■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 不定期刊行物【賞なしコネなしやる気なしで作家を気取る100の実験】 第43号 2003/2/18発行 ■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 1Ben‘sCafe 2/16ベンズカフェ http://www.benscafe.com/ja/poetry_j.html 行ってきました。 ここのところ、東京中の色んなオープンマイクイベントに 顔を出してレポートを書くのが日課になってますが、 奇聞屋・ボクシングリー・ベンズときて あと、ビーグッドカフェにでも行ったら 一応定期的にイベントをやっている主なところは 全部回ったことにはなってしまう。 書店さんでオープンマイクをやってる ハートランド http://home9.highway.ne.jp/bookcafe/ フライングブックス http://www.flying-books.com/ フィクショネス 辺りは顔を出してないが、 まあ、東京で朗読やってる人に聞けば名前の出てくる 主な場所はある程度回ったかなという気はする。 私としてはそれぞれの場所の特徴やルールや主催者の意図や 参加者の層などを書いて行きたいのだが、 Ben‘sという青木さんの本拠地でそこそこの伝統があって、 それなりに有名な場所に来たにも関わらず 今回の私はあまり盛り上がらなかった。 まだ気分的にMARZを引きずってるんだよね。 MARZって音響がかなり良いんだよ。 Ben‘sのような喫茶店や 奇聞屋のような小料理屋と比べればライブハウスだから 音が良いのは当然なんだけど、 日本で一番有名なライブハウスだと思われる新宿ロフトと 比べても全然良いスピーカー使って客席の広さも 全然広いんじゃないかと思える。 あの音響を経験した後で、 普通の喫茶店で普通のマイク使ってだと どうしても見劣りしてしまうのではありますが。 ベンズの特徴を書くと、外人さんが多い。 外人さんの溜まり場になってる飲み屋やクラブが 新宿なんか行くと結構ありますがBen‘sもそんな感じで 店内に英字新聞常設・インターネット常設・店内の掲示板には ネイティブの英語教師バイトの募集や求職のカードが貼られている。 司会は普段は稀月 真皓(きづき みひろ)さん http://www.mihiro.net/ という女性詩人の方で、 MARZのときには、客席からお題を出してもらって そのお題で詩を即興で読まれていた方です。 スプラッシュワーズというインディーズ出版をされ MARZはじめ、いくつかのライブハウスで オープンマイクイベントを主催されている さいとういんこさん http://www008.upp.so-net.ne.jp/little/life2003.html http://www.voiceonly.net/03.html と並んで、 オープンマイク系の女性詩人として顔の人らしい。 普段はみひろさん司会で一人持ち時間十分で 朗読した人の中で順位をつけたり優劣を競ったりというのが あるらしいのですが、この日はみひろさんのお仕事の都合で 別の方が司会をされていて、 普段のBen‘sの空気みたいなのはつかめなかったです。 午後6時から始まると聞いて行ったのですが、 実際に始まったのは6時半からで、出演者も途中から来たり 途中で帰ったりしながら、間に十分休憩を3回ほどはさんで 午後10時半ぐらいまでイベントは続き、 11時の終電で帰るコースでした。 特徴に関していうと、 BGMを流しながらの朗読が皆無だったのと、 音楽系の参加者がゼロで、ストーリーテーリングが多く、 司会がゆるかった事もあって 一人で20〜30分されている方も居ました。 音響がそれほど良くないのと、 長時間の朗読が割りと許されていそうなので 一人芝居系の方や落語・噺家系の方が多くいらっしゃいました。 それと、「今日(Ben‘sのオープンマイクイベントに来たのが) 始めての人手を上げて」と言われて手を上げた人が 過半数だったのも印象的でした。 Ben‘sもDJイベントを開いてりもしてて 店内BGM流しているスピーカーは そこそこ良い音出しているんだけど 悪いけど、オープンマイクのマイクに繋がってるスピーカーは 小型のハンドスピーカーだっただろ!みたいな部分はありつつ。 ただ、来ている面子の濃さからいうと、青木さんはじめ 引かせ王系のポエム王子・中島さん・アウトノ宮さんが居て 他にも、MARZで準優勝しチャンピオンシップ大会に上がった 服部剛さん http://www.ourplanet-tv.org/MAIN/poet/poet.htm も常連さんらしいですし、 2・3年前に青木さんがテレビに出始めた頃から ずっとやっているだけの何かはあります。 