荻原規子さんの講演会  ─ 付記 ─
 
最近はネットの検索システムが充実して、ちょっとしたキーワードで 求める情報の載っているサイトにたどりつけるようですね。 猫やのMao Information 8月号にTopicsでご紹介した 「空色勾玉の荻原規子さんの講演会に行って来ました」というコメントを 見つけた方からのリクエストもありまして、半年前の記憶を呼び覚まし、 ここに少しご紹介しようと思います。

このコーナーは、地元を訪れた 有名人情報の穴場だったりもするので、これからもこうしたリクエスト があれば、どこかでご紹介したいと思います。
(特にライアル・ワトソン 博士など、誰かリクエストしませんか?)


 
98.7.26 sun 「こどもの本を語る○○大会」会場にて 
講演のタイトル 「ファンタジーとわたし」荻原規子
 
荻原規子さんは、デビュー作の「空色勾玉」で日本児童文学者協会新人賞を受賞し、以後「白鳥異伝」 「薄紅天女」「これは王国のかぎ」「西の善き魔女」などの長編をマイペースで発表されているファンタジー作家。
今回の講演では約2時間かけて、会場の約60人に親しく語り掛けるように、終始微笑を絶やさず、ご自身の 子供時代からの読書歴、勾玉出版までのいきさつ、ファンタジーへの思いなどについて語って下さいました。  
読書歴については、家に本があふれているような環境で育ったのではなく、親に与えられたダイジェスト版の 文学全集などを幼い頃からくりかえし読み、自分の世界の基礎を築いて行ったこと、少し大きくなってからは 外国の児童文学にひかれたこと。ナルニア国物語(C・S・ルイス)に出てくるアスラン、赤毛のアン、などなど、 いろいろな本の話をされました。

でも、自分で書こうと思ったのはずっと後になってからだそうです。自身が短編でなく長編作家であるため、 どうしても分厚い本になってしまうけど、こうしてファンがついてくれるのはとてもうれしいと。
デビューに関しても大学時代の児童文学系サークルでの人脈で、運が良かったのだと謙遜しておられました。
最後に質疑応答があって、社会的に答えが難しいような質問も大学の先生(これは後で判明)から出たりしま したが、微笑みつつ明瞭に答えていました。プロの作家がものを書く時には、いろいろな可能性や受け取られ 方を吟味しながら、自分の一番表現したいことを、そこに最もふさわしい状況で展開するのだということを、 改めて思わされました。

お客さんは「西の…」の成功もあってか中高生らしき若い人もちらほらいましたが、児童文学の好きな女性が 多かったようです。
私たち(M&S)も、新聞の予告記事で知って、どうして荻原さんがここへ講演に来るのか 不思議に思ったくらいで、最初は半信半疑でしたが、関係者の方々の熱意が通じたのでしょう。 午後からは分科会で直接お話する機会もあったのですが、参加しなかったのでごめんなさい。(M)


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