■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 不定期刊行物【賞なしコネなしやる気なしで作家を気取る100の実験】 第81号 2003/2/26発行 ■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 1あいさつ 二月二十四日(火)サ*ナ*エ*ミ観てきました。 二十二日(日)に死紺亭さんと会って、色々話したのですが、 死紺亭さんに、東京ポエトリーシーンを紹介する文章を書く依頼が 和合亮一さん http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/%98a%8D%87%97%BA%88%EA/list.html http://po-m.com/inout/doc.php?id=81 (いんあうと http://po-m.com/inout/menu.htm 詩誌「ウルトラ」主催) から来ているらしく、なんでも、 福島在住で高校の先生をされながら、 詩のイベントで日本全国を縦断される和合さんが、 行った先で配るフリーペーパーに載せる文章を 死紺亭さんに依頼という話らしくて 第一回はサナエミで書くと言われていてですね。 その辺との兼ね合いなども考えながら、 私も、同じイベントでレポートを書こうとしているのですが 正直、今回、大下さなえさんが詠まれたのが いわゆる現代詩で、前回のるりさんとのイベントのような エッセーや短編小説ではないので、 テキストに関してのレポートは私には書けない。 死紺亭さんは大学で詩の授業の助手をされていたらしいので その辺は強いのですが、テキストに関しては私は今回 逃げた。分からない。 そんなわけで現代詩に関しての専門的なレポートを 読みたい方は死紺亭さんまで。 2サ*ナ*エ*ミ 二月二十四日火曜日、サ*ナ*エ*ミ観てきました。 出演は詩人の大下さなえ http://homepage1.nifty.com/kyupi/ さんと歌人の伊津野重美さん。 演出は歌人の秋月祐一 http://www5e.biglobe.ne.jp/~capybara/ さん。音響はmol http://www31.ocn.ne.jp/~mol/ というユニットの藤井一広さん。 会場は中野の劇場MOMO http://www005.upp.so-net.ne.jp/thepocket/ 収容人数92+補助席となってますが、 当日私が数えた限りですと、 左右共に縦8列、横6列+アルファで ざっと100名ほど入っていた印象です。 チケット番号を見たら134とかになっていたので、 楽屋込みだとそのぐらいの人数なのでしょうか? まあ、厳密には分かりませんがおよそ100人。 客層は20〜40歳代ぐらいがメインで、 夫婦で観に来られている方も何名かいらっしゃったり、 中にはおばあちゃんもこられていたりして 大人の鑑賞に耐える物だという期待が客席からうかがえます。 かと思うと、スタッフの方なのかも知れませんが 最前列の舞台向かって一番右端の席に座られていた方が 上演終了直後、寝ぼけられていたのが印象的でした。 舞台のセットは、白い木のイスやテーブルが床に沈み込んでいる、 もしくは床からイスやテーブルがせり上がってる 無重力状態のイメージで、 右半分だけのイスが床に倒れて、 残り左半分が床の下にあるのを想像させたり、 斜めに切られた棚が床から斜めに立ち、 無重力感を表現していたりという抽象度の高いセットで 抽象度の高いBGMと合ってました。 自分の少ない知識の中でこの舞台装置から連想するものというと 小劇場系の劇団の舞台装置であったり、 縦に半分に切られた実用性のない家具を展示する 小野洋子の個展であったり、 室内にある白いもの、 白い家具・白い食器・白い調度品を販売したビートルズ経営の ホワイトハウスというお店であったり、 幻想的で夢の中の世界という感じが出てました。 プログラムをみると七部構成で、 最初に大下さん伊津野さんの二人による朗読が入り、 次の三つが伊津野さんの朗読、 後半二つが大下さん、 最後に二人による朗読で締める。 左右のマイクスタンドに、 ノースリーブのワンピースに素足の二人が登場し 「陶製のレジスターまたは養母の肖像」 の朗読をはじめる。 レジスターが生き物のように動き出し、 血の通った生物に見えてくる詩だ。 二人の女性が肌の露出の多い服でステージに登場されたわけだ。 世間一般ではこのようなものをセクシーだと感じるのだろう。 でも私はそのように感じなかった。 ここから主観的な暴論になるのですが 基本的に私は女性のファッションで肌の露出が多い服というのは 生理的に受けつけない。 何故だろうと考えたときに、肌の露出が多い服は 服の露出が少ないため、服の持つ記号的意味が薄くなりがちだ。 ここでいう服の持つ記号的意味は、 動物化するするポストモダン http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061495755/qid=1077718828/sr=1-1/ref=sr_1_2_1/250-8012347-6612202 における萌え要素と同義だろう。 大下さんという詩人はコスプレ好きの詩人として知られていて 以前、あちゃでの朗読会のときにポエム王子が 「大下さんのような(社会的ポジションの人が) 猫耳とか付けてしまうのはマズイんじゃないですか?」 と本人に言ってしまうぐらい、周囲が心配してしまうぐらい 踏み込んだカッコをされるわけです。 以前、るりさんと大下さんのイベントで、 大下さんが着られていた服は 普通の服に民族衣装を合わせた服だったのですが、 民族衣装屋さんのショーウィンドーにある服を そのまま着るのではなく、 普段着に不自然ではないように合わせるという地点で そうとうランク高いのですが、 ビックリしたのは、靴が民族衣装だったりするわけです。 普通、民族衣装の上下で合わせていても、 靴は既成の革靴やスニーカーだったりすることが多いのですが 靴が布製の民族衣装系というのは、 そうとう踏み込んでます。 大下さんだけでなく、伊津野さんにしても 普段着の記号的意味は濃い方なんですね。 そのお二人の普段着を知っているだけに、 このステージのファッションは 私の知っている文脈で解釈出来る範囲内では記号的意味が 薄いと感じてしまったわけです。 この後の、白いソファーにハンドマイクを持って立って ロングコート着た大下さんが早口で 「世界がジェットコースターに轢かれてゆく」を 朗読されてたのは、活発な少年キャラでかわいかったです。 伊津野さんの朗読で言うと、 普通の朗読にプラスして 小声でささやくことでメリハリをつけたり 時々、紙から視線を上げて、天井を仰ぎ見ながら 指でヒラヒラ何かが舞い降りる仕草をされたりとか、 あったのですが、一番驚いたのは 短歌で七音の部分を朗読するとき、 七を三プラス一休符&四に分解して、 三音目にアクセントを持ってきて詠まれていたのが お洒落で都会的な空気を出してて斬新でした。 三音目アクセントだけなら私でも出来るのですが コミカルでカッコ悪い感じになってしまうわけです。 そうならずに、 都会的な感じを三音目アクセントで出すというのは みたことがないパターンでした。 3イベント情報 3/7(日)ポエトリー地下劇場 司会:ドクター・セブン 出演:ムロケン・平山昇・油本達夫(横浜詩人会)・ロバート=ハリス 美音妙子・稀月真皓 場所:神奈川県民ホールギャラリー第五展示室 開演18:00〜 入場無料 定員100名  ■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 【賞なしコネなしやる気なしで作家を気取る100の実験メルマガ】 登録ページ http://www.pat.hi-ho.ne.jp/kidana/mmg.htm 登録と解除は上のページで。 関連HP:掲示板に感想・御批判入れて下さい。 http://www.tcup3.com/356/kidana.html 発行者 木棚 環樹:kidana@pat.hi-ho.ne.jp ■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□