今回、Ben‘sに行って、考えたのが オープンマイクの朗読で、どんな種類の芸や技術があって 自分はどこへ行くべきなのかという辺りで。 MARZのイベントの後、20人ほどでマックに行って 色々しゃべったんだけど、キャンドルさんとしゃべったときに キャンドルさんは呼吸を止める練習とか ボイスパーカッションの練習とか 目の前の物を使って韻を踏む練習とかしているらしいんだ。 ラップだと息継ぎせずに長く早口でしゃべり続けなきゃいけないから 長時間呼吸を止める事も必要だし、目の前にハンバーガーがあれば ハンバーガーという音で、 フライドポテトがあればフライドポテトという音で 韻を踏む練習をしたりするらしいんだ。 目の前にあるものの描写から入って、そこから連想するものを 片っ端から言葉にしてしゃべり続け かつ上手く韻を踏み続ければ、 MARZで優勝したメテオさんみたいに 即興で、フリースタイルでラップをやることができる。 朝起きてから夜寝るまで、 自分の目に映る物を片っ端から実況生中継する トレーニングを積んだという 古舘伊知郎「トーキングブルース」の芸と 酷似しているのがラップであったりする訳です。 詩のボクシングの第二回全国大会優勝者の倉地久美夫さんも 詩を読む前に、会場の描写から入って、 そこから自然に詩につなげることで 客席の人達の意識を会場から自分の詩の世界に 自然に移行させることができたらしい。 これなんかも、即興的な要素を入れてるわけだ。 今回のBen‘sだと田中創さんという ストーリーテーリング・一人芝居系の方が 会場からお題をもらって即興でストーリーを作っていた。 落語のような一人二役で 「うちのお父さん、変なんだよ。」 「どうしたんだい。」 「夜に電話を掛けてきてさ 『レモンを絞れ。レモンを絞れ』と言うんだ。」 「それは変だね。僕が見てあげよう。」 という訳の分からないシュールな話を始めて お父さんの胸には窓が空いてたり、 窓の向こうは北海道だったりして、 もう収集つかねぇだろと、 これじゃ落ちつけて終わるの無理だなと 思わせておいて、実際、 ステージ上で汗をダラダラながしながら 「もうダメだ収集つかねぇ」 という焦りも見せながら最後はちゃんと落ちを付けて終わるという 「落語のご」でいうところのざこば師匠のような芸を みせてられたのですね。 元々もらったお題から話がドンドン脱線して行って 収拾つかなくなって、シュール過ぎる話の断片が積み重なって行って 最後の一言で、シュール過ぎる話の断片が一つのキーワードのもとに 辻褄があい、バラバラだった伏線が 一つの筋になるという展開だったのです。 推理小説の元祖と言われるエドガー・アラン・ポーが 詩論の中で理想とした詩はまさにそのような物で、 ポーが詩として書いた物がいまでは 伏線から種明かしにつながる推理小説として認識されている。 とか 私の個人史に照らし合わせると星新一のショートショートが そのような形式のものだったなぁとかあるのですが、 それもいわゆる即興の力を借りた物であるわけです。 ネタ=型はある程度元から仕込んでいて、 どんなお題をもらってもその型に当てはめればなんとかなるという 型をいくつか持った上で、いかにも即興風に朗読し、 即興だと思って聞いている人は、 「ああ、これはもう破綻した。収集つかねぇだろ」と 思い、実際ステージ上でもテンパリながら 最後その落ちのところへきちんと持っていく。 メテオさんの即興もキャンドルさんのラップも 私がMARZでやった即興も、 みひろさんの即興も田中さんの即興も 基本的にはそういう物だと思うんです。 即興と言いながら型はある程度仕込んである。 落ちは最初から出来てて、出だしは会場の描写で 会場の描写と落ちを繋ぐ部分だけが即興。 いま会場で一番受けているのがこのタイプの即興なんですね。 で、今回Ben‘sでアウトノ宮さんに 「今度はカチッとネタを組んでみせてよ」 と言われて、どうした物かと頭を抱え込んだわけです。 今オープンマイクで受けているものと言うのは 即興であるという仮想現実のもとで受けているわけです。 そうではなく、本やCDにしても みれるクオリティーの物にするには どうすれば良いのか? そもそも詩とは何なのか? ああ見えてアウトノ宮さんはちゃんと 現代詩文庫とやらを読んでいるそうですし 私も何かしら考えなきゃいけない。 難しいところです。 2詩の朗読イベント情報 2/19水曜日青木研治ライブ。 場所:渋谷アピア 開場18:30 開演 18:50 出演時間20:00。 料金 前売り1300円 当日1500円 +ドリンクオーダー 2/21(金) MARZにて新宿スポークンワードスラムがあります。 開場24:00 開演25:00 料金2000円(2ドリンク付き) 場所:東京都新宿区歌舞伎町2−45−1 第一トキワビル地下一階MARZ TEL:03−3202−8248 2/22(土) 「POETRY SOS ON DJ ポエトリーリーディングとDJがバトルする夜」 というオープンエントリーイベントがあります。 