「字幕の中に人生」 著者:戸田奈津子 / 出版社:白水Uブックス
2000年10月10日(火) 
☆ 一秒四文字、十字×二行以内のせりふ作りにすべてを賭ける世界

字幕:戸田奈津子 と、名前が出ると安心する。
今は戸田奈津子以外にも、いい字幕翻訳者は
育ってきているのかもしれないが、
やはり、戸田奈津子だとほっとする。
好みというより、
長い間に戸田奈津子にならされてきたのかもしれないが。

映画の字幕の情報量は、限りなく少ない。
セリフは上手にはしょられ、巧みに置き換えられていく。
それは、英語の得意な人には、いうまでもないことだろうし、
そうでなくとも、吹き替えと比べてみればすぐわかることだろう。
字幕に頼らざるを得ない映画の見方は、
正確に映画を把握しているというよりは、
ニュアンスを楽しんでいるくらいなのかもしれない。
だから、訳者のセンスにおもねるしかないのだから、
映画の当たり外れは、訳者の好き嫌いにもかかってくるのだ。

映画字幕とは何かからはじまり、
映画の舞台裏を垣間見る喜びが詰まっています。(S)


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