「オデュッセイア上・下」 著者:ホメロス / 出版社:岩波文庫
2000年12月08日(金)
聖書・シェイクスピア・ホメーロス。
西洋絵画、文学いずれの分野でも
なにかと出くわすモチーフですから、
いつか読まなきゃいつか読まなきゃと思いつつ、
なんといっても古代の物語です、
さぞかし読み難いだろうといつまでも避け続けて幾年月。
先日「オデュッセイア」の一場面を描いた美しい絵画を見て、
ようやく読む決心をしたら
あら──予想に反してやたら読み易いじゃないですか。
子供の頃に家にあった難文は
いったい何年前のものだったのやら、
今はすっかり改訂されて拍子抜けするくらいです。
これだったらもっと早く読んでおくんだったなあ。
考えてみたら世界中の学者が徹底的に
研究し続けて来たのですから訳が良く分ってあたりまえ、
それでもわずかにまだ意味不明な部分についても
詳しく注釈がされています。
これまでにいろいろな場面で知ったエピソードが多いし、
古代ギリシャの衣装や風俗も映画や美術、
マンガ等で馴染みが有るので場面を思い描くのはいとも簡単。
ゲーム世代には展開が遅すぎる?
枕詞と繰り返される歓待の場面に慣れればかなり早く進みます。
想像力に自信がある者は試みよ、
楽しめてそのうえ後々の「教養」になって
事有る毎に役立つのだからこれはお得。

有名な海の妖者化物達は「上」の後半で語られ、
「下」で帰郷したオデュッセウスは復讐を果たし
家族と再会します。(N)


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