無意味本紹介

ーーーーこの本は読まなくてもいいーーーー

1、「馬鹿につける薬」

早稲田大学出身の自称封建主義者、小林よしのりのゴーマニズム宣言でもお馴染みの呉智英のベストセラー本。

この本の中で呉は**(名前を忘れた)に議論を挑むのだが、社会運動家の**は議論という行為を低く見下しており、行動こそがすべてだと思っている。そんな**に議論を挑むこと自体が間違いなのだが、呉は挑んだ。その**の呉に対する反論が「おまえは包茎である!」「おまえはマザコンであり、皮かむりであり・・・。」と、いった恐ろしくどうでもいい内容である。(包茎と封建をかけてるわけやね)

それに対する呉の再反論が「私は包茎ではない!」「私は包茎でも、マザコンでもなく、仮に私がそうだとしても、それが思想上どのような欠点をもたらすというのだ。君は馬鹿だ、そしてそのことは君の思想上大きな欠点をもたらしている。」

で、それに対する**の再再反論が「やっぱり馬鹿なのは君の方だったよ呉君。私が君のことを包茎だ、マザコンだ、と言ったのは、君が安全な皮に被われた部屋の中から出ようともせず、議論ばかりしていることを指していったのだよ。それを君は、私の家の前まできてピンポーンとベルを鳴らし、私を呼び出して玄関を開けさせるなり、いきなりズボンを下ろし、パンツを脱いで、自らのちんちんをさらけ出すなり、私は包茎ではないと言いだした。もう一度言うやっぱり君は馬鹿だったよ。」こんなノリの知識人漫才が延々続く。

ちなみにこの本は早稲田大学内の購買部の本屋で、売れてる本ベストテンの中に常時入っているらしい。こんな本を読む早稲田の学生って、いったい・・・。

もっとも早稲田の購買部の本屋って、俵まち「サラダ記念日」とか片岡義男「スローなブギにしてくれ」とか、早稲田出身者の本ばっかり置いてるんだけどね。

いや、それよりも、せっかく苦労して早稲田まで出してやって、さあー将来はどこまで出世してくれるかなと、老後は楽させてくれよと、期待してた息子がこんな風になってしまった親の心境っていったい・・・。

他に呉智英の主著として、「封建主義者かく語りき」もあるが、これも読まなくていい本だ。

2、「長靴を履いた猫の靴下」

北野誠のサイキック青年団やSPA!の「なにわ通信」でもお馴染みの著者が放つ自叙伝。この中で竹内は高校時代のこのような体験を語っている。

むかし駄菓子屋でウンコそっくりのゴム人形が売ってあって、丁寧なことに下に紙まで敷いてあるんやけど、これ高校時代ごっつ流行って、学校に持ってきて女の子の机の上に置いといて、女の子がきゃーきゃー言うの観て一緒になって騒いでたんやな。

そのときの友達で、梶田いう奴がいたんやけど、そいつもウンコ人形欲しかったんやろな、でも買う金なかったんや。あれ、本物そっくりなだけに高かったしな、ウンコ人形は欲しい、でも買えへん、でも欲しい・・そうやって悩みながら道歩いてたら、道端に犬のウンコが落ちてるやないかい。これや、思って梶田はティッシュで挟んで、ある女の子の机の上に置いた。その女の子っていうのが、普段ちっとやそっとじゃ動揺しないような子で、すらっとして背が高く大人びてて、美人やったけど性格きつくてな、冷たいさめた顔して、表情かわらへんねん。梶田も、いっぺんぐらいはこの子の表情の変わるとこ、見たかったんやろ。学級委員してるような人やったから、ウンコ人形で騒いでても「男の子ってどうしてこんな下品なことが好きなんだろう、それと一緒になって騒いでる女の子も女の子よね」って感じの冷たい目で見てたんや。

その女の子の机の上に紙が敷いてあって、その上に犬のウンコが置いてある。いつも冷静な学級委員長は「これがいま流行のウンコ人形ね。こんな物で私がきゃーきゃー言うものですか。」と思って、冷静にそれをつまんで捨てようとしたんや。

で。

人差し指と親指でつまんでみると、妙に生暖かい、指の感触が妙にリアルだ。一瞬、委員長の頭が動転する。そんなはずはない、そんなはずはないと思いつつ、そっと指からはなしてみる。ねっとりとまとわりつくこの感触、この匂い、「最近のおもちゃはよくできてるなあ」と思う。棒状の物を割ってみると、中はまだ湿っていて茶色でやわらかく臭いもきつい、そっと口元に持っていき、臭いを嗅いでみる。当然外側は乾いていて黒く硬く臭いも出し切っていたのに、中は湿ってる暖かい臭いがリアルだ・・・・、ひょっとしてこれは、いやそんなはずはない・・・・・・・・。私はそのとき初めて委員長の泣くところを観た。

と言った、何の教訓も導き出せないような話がごまんと載っている。

ちなみにこの本の題は、幼い日、「長靴をはいた猫」の話を聴いて、その猫の靴下はさぞかし臭いだろうと思った、幼い日の著者の記憶からきているという。

3、古井由吉&田中康夫対談集

漢字だらけの難しい実存小説を書く七十年代の騎手古井由吉と、カタカナだらけの軽いブランド物の世界を書く八十年代の騎手田中康夫で、共通の話題があるのかと思えば、年寄りが若手に話を合わせ、田中康夫のインタビュアーになっている。 

「僕はテレビによく出てると思われがちなのですが、週に一回土曜の深夜にちょこっと出てるだけなんですよ、それなのにみんなは僕の顔を知っていて、動物園に行ったりすると、女子高生やなんかが、きゃあーきゃあー言って集まってくるんですよ、どうしてなんでしょうね?」などと田中は言う。

古井は、「それだけ目立つ顔なんでしょう」などと軽くかわしてるが、当時、田中康夫は離婚騒ぎで常に女性週刊誌を騒がせていた。

元奥さんが田中康夫の癖を暴露しだしたのだ。「夜になると私のパンツを頭にかぶって、はしゃいで町の中を駆け回る。」など。当然そんな話は、7割引の売り尽くしバーゲンセールでしか誰も聴かない。「離婚しようとすれば、もめるだろうし、その中で悪口の言い合いにもなるだろう」ぐらいにしか考えない。

ところがこの後、近所の人の証言てのが続く、「田中さんかどうかは知りませんけど、確かに近所では有名でしたよ。色白で、ちょっと小太りで背の低めの、白いセーターを着た男の人が、女物のパンツをかぶってなにか一人でつぶやいてるところを、そう、ちょうどあの街灯の下です、逆光でよく見えなかったのですが、こっちを見るなり向こうの方に、訳の分からないことを叫びながら走り去っていきました。」

女性週刊誌にこんなネタを書かれ、テレビのワイドショウに追いかけ回されて、女性週刊誌の表紙に顔載せられてりゃ、女子高生でなくてもきゃーきゃー言うわ!頭にパンツかぶって走り回ってる人やと思ったら、遠巻きに3メートルぐらい離れて指さしてひそひそするわい!

ちなみにこの本には田中康夫のSMネタも書かれている。

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