散文七五風味桃太郎

 

むかしむかしの、あるところ。じさまとばさま住んどった。

じさまは山へ芝刈りに、ばさまは川へ洗濯に、行ったんじゃとよ。しったらほ、川の上から、そりゃでけぇ大きな桃が

「どんぶらこ、どんぶらぶらこ、どんぶらこ」

と、流れてきたと。peach2.jpg (3430 バイト)

ばさまはこれを「どっこいしょ」背中にかつぎ、持ち帰り、じさまと共に食べようと桃を二つに、包丁で切って、びっくり桃の中、元気なちごがいるでねか。じさまとばさま、子宝に恵まれてねし、丁度よか。この子ば大事、かわいがろ。

「この子さ名前、どうするべ?」

桃から生まれ、桃太郎。

ももたろ元気、成長し。悪さをしちょる 鬼どもを退治するため、出かけたと。じさまとばさま、ももたろに腹の足しにとキビ団子持たせてやった、親心。

にっぽんいちの桃太郎、鬼の退治に鬼ヶ島、向かって歩く一人旅。猿キジ犬が、申し出て

「ももたろうさん ももたろや。お腰につけたキビ団子一つ、私にくださいな。」

こたえて曰く

「やりましょう。やってもいいよ、やりましょう。これから鬼の征伐についてくるならやりましょう。」

人望厚い桃太郎。猿キジ犬を供にして、鬼退治する御一行。

いざ鬼のいる、鬼ヶ島、お猿は鬼を引っかいて、キジは空からくちばしで鬼の頭をつついたと、イヌっこ鬼にかみつきて、勝利を収む桃太郎。

鬼は泣き泣き、あやまりて、

「悪さは二度とせんから。」

と、

「許しておくれ。」

言ったそな。その印にと、ももたろに宝の山を差し出した。

ももたろ無事に帰宅して、故郷に錦飾ったと。じさまとばさま喜びて、

「わしら育てたももたろは、にほんいちじゃ。」

と言ったそな。

めでたかめでた。よかはなし。

 

 

七五風味桃太郎

むかしむかしの あるところ、

じさまとばさま 住んどった。

じさまは山へ 芝刈りに、

ばさまは川へ 洗濯に 

行ったんじゃとよ。しったらほ、

川の上から そりゃでけぇ 

大きな桃が「どんぶらこ、

どんぶらぶらこ どんぶらこ」

と、流れてきたと。

ばさまはこれを どっこいしょ

背中にかつぎ 持ち帰り、

じさまと共に 食べようと

桃を二つに 包丁で

切ってびっくり 桃の中

元気なちごが いるでねか。

じさまとばさま 子宝に

恵まれてねし 丁度よか

この子ば大事 かわいがろ

この子さ名前 どうするべ

桃から生まれ 桃太郎。

ももたろ元気 成長し

悪さをしちょる 鬼どもを

退治するため 出かけたと。

じさまとばさま ももたろに

腹の足しにと キビ団子

持たせてやった 親心。

にっぽんいちの 桃太郎

鬼の退治に 鬼ヶ島

向かって歩く 一人旅

猿キジ犬が 申し出て 

「ももたろうさん ももたろや

お腰につけた キビ団子

一つ私に くださいな」

こたえて曰く 「やりましょう

やってもいいよ やりましょう

これから鬼の 征伐に

ついてくるなら やりましょう」

人望厚い 桃太郎

猿キジ犬を 供にして

鬼退治する ご一行。

いざ鬼のいる 鬼ヶ島、

お猿は鬼を 引っかいて

キジは空から くちばしで

鬼の頭を つついたと

イヌっこ鬼に かみつきて、

勝利を収む 桃太郎

鬼は泣き泣き あやまりて

悪さは二度と せんからと

許しておくれ 言ったそな

その印にと ももたろに

宝の山を 差し出した。

ももたろ無事に 帰宅して

故郷に錦 飾ったと

じさまとばさま 喜びて

わしら育てた ももたろは

にほんいちじゃと 言ったそな。

めでたかめでた よかはなし。

 

ひらがな七五風味桃太郎

むかしむかしの あるところ

じさまとばさま    すんどった

じさまはやまへ しばかりに

ばさまはかわへ せんたくに

いったんじゃとよ しったらほ

かわのうへから そりゃでけぇ

おおきなももが どんぶらこ

どんぶらぶらこ どんぶらこ

と ながれてきたと

ばさまはこれを どっこいしょ

せなかにかつぎ もちかえり

じさまとともに たべようと

ももをふたつに ほうちょうで

きってびっくり もものなか

げんきなちごが いるでねか

じさまとばさま こだからに

めぐまれてねし ちょうどよか

このこばだいじ かわいがろ

このこさなまえ どうするべ

ももからうまれ ももたろう

ももたろげんき せいちょうし

わるさをしちょる おにどもを

たいじするため でかけたと。

じさまとばさま ももたろに

はらのたしにと きびだんご

もたせてやった おやごころ

にっぽんいちの ももたろう

おにのたいじに おにがしま

むかってあるく ひとりたび

さるきじいぬが もうしでて

ももたろうさん ももたろや

おこしにつけた きびだんご

ひとつわたしに くださいな

こたえていわく やりましょう

やってもいいよ やりましょう

これからおにの せいばつに

ついてくるなら やりましょう

じんぼうあつい ももたろう

さるきじいぬを ともにして

おにたいじする ごいっこう

いざおにのいる おにがしま

おさるはおにを ひっかいて

きじはそらから くちばしで

おにのあたまを つついたと

いぬっこおにに かみつきて

しょうりをおさむ ももたろう

おにはなきなき あやまりて

わるさはにどと せんからと

ゆるしておくれ いったそな

そのしるしにと ももたろに

たからのやまを さしだした

ももたろぶじに きたくして

こきょうににしき かざったと

じさまとばさま よろこびて

わしらそだてた ももたろは

にほんいちじゃと いったそな

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BGM「祭りの前」作曲:森田博美