■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 不定期刊行物【賞なしコネなしやる気なしで作家を気取る100の実験】 第84号 2004/3/6発行 ■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 1ポエマホリックカフェ 二月二十八日(土)ポエマホリックカフェ http://poema.hp.infoseek.co.jp/ に行って来ました。今回は東京近郊から外れる初めての遠征です。 筑波のラ・カラフェに17:30に着けば良いと。いうことで、 ポエマホリックカフェの地図を見たところ、 http://poema.hp.infoseek.co.jp/gazou/carafe.gif どうやら、ひたち野うしく駅が会場に近いらしい。 東京では会場のある茨城県の地図が買えないので、 駅に着いたら地図を買うか、道を聞くかすれば良い。 駅スパートで調べた感じでは、 私の住む南行徳からひたち野うしく駅まで 一時間三十九分。片道1010円。それほど遠くもなさそうだ。 そう思い、余裕を見て、午後三時頃、家を出たつもりだったのだが。 神田のジャニスでビデオとCDを返すともう午後四時。 軽くカレーうどんを食うともう四時半。 この辺りで、少し遅刻じゃないかという思いが芽生える。 取りあえず、営団地下鉄で北千住駅に出て、そこからJR常磐線で ひたち野うしく駅まで、出ようとする。北千住駅に出た頃には、 もう午後5時で、帰宅ラッシュにもまれて電車に乗る。 北千住への乗り換えは無人改札で、降りる駅で精算。 電車は特急だの急行だの準急だのがあり、ちょっとした旅行気分。 どんどん、田舎へ進んでゆくのが不安になる。 同じ車両の中高生が「なまってる」だの 「改札が有人だから田舎だ」だの 「ヤンキーが多いから田舎だ」だのの話題で盛り上がっている。 ひたち野うしく駅に着いた頃には辺りが薄暗い五時四十分。 事前に筑波大学のHPで調べたところによると、 ひたち野うしく駅から筑波大学までバスで二十分とか書いてある。 ラ・カラフェが筑波大学の近くだとすると バスに乗って順調に行っても、六時過ぎ着。 バスに乗るが中々出発しないし、 第一どのバス停で降りれば一番近いのかもよく分からない。 五時半から九十分イベントがあるとして、 六時過ぎに着けば、まだ半分は見れる。 ここは思いきって、タクシーに乗ってみる。 タクシーに乗ったのが五時四十五分。 運転手さんはラ・カラフェを知らないし、 ポエマホリックカフェの公式HPから写した簡単な絵地図と 住所だけを頼りにタクシーは走る。 駅から、どのぐらい掛かるか聞くと、 順調に行けば、二十分ほどだが、今の時間は道が混んでるので 保証は出来ないと言われる。 料金メーターはあっという間に三千円を越える。 タクシーの中で筑波の学園都市の話をする。 筑波は都市の中心が駅から遠く、 車を持たないと中心部に入れない仕組みになっている。 街の中心に駅が欲しいかと筑波の人間にアンケートを取ったら いらないという答えが欲しいという答えを上回った と新聞に載っていた。 よそ者や部外者が入って来れない仕組みが筑波を 学園都市・研究都市らしくしているのだ。 街の中心部に駅が出来外部との接触が生まれると 外から多くの部外者が侵入し、学園都市筑波の個性は消え、 普通のベッドタウンになってしまう可能性がある。 東京とは別の意味で日本の中心であり、 ある種の閉鎖性を持つ街という意味で、 私の出身地である京都と似ている。 そういう話をすると、タクシーの運転手さんは 来年の2月頃に、常盤新線が出来て、 筑波の中心にJR駅が出来ることを教えてくれた。 都市マニアの自分に取っては、 学園都市としての個性が残っているうちに 筑波に来れたことを嬉しく思う。 駅が出来てからでは面白くないのだ。 吾妻中学の辺りで「この辺りなんですけどね」 と言われ、そこで降りる。メーターは4020円。 東京で遊んでいて、終電が東陽町駅で止まってしまった後の 深夜割増タクシーより高い。東京の地下鉄で5駅より、 筑波の最寄駅から目的地までの距離の方が遠いのだ。 地元の方に住所を聞きながら、やっとラ・カラフェを探し当てる。 二階のレストランに上がり、店員に 「ポエマホリックカフェに来たのですが」というと 「もう終わりました」と言われる。時計を見ると午後六時四十分。 今日はエントリーが少なかったので早く終わったと言われる。 