■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 不定期刊行物【賞なしコネなしやる気なしで作家を気取る100の実験】 第55号 2003/6/25発行 ■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 1訂正&お詫び お久しぶりです。木棚です。 まずWINDS CAFEに関して事実誤認があったので訂正させて頂きます。 >今回も40代の川村龍俊さんと同世代の働き盛りの方々が 主催の川村さんは、丁度私の10歳上、私が29歳でほぼ30代だから 川村さんは・・39歳でした。失礼します。 >このオークションは、ゲストだけでなく、一般のお客さんも >出品できるが、競り落としたお金は主催の川村さんのところへ入る。 川村さんwrote:  競り落としたお金は、私でなくて、ギャラリーのオーナーへ会場費に積み増しし て払うのです(このくだりは WINDS CAFE ホームページでも明文化しています)。 私は一切 WINDS CAFE においては金銭を受け取っていません。 いや申し訳ないです。 2雑談 いや、お久しぶりです。しばらくHPの更新やメルマガを休んでましたが まあ、色々ありますよという感じで。 陳樹立さん主催のジャンク派詩の学校へ行ったり、 究極Q太郎さん主催の「あかね詩の朗読会」行ったり、 色々しつつ。 3/8(土)18:30新宿「風花」で 古井由吉・水村美苗さんの朗読会に行ったときに、 吉本隆明氏に関するML http://siniapowerd.hp.infoseek.co.jp/ を主催されている方にお会いして 「風花も、主催が群像の編集部の人で いま働いているこの女の子も、早稲田文学で働いている人で、 まあ、いわゆる文壇バーの一種なんだけど、 他にも良い文壇バーがいくつかあって・・」 と紹介されたうちの一つに「あかね」もあって あかねは飲み屋だけどイベントスペースみたいなところで あかね詩の朗読会のときには究極Q太郎さんが カウンターでバーテンダーみたいなことをされてて 普段は、ダメ連関係の方が店員をされている場所らしくて ダメ連と言うのはいい歳して定職にも付かずに ふらふらしているダメな人達の連合だと、 自称している団体なのですが、 ラウンドカッツの二次会で出た話によると 「ダメ連とか言ってるけど、中には全然ダメじゃない人達も居て 現代思想 http://www.seidosha.co.jp/genre/siso.html に文章書いてる大学の助手とかいるんだよ。 あれのどこがダメなんだよ」と言ってる人間の話聞いて 「うわっ!そーゆー奴ってムカツクよね」と言ってる人間も 大学に勤めてる研究者だったりして、 確かにダメ連には精神障害関係の方も多いのですが 大学関係者も多くてですね、 一流大学でて、一流大学に残って、現代思想にでも原稿書いてりゃ まあ、ブルジョアかインテリにでも見えるってのも分かるのですが 親が大学関係に勤めてて、 そっち系のダメ人間見てきたガキから言わせてもらうと 文系で大学残って助手って微妙なポジションなんだよね。 ストレートに大学行って、4年で22歳、 院2年行って24歳、助手ってその後だから まあ、色々紆余曲折あって社会人生活やったりしてると 30代だったりするわけだ。 助手って、難しい研究してるかもしれないけど こと収入の面からいったらフリーターなわけじゃん? 仮に、助手と助教授の間ぐらいのポジションで週に1回 講義持たせてもらってて、 時給3700円ほどもらってたとしよう。 大学で一コマ90分講義で、3700×1.5で 5550円もらえる。この講義が週に一日、 火曜日の午後5時から入っていたとして、 このスケージュール入るだけでもう、 一般のサラリーマン出来ないからね。 火曜日、大学行くのに片道2時間掛かるとして 火曜だけ午後3時に上がらせてくれという わがままが通じる会社って普通は無い。 日給5550円の仕事を維持するためだけに フリーターやってる37歳妻子持ちって、 ダメ連に入れてあげて良いんじゃないかとか(藁)。 文学の朗読イベントってのに顔出すと、 中には文壇バーノリのところがあってさ、 野坂昭如が「文壇」 http://bunshun.topica.ne.jp/search/html/3/58/42/416358420X.html という本を出してるけど 昔の文壇てのは、雑誌でいうと「文学界」中心に 人でいうと吉行淳之介中心に存在してて、 小説家が演劇の興行をやる文士劇ってのも 文学界が中心で60年代ぐらいまでやってたらしい。 