賞なし・コネなし・やる気なしで作家を気取る100の実験 番外編 1フライヤー配り フライヤー配りで 西荻窪のハートランドさん(古本フリマをやってる古本屋さん) http://home9.highway.ne.jp/bookcafe/index.html 中野タコシェさん http://www.tacoche.com/ 新橋の自費出版図書館さん http://www.mmjp.or.jp/jst/ 池袋のぽえむぱろうるさん 下北沢のフィクショネスさん http://www.sigma-planning.com/ficciones/ 新宿の模索舎さん http://www.mosakusha.com/index.htm とあちこち回っていたりするわけです。 実際、色々回ってみると、それはそれで面白くて 西荻窪という街そのものが、ディープで エスニック料理+演奏 カフェ+演奏 という形式のお店が多いんですね。 外国人が多く住んでる地域で、 外国の方は中々日本の一般企業に就職できない。 そこで自営業の飲食店を始められるのですが 南米や東南アジア出身の方が、自国の料理を作っても 中々お客さんが来ない、 そこで人を呼べるようイベントスペースを作って ライブハウス兼エスニックレストランみたいな店が 西荻窪に増える。 すごいですよ。狭い店舗にイベントスペースと客席と厨房が ひしめいているから、テーブル二つしかなかったり、 厨房がワンルームマンションの台所より狭かったり。 西荻の葛餅屋に入ったら、炭坑の労働運動の写真が 第二次大戦時の社会党の議員さんの白黒写真と共に飾られていたり 店の説明が「英会話・ヒーリング・マッサージ・Tシャツ」という 何屋か分からないお店があったり。 たぶん、外国の方がやってるお店で、英語も教えるし、 マッサージも出来るし、ヒーリングも出来るけど、 Tシャツも売ってるというお店なんだと思いますが、 店に入った瞬間「英会話、マッサージ、Tシャツどれも 30分3000円」 と言われて「じゃあ、Tシャツ」と言ったら、 「Tシャツを30分着たら3000円」なのかとか 考えてみるとすごい街だ。 料理の名前も「キング・オブ・ブラジル」 というすごい名前の料理があって なにかと思って注文したら、ブラジル産コーヒーだったり。 カフェバー兼画廊とか無理のあるお店多いもん西荻。 ハートランドさん自体が、古本屋兼カフェバーだし、 ハートランドさんの隣のライブハウスみると 小説家である山田詠美さんの朗読ライブのチケットが ソールドアウト(完売)してるし。あなどれないっすよ西荻。 中野タコシェさん行ったらね。 ここは昔、サブカル系同人誌の専門店だったのですが いま、ビデオとCDと画集ばっかりになって、サブカル同人誌が めっきりへりました。みんなサブカル系の活字同人がネットへ 流出して、誰も印刷しなくなっちゃったんだよね。 この傾向は模索舎さんに行っても同じで、 サブカル系の同人誌が減ってアカデミックな書物と ノンフィクション系がメインになってました。 新橋がまたすごくてさ、町全体の建物の色使いが変なの 電気屋店員の服装が普通にアロハ。路上で将棋大会。 ニュー新橋ビル全体が、 建物自体はデパートをイメージしてるんだけど 内装が海の家・縁日・屋台系。雑居ビルの中に普通に 雀荘・囲碁所・ファッションヘルス・ヒーリングマッサージと よく分からない店舗が入ってるし。 最近、若い人としゃべっててすごいなと思ったのは 真面目に文学やってる人は、 古典を読んでその古典と似た文章を擬古典調で書いたりする訳。 俺はそういうのが嫌だから、口語で実体験を書いたりする。 すると、文章の中にテレビやポップミュージックやマンガや アニメの話も出てくるわけ。古典の中にそれらが出てこないのは その時代にそれらが無かったからなだけで、今の時代に 古典を書いた文学者が生きていたら、当然それらについても 書いたと思うわけだ。 ところがね。その俺のスタンスより、いまの若い人って 跳んでいて、擬古典で書いてる人の文章や 古典とされている文章の解釈に、 テレビやマンガやポップスやアニメを出してくる訳。 「夏草や兵どもが夢の跡」 という芭蕉の句に対して、 「兵と書いて「つわもの」と読む、 この句を詠んで最初にイメージしたのは サムライトールーパーや男塾、 最近だとサラリーマン金太郎の世界だ。 「漢」と書いて「おとこ」 「永遠」と書いて「とわ」 「真剣」と書いて「マジ」の世界だ。 そう言えば**も「夢の跡」というCDを出していた」 てなことを普通に言われて、 すげーストロングリーディングだなと。 作者の意図を思いっきり超えた読みをする奴だなと いう人に別の場所で連続で会った。