ここ数回、エントリーが少なくて早く終わる傾向があるという。 エントリーが九人で、実質六十分。 みた感じ、30〜50代の社会人が多い。 会場のラ・カラフェは元ライブハウスのレストランで、 グランドピアノを設置したステージに、 アコースティックギターが数本置いてある。 お洒落なカウンターがあり、 チラシをみる限りではライブイベントも頻繁に行われているようだ。 定価300円で 「月刊ポエマホリックカフェ 第31号2004年01月号」を買う。 全二十五ページで編集長が塚本敏雄さん http://www.geocities.co.jp/Hollywood/1126/ から、西村健(にしむら たけし)さん http://poema.hp.infoseek.co.jp/nakama/nakama.html#nisimura へ変わった最初の号だ。 これはネットから通信販売でも買えるらしい。 http://poema.hp.infoseek.co.jp/book/book.html ここで、ポエマホリックカフェへのアクセス等を教えて頂く。 どうやら、ひたち野うしく駅からバスよりも、 東京駅の八重洲口から出ている高速バスで、 筑波センター行きに乗り、 終点の筑波センターから主催者の携帯にTELして むかえに来てもらうのが、正しいアクセスらしい。 筑波センターは駅のない学園都市筑波の中心にある バスターミナル&ショッピングモールで ひたち野うしく駅よりも、ラ・カラフェに近いが それでも歩いて30分以上掛かるという。 5:00開場、5:30開始なので、 5:00頃までにTELすれば誰かに迎えに来て頂けるらしいが それには、先方のTEL番号を知らねばならず、 私は西村健さんのTELを教えて頂いたが、 それをメルマガに流すわけにもいかず、 遠方から参加したい方は、 事前にメールで問い合わせて先方の携帯番号を聞いておくか、 ラ・カラフェのTEL0298−58−6518をメモって、 旅立ってみるぐらいしかない。 東京駅の八重洲口からの高速バスだと、 片道1250円で約一時間二十分。 そこからラ・カラフェまでだとタクシーでも1000円前後だという。 驚いたのは筑波は本当に車社会で、ポエマホリックカフェ後も、 誰が誰をどの車で送っていって、 飲んでいる人は代行頼んでどうこう というやりとりがずっとされている点だ。 「代行なんて東京の人は分からないでしょう?」と言われた。 主な移動手段が車の都市で、車で飲みに行き、 飲酒運転で家に帰るわけにもいかないときに、 タクシーの代わりに運転代行業者を電話で呼んで 自分の車を代行運転してもらい、 自分と自分の車を家に届けてもらうなんてのを 直接みたのは初めてだ。 二次会に「かぼちゃ句会」があるのを知っていたので、 会場となる韓国家庭料理マンナへ車で連れて行ってもらう。 句会が始まったのが7:00。 まだ車で人を送って行っている方もいるのでフルメンバーではない。 10名参加予定だがこの地点でマンナに居るのは私含め8名。 句会は兼題として事前に知らされているお題、 今回は「水仙」「告白」と 席題として、その場で考えられた題で即興詠をする題とある。 まずは、メニューから食べ物と飲み物を注文しつつ席題を皆で考える。 いくつか案が出た中から、私の出した「腕時計」が 席題として選ばれる。 席題が決まったのが7:30。 ここから8:00までの30分で句を作る。 句は一人三句。一枚の紙に一句書いて、三枚まとめて主催者に渡す。 誰が書いたのか分からないようにするため、 主催者は人数分の句を混ぜて、紙に清書し、 それを人数分コピーして配る。 10人居れば、30句が紙に清書される。 その中から、一人五句。自分が良いと思ったもので 自分の句以外のものを選んで「選」とし、 一人三句、良くないと思った句を選んで 「逆選」とする。 そして、一人づつ選と逆選を発表し、集計後、 選の多かった物から順に、選者の感想と逆選者の感想を述べて 最後に作者の感想を述べる。 参加者は、ポエマホリックカフェ旧主催者で、 「ウェブ電藝」 http://www.indierom.com/dengei/ でメールマガジンも出され、第二詩集「リーヴズ」 アマゾン http://tinyurl.com/3bs5r bkー1 http://tinyurl.com/3fghn も出された塚本敏雄さん。 新主催者の西村健さん。 