し、こんな小さい子が普通の猫に育つのかどうか、不安でした。人間が手をかけても何かが足りないはずで、後はこの子の生命力に賭けるというような気持ちで連れ帰りました。
●巣箱を保温する
まだ肌寒い5月。仔猫は体温を保つために、カイロや湯たんぽなどであったかくすべし、ということで、6月になるまで、巣にしていた小さいダンボールに、カイロとお湯を入れたペットボトルを置いていました。夜だけでなく、昼もです。低温やけどが恐いので、直接触れないよう、タオルなどの下にカイロを入れ、ペットボトルもタオルでくるんで。そうすると、ちゃんとペットボトルのうえに乗っかって寝たり、カイロのある場所で寝たりしていました。
身体が小さいので、カイロはミニを使用しましたが、ケースバイケースだと思います。ちなみにペットボトルは500ccの丸い形のものでした。
這い回ったり、箱を乗り越えて外に出たりはしますが、ほとんどは寝ています。身体の上には何もかけませんでしたが、真冬なら、もっと保温した方がいいと思います。
●ミルクの飲ませ方
※ミルクの量はこちらの [ 表 ]
を見て下さい。 (2ヶ月間の生後記録表が重いので、開くのに時間がかかります。)
ふしぎなのですが、温度が下がったり、私の場合粉ミルクだった(液状のもある)こともあり、水分の量がちがったりすると飲んでくれません。つねに熱めのお湯を入れた容器を置いて、仔猫は休み休み飲むので、休んでいる間、哺乳瓶を湯煎していました。最初の一週間は、長時間の外出をしないようにして、ほとんどつきっきり状態で世話しました。
もうおなかいっぱいかな、と思っても、1分くらいして飲ませると、また飲むことも。一日に5回ほど、適当な時間を置いて与えました。保護して2日目、アタマがぼうっとしてしまったのを覚えています(育児やら里親探しなどの不安で)。
人間用のミルクを飲ませるとおなかがゆるくなるというので、便秘ぎみになったときは、あえて少量混ぜてみたりして、けっこうその通りにゆるくなったりしました。
毛づくろいの真似事として、授乳の後には、ミルクを湯煎していたお湯で濡らした手やティッシュで、顔の周りや背中をさするようにしてました。親のようにはいきませんから、適当なのですが。
いろいろ知識を得る前、拾った数時間の間は、熱湯でミルクを解いて栄養成分を壊し意味なくしていたり、数時間放置したミルクを与えても、がんとして受け入れられなかったり。最初にちゃんとしたミルクをつくって、仔猫が飲んでくれるまでは、お互いに苦しい思いをしたことでした。私の場合は、顔を上向かせて、哺乳瓶の乳首を仔猫の口の中央の、二股になっているところ(鼻の真下)にしっかり当て、差し入れると飲みやすいようでした。飲みながら、哺乳瓶をしっかり見ています。両手でお乳をもむような動作をしたいらしいですが、哺乳瓶はそういう形ではないので手が浮きます。私の手を支えにしてあげたりしていました。
姿勢は四足で立ち、首を上向けて伸び上がるように飲んでました。これはずっとそのままで、仰向けとか寝て飲むことはありませんでした。ミルクは多めにつくり、残ったら捨てるようにしていたので、かなりロスがありました。ミルクは7月3日が最後です。そうそう、飲ませる前に、必ず手の甲に落としてみて、熱すぎないか確認してください。(体温より低いと飲まない)
●排泄のさせ方
普通なら生後一ヶ月くらいは、母猫がお尻をなめて排泄させ、排泄物を処理してくれています。最初の晩、オシッコは巣でしたけど、ウンチは出ませんでした。小さい子は、人間が促してやらないとウンチが出ないということを聞き、さて困ったなと思っていたら、2日目の夜、4cmくらいのまったく健康そうなウンチが出て、ほっとしました。いろいろやり方があるようですが、私の場合は、指の腹をお湯で濡らして、肛門の周りをポンポンと軽く押してみたり、おなかを時計まわりに指でゆっくり押してみたりという方法でした。
●体重を測る
最初に測ったのは家にきた翌日で、仮に5月1日生まれとすると、生後3週間になりますが、260gでした。それまでは母猫が授乳していたと思われ、しっかり育っていたようです。その後、5/27に370g、約一週間で100gの増加です。これって平均的なのではないかと思います。その後は面倒で測っていません。
●離乳食を始める
歯がかなり生えてくると、噛み癖もかなりあることがわかってきました。5月29日から離乳食を始めたので、生後約4週間目ということになります。猫用の缶入り離乳食を与えました。その頃から、自分で顔を洗う姿を見れるようになりました。
トイレをおぼえたら、離乳食も近いという感じでしょうか。子猫用のドライフードをふやかしたものを与えたのは、うちの場合、6月13日(6週)ですが、よく食べました。この日、お皿から初めて自分で水を飲みました。
●お風呂
トイレから出た足で部屋を歩き回ったり、すみっこのホコリを拾うこともあって、シャワーでお湯をかけるという簡単なお風呂を週に1回くらいしています。シャンプーはまだ。後はハンドタオルの大きいので、ふいて終わり。小さいので超かんたん。
最初のお風呂は、6月3日でした。基本的に、ウンチの上に足を乗せたりしない限り、洗わなくてもきれいに見えるのですが。白猫は汚れが目立つという便利さ(?)もありますね。
●動物病院
最初、性別がわからなくて、6月4日に犬のクスリをもらうついでに連れていって、判定してもらいました。女の子とずっと思っていたら、男の子だったのでびっくり。暴れん坊にも納得がいったというか、見分け方は本当にむずかしいのですね。尻尾の付け根からお尻の穴までの間が短いと女の子、というのだけど、比べないと、どれを短いというのかわかりません。
生後2ヶ月でワクチンを打って、その後3週間でまた打つといいそうです。今までに病気で死なせた犬猫は多いので、今飼っている犬の代からは、ワクチンもきちんと打つようになりました。
保護したときは健康そうだったので特に健康診断もしませんでしたが、おなかの調子が悪いとか、ミルクを飲まないとか元気がない場合は、まず獣医師に診てもらってください。
では、このへんで報告を終わります。食事や排泄の記録は別のページを見てごらんください。あなたとこねこが、異種育児(としか言えないのですが)の大変さを乗り越えて、気ごころの通じるパートナーになれますように!楽しくもとまどう日々の参考になればうれしいです。
|