オスカー・ワイルドのサロメの挿絵版画家 オーブリー・ビンセント・ビアズリー 辺りが、世界で一番最初に「有名であるという理由で有名である人」 になったらしいのですが、 あれも一つの文壇=サロンだと言えるし、 アンディーウォーホルのファクトリーも、 実存主義のサルトル周辺にあった サンジェルマン・デ・プレのカフェも 寺山修二・三島由紀夫・黒川紀章周辺のアングラカルチャーも 浅田彰周辺にあったカフェバー文化も ある種サロン=文壇だと言えると思う。 で、少し前、ある人からポエトリーリーディング批判を 聞かされて、私の中でそのポエトリー批判をどう処理するかが 上手く整理付かずにいるうちにメルマガが出なくなって行ったという 部分があるのですが。 その人は、今のポエトリーイベントを、 サロンじゃん?プチ文壇じゃん?という見方をして 「有名になりたい、他人からほめられたい、 でも、努力もしたくないし、能力も無い、 そういう人達の集まりじゃん」と 平たく言うとそういう感じのことを言われてて、 詩のボクシングやSSWSのイベントを オーディション=スターシステムの一つとして フォークジャンボリー・イカ天・スター誕生・ASAYAN と同じ、能力の無い素人をスターにするインチキなシステムだと 平たく言うとそういうことを言われた訳です。 「本当に能力のある奴はオーディションからは生まれない。 本当に才能のある奴がいれば、みんな黙るし、 自分から売り込まなくても、自然と噂になるものだ」 ということを言われた訳です。 その人の批判は誰か特定の個人というよりもは オーディションやサロンといったシステムに対しての物ですし 個人的にはフォークジャンボリーで名をあげた 吉田拓郎は好きですし、 サロン出身のプルーストが書いた「失われた時を求めて」という サロン文学はそれなりに評価できると思うのですが、 それらの批判はその人の言葉を離れて 私の中で私自身に対する批判として 残っていくわけです。 「お前は能力も努力もないくせに ほめられたいだけの奴なのではないのか」という声が 黙考の声として 自分の意志とは無関係にリフレインし続けるわけです。 「他人が」ではなく「自意識が」自分の悪口を言い出して その悪口に耐えられなくなった時、 自らの意識が自分の存在を否定するなら 自らの存在を自ら消してしまえば良い。簡単なことです。 ではなく、自らの存在を継続し維持しようとするなら 自らの意志に反してしゃべり続ける黙考の声に対し、 自らの意志でコントロールできる黙考の声で 闘わなければならない。まさに自分との闘いです。 そこで、某HPで出会ったかっこいい映画評に http://homepage.mac.com/shang_vs/columns/scum.html 感動するのです。 サロンに出入りが許されるのは、 才能があるか・ルックスが良いか・金があるかの三種の人間だけで ショウビジネスをする際に、 才能=脚本・挿絵画家として客を呼べるスタッフか ルックスが良い=スターとして客を呼べる被写体か 金がある=スポンサーか のどれかなんですね。 もちろんその周辺に何も持たない人間や ヤクの売人や売春のあっせん業者なんかもいるのかもしれませんが 主催者はショウビジネスに不要な人間はなるべく排除したがります。 ファクトリーのような立派なサロンではなく まあ、小さなコミュニティーみたいなポエトリーイベントの レポートを書き中途半端な狂気を持ち合わせている自分は、 「社会の甘い汁を吸いたい」と口走り 純度の高い狂気を振りまく実在の革命家の姿に カタルシスを感じるのです。 3朗読イベント情報 第3回「詩のボクシング」全国大会 7月12日(土)13:00 会場:イイノホール。 東京都千代田区内幸町2−1−1 飯野ビル7階  TEL:03-3506-3251 http://www.iino.co.jp/hall/map.html Ben's Cafe http://www.benscafe.com/ja/poetry_j.html 毎月第三日曜日にオープンマイクイベントがあります。 朗読希望者の受付17:30〜 リーディング18:30〜(21:00) 参加費:無料 ■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 【賞なしコネなしやる気なしで作家を気取る100の実験メルマガ】登録ページ http://www.pat.hi-ho.ne.jp/kidana/mmg.htm 登録と解除は上のページで。 関連HP:掲示板に感想・御批判入れて下さい。 http://www.tcup3.com/356/kidana.html 発行者 木棚 環樹:kidana@pat.hi-ho.ne.jp ■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□