同人誌「メビウス」 http://niigata.cool.ne.jp/mebius/ 編集長の高橋有男さん。 教科書にも詩が載り、ドラえもんの学習シリーズ 「ドラえもんの国語おもしろ攻略―詩が大すきになる」 アマゾン http://tinyurl.com/yw8mb bk−1 http://tinyurl.com/32o94 で、ドラえもんにも詩を紹介されている小泉周二さん。 http://www3.justnet.ne.jp/~nocturnal/ 以前Winds−Cafeでもご一緒させてもらった川口浩範さん。 http://members.goo.ne.jp/home/guchi_k モノマネ芸人もされているリチャード赤塚さん、 まなみさん、私。 そして、8:00にようやく、車でみんなを送り届けて、 あわてて、句を出された駄文王こと 角田康弘(つのだ やすひろ)さん http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ohgai/6313/ と「ちいへべ」 http://www.geocities.co.jp/MusicHall/2300/index.html というグループでバンドなどもされている濱さと子さん。 http://www1.odn.ne.jp/~cfg66950/ 遅れて合流された角田さんと濱さんは、事前に携帯電話で 席題を聞いて運転しながら句を作るという、 道路交通法ギリギリの荒業。 8:00〜8:10の10分で選と逆選を選ぶ。 正直、10分で選ぶのは難しい。 フィクショネスの句会と違うのは、 あらかじめ題が決まっており、 どの句もその決まった題を使って詠まれているため、 より厳しい制約の中での攻防になる。 私などは、腕時計というあまり良くない席題を 出してしまったのだが、これなどは、一語で五音あり、 5・7・5の中の五音のところで使うと、切れ字を付けれず、 この一語だけで占めてしまう。 これで、10人の詠み手が10句出し個性を競うのだ。 17音のうちの、5音がお題で、残り12音に 季語を入れてどうこうとか言い出すと、 腕時計にどの季語を組み合わせるかぐらいしか、 違いが出せない。 その季語も、今回季節は春になるのですが 春の季語と言われて、私のような素人は桜ぐらいしか浮ばない。 水仙のように最初から季語をお題にしてもらえると楽なのですが、 知っている季語が桜だけだと、桜と腕時計で、八音、 残り9音しかない。 上級者の方があえてみんなの知らない季語を使えば良いけど、 そうせずに、桜で詠んじゃったら、 桜と腕時計の句が10句も並んでしまう。 実際、もう一つのお題だった「告白」では 桜が散る場面と、告白を重ねた句が多く出て、 確かに、桜が散るのと告白して振られるのは 合うのだけれども、みんなが同じことを考えて、 似た句が続出してしまう。 こういうのを俳句用語で「つきすぎ」というのだなぁと、 初めて実感。 イメージが沸きやすくて良い句だと思って選にした句と 同じ句をつきすぎだからと逆選にも選びそうになったり、 何が選で何が逆選か自分の中でも多いに迷う。 8:10〜各自の選と逆選を発表。 実際にやってみると、一番多くの支持を得た五点句でも 逆選が一票入っていたりするわけです。 この句会で一番支持された五点句、二句引用すると 水仙や 君の好みし シャツの色 (塚本敏雄) 告白の かわりに白い 息を吐く (西村健) 本人を除く九人中、五人が良いと言って、一人が違うと言った つまり、三分の二の人がなんらかの形で注目した句がこれです。 君の好みし シャツの色の方は、 普通にきれいな句だと思うのですが、逆選の方が言った言葉は 「水仙は黄色い色をしている。 そんな色のシャツは汚いだろう。」 お題の水仙が黄色、そんなことすら私は知りませんでした。 告白の かわりに白い 息を吐く この句の面白いところは、「告白」と息を「吐く」が、 音的にかぶっていて、かつ「告白」と「白い」が、 字の上でかぶっている。 短歌でいうところの縁語の面白さですね。 私がこのとき詠んだ句で一番多くの点数が入ったのが、 告白も 振り向きもなく かえる鳴く という二点句で、「なく」と「鳴く」で音を整え、 「振り向き」から「振り返る」がイメージされるように 作ってはみたのですが、 お題の告白とはあまり絡んでないですし ちょっと虚無的過ぎるなと思いつつ。 10人が30句を出して、ああだこうだと評し終わったのが 午後10:30。