ラズベリー味のコーヒー 


  

アメリカ人はコーヒーが大好きですね。
どこのオフィスにも大きなコーヒーメーカーになみなみとコーヒーが入っていて、みんな好きな時に自分でカップに注いで何杯も飲んでいます。
さすがに濃いと体に悪いのでごく浅煎りの、それこそ「アメリカン」。 このごろではカフェインレスも多くなりました。だから、薄い。日本の麦茶みたいなもんです。
  私はコーヒー好きですが、カフェインが効いて眠れなくなるのでコーヒーは一日一杯に止めていて、だからどうせなら濃くて美味しいのを飲みたい。
それで高級食材ばかりを扱うアラバマ州一の高級グロッサリーストアに豆を買いに行きました。あるある、遠目に10種類ばかりのコーヒー豆が透明なアクリルのケース入って、日本のスーパーと同じようにお客が自分で豆を挽くためのミルも付いてます。どれにしようかな。
私は別にコーヒーの選り好みをする訳ではないけれど、モカみたいな酸いのはあまり好みではない、メキシコとかブラジルとかカリブとか生産地が近いから、日本よりずっと豆が安いだろうな、などと思いつつ近付いてそれぞれの豆のラベルを見てみると。

「バニラ味」「ラズベリー味」「ヘーゼルナッツ味」‥‥‥。

…あのですね。私はコーヒーはコーヒー味で飲みたいんですけど。(実際は「─フレーバー」です。味というか香りが付いている。)
 いろいろなナッツ味など、なかなかどうしておいしいです。コーヒーに飽き飽きしている人は嬉しいでしょう。
でも、コーヒー本来の香りはどこに…。
  これほど世界中の食材・食文化の集まる米国で、なんでちゃんとしたコーヒーが飲めないんだ、と外国人達で文句を言いあっていたら、コロンビア娘曰く。
「私、実家から豆送ってもらってるよ。飲めないもん、こっちの…。」(N)



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