リーディング参加はEメールで要事前エントリー。 E-mailは boxinglee@sf6.so-net.ne.jp 主催:青木研治 時間23:00〜28:30 場所:〒167−0051東京都杉並区荻窪5‐16‐15井上ビル3F boxinglee’s cafe 料金:1500円(1ドリンク) http://www07.u-page.so-net.ne.jp/sf6/boxlee/freesong.htm TEL&FAX 03‐3220‐0267 3/8(土)18:30新宿「風花」にて 古井由吉、鷺沢萌の朗読イベントがあります。 チケット¥3000(ドリンクつき) TEL:03−3354−7972 場所:新宿区新宿5‐11‐23 都営地下鉄線「新宿三丁目駅」降りて、C7出口出てすぐ、 クイーンズシェフ伊勢丹の裏。 3/16ホワイトデー企画 「勇気を出してレッツ・ラブポエ」 時間14〜16時。 料金:メニューからオーダー 場所:東京都渋谷区神南2−1−1 SHIBUYA@FUTURE TEL:03−5738−5250 http://www.shibuya-future.com/ 3/29「ひなたぼっこ」にて 武力也(ぶりきや)さん参加の詩のイベントがあります。 オープンマイクで、一人三分ほどであれば飛び入り参加可。 コミュニティカフェ−ひなたぼっこ 場所:千葉県船橋市本町4‐31‐23 石国ビル1F 交通 = JR総武線船橋駅南口より徒歩10分 http://homepage2.nifty.com/swampland/chiba/hinatamap.gif 4/17「全心ストリッパー on DJ」 boxinglee’s cafe http://www07.u-page.so-net.ne.jp/sf6/boxlee/index.htm にて 青木研治+DJのライブ DJ:RYOTA,RED,SODOM 開演19:00 終了24:00 チケット1500円(1ドリンク付き) 4/29祝日午後六時〜第二回詩のボクシング東京大会が 科学技術館/サイエンスホールにてあります。 入場料二千円。 第3回「詩のボクシング」全国大会 7月12日(土)13:00 会場:イイノホール。 東京都千代田区内幸町2−1−1飯野ビル7階   TEL:03‐3506‐3251 http://www.iino.co.jp/hall/map.html 定期イベント Ben’s Cafe http://www.benscafe.com/ja/poetry_j.html 毎月第三日曜日にオープンマイクイベントがあります。 朗読希望者の受付17:30〜 リーディング18:30〜21:00 参加費:無料 奇聞屋 http://www.kibunya.jp/ にて今月第四水曜日 OPEN18:00/LIVE 19:30に オープンマイクの朗読イベントがあります。 参加料:無料 場所:杉並区西荻南 3−8−8 B1 TEL:03‐3332‐7724 JR中央線西荻窪駅南口 徒歩1分 BeGood Cafe http://begoodcafe.com/tetra/openmic.html 日曜日(不定期)にオープンマイクイベントあり。 NPOの活動、自然食品や平和活動等の情報も多い。 boxinglee’s cafe http://www07.u-page.so-net.ne.jp/sf6/boxlee/freesong.htm 毎月第1土曜日にオープンマイクイベントがあります。 (1月、5月のみ第2土曜日) 開場18:00 開始19:00 参加料:\1500+1オーダー(\500〜) 場所:〒167−0051東京都杉並区荻窪5‐16‐15井上ビル3F TEL&FAX 03‐3220‐0267 毎月第3土曜日 Happy?Hippie! というオープンマイクイベントがあります 開場17:30 開演18:00〜 場所:岡山県岡山市丸の内1-1-15禁酒会館 TEL:090‐4577‐6028 料金500円(1ドリンク付き) ペアチケット800円 オープンマイクエントリー料300円 ■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 【賞なしコネなしやる気なしで作家を気取る100の実験メルマガ】登録ページ http://www.pat.hi-ho.ne.jp/kidana/mmg.htm 登録と解除は上のページで。 関連HP:掲示板に感想・御批判入れて下さい。 http://www.tcup3.com/356/kidana.html 発行者 木棚 環樹:kidana@pat.hi-ho.ne.jp ■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□