ここから私は帰るわけですが、 筑波センターからの高速バスは割と遅く夜までやっているのですが、 仮に、10:30ジャストでバスに乗って、 東京着が一時間二十分後の11:50。ここから、 東西線で南行徳までで、南行徳着の終電が12:30。 まあ、ギリギリ間に合うか合わないか。 合わなきゃいつものファミレスで 朝まで読書&仮眠もいいなと思いつつ、 ポエマホリックカフェの方々が、 「西村さんの部屋に泊めてもらいなよ」と言って下さり、 西村さんも、快く泊めて下さるようですし、 さらに、泊まる場合は、角田さんも私と一緒に泊まって みんなで修学旅行の夜状態を楽しむという話になり、 そこまで言って下さるならと御言葉に甘えることにする。 実は、村田活彦さんもポエマホリックカフェにいらした際、 西村さんに泊めて頂いたという。 他には詩を朗読する千葉県の会の沼谷香澄さんも ポエマホリックカフェには来られたことがあるらしい。 で、取りあえず、 塚本さん・西村さん・角田さん・私で飲みに行く。 東京の朗読で面白い動きがあるのかと尋ねられ SSWSについて話す。塚本さんが 「さいとういんこさん辺りが優勝するでしょう」というので 「いえ、彼女は主催の側に回っていて」と答える。 私以外の三人はみな、中学や高校の教員で、 大手の詩の雑誌に、詩や詩人紹介が掲載されたりしているらしい。 筑波という学園都市に興味があると言うと ここは筑波唯一の歓楽街で、ここが出来るまで 筑波には歓楽街がなかったという話になる。 歓楽街と言っても、 私が見た限りでは飲み屋が数軒あるだけなのだが、 それまでは、研究所の集まる学園都市筑波には 飲み屋街すらなかったという。 極端に自殺率の高い都市だったが、 歓楽街が出来ることで自殺率が落ちたらしい。 いまの筑波にもファッションヘルスはあるが ソープは無い。法律でそう定めているのだ。 ヘルスはあるがソープはない。その点も、京都と似ている。 また道幅が広く、直線が多く、歩行者が少ないため、 車のスピードが速く、交通事故は少ないが、 事故が起きるときは大事故になるのだという。 鉄道でなく、自家用車中心の街作りで、 週に一度、郊外の大型スーパーにファミリーワゴンで乗り付け、 一週間分の食料を家族で買い込み、普段はスーパーに行かない。 そういうアメリカ風の生活をする人も多く、 外人には住みやすい街だという。研究所には外国人も多いため、 外国人がレストランに入っても 外国人であるという理由だけで注目を浴びることもない。 適度に田舎でありながら、東京へも近い。 西村さん宅では、アイドルや音楽の話をしていた。 角田さんは女の子同士が仲良さそうにしているのが 好きなのだという。パフィーや推定少女が好みらしい。 先のかぼちゃ句会で、女性2人、男性8人だったのだが、 女性から2票入り、男性から一票も入らなかった句が 惜別の 日に腕時計 はずし飲む (塚本) という句で、男同士が仲良さそうにしている句だ。 女同士仲良さそうにしているのが男性からみて魅力的なように 男同士仲良さそうにしていれば、女の子にモテるかもしれない と思う。 アイドルがどうのこうのと言った話をするが、 二人とも中学・高校の教員だったりする。 いま、自分の年令を思うと 中学のときの担任の年令より上かもしれない。 だとすると、あのときの担任の先生も生徒のいないところでは こういう話をしていたのか? 午前2:30ごろ眠る。 その翌日には、何故かロフトプラスワンで 「夜のファウスト祭」をみてました。 非常に濃い週末、色んな方にお世話になりました。 2ポエマホリックカフェ情報 毎月最終土曜日。チャージ500円。 次回開催2月28日。開場17:00開演17:30。 アクセス。JR東京駅八重洲口高速バスより 筑波センター行きに乗り、終点まで。 (約一時間二十分。片道1250円) 五時に、ラ・カラフェにTELし主催者に迎えに来てもらう。 TEL0298‐58‐6518 バスは10分〜15分に一本あり、乗客が多いと増発する。 乗り場が分かりにくいので早めに着く方が良い。 次回のかぼちゃ句会の兼題は「ボタン」「転勤」。 ボタンはスイッチのボタンでも、服のボタンでも可。 3イベント情報 3/7(日)ポエトリー地下劇場 司会:ドクター・セブン 出演:ムロケン・平山昇・油本達夫(横浜詩人会)・ロバート=ハリス 美音妙子・稀月真皓 場所:神奈川県民ホールギャラリー第五展示室 開演18:00〜 入場無料 定員100名