■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 不定期刊行物【賞なしコネなしやる気なしで作家を気取る100の実験】 第38号 2003/1/26発行 ■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 1ごあいさつ ジョイサウンドのハイパージョイには 横浜銀蝿の前座アイドル岩井小百合の 「ドリーム!ドリーム!ドリーム!」 なんかも入ってて、すげーなと。 モンゴル800のようなインディーズバンドの曲はもちろん 70年代のアングラフォーク系の曲も充実してて アンダーグラウンド好きにはたまらない選曲です。 2文学の興行 詩のボクシングネタをずっと引っ張ってきたのですが ここでずっと考えていたのは、 文学は売れない、もしくは文芸誌が売れないといわれる 状況なわけです。 私は本は儲からないとは思ってないわけです。 例として2003年2月日経エンターテイメント新春特別号の p41&p42より CDと本の定価に対する企業&著者の取り分を あげてみると、 定価を100%としたとき、 CDの場合、歌手に払う歌唱印税が1% 作詞作曲者に払う印税が6%、 シンガーソングライターの人の場合合計7%になりますが 本の著者印税10%の方が大きい。 CDのレコード会社取り分が25% 本の出版社取り分が33%。 企業の取り分もやっぱり出版の方が大きい。 本というのは薄利多売ではなく どちらかというと、狭い市場から より多くの利益率をあげるシステムだと いえると思います。 定価が違う・出る数が違うと言いますが 綿矢りささんの「インストール」が公称10万部という 話があって、この数字を信じるなら女子高生が 一千万円の印税を手にしたということですよね。 返品率ゼロ計算だと出版社は三千三百万円 手に入れた計算になります。 綿矢さんの10万という数字は 80年代のアイドルポップスのレコードが 公称10万実売5万辺りだったことを連想させます。 80年代初期の一番売れていたアイドル松田聖子さんで 5万〜15万枚、 ちょっと名前が知れているアイドルで3万枚、 ピンクレディーのUFOが爆発的ヒットで44万。 オリコンチャート一位でもその週だけで落ちて行って 3万枚という人も結構いると聞きます。 私は出版で問題になるのは 一般の認知度をどうあげるかというパブリシティー だと思うんですよ。 いままで新人小説家の売り出しというと、 文芸誌で新人賞を取らせて、 文芸誌にその小説を載せるのが 最大の方法だったわけです。 ただ、じゃあ一般に文芸誌を読んでいる人間が どのぐらいの数いるのかという話になるわけです。 文芸誌の発行部数ですが、色んな文芸誌があって かつ同じ文芸誌でも五万と言われたり二千と言われたり よく分からないのですが、 多く見積もっても二十万ぐらいだと思うんですよ。 それに対して、村上春樹さんの小説が百万部行ったりする。 二十万人に広告して、百万人に売れる。 広告の五倍売れてる計算になるわけです。 もちろん、こつこつ三万部・五万部の本を出して 地道に固定客増やして行ったというのが実情だと思います。 それに対して、音楽の場合、テレビの音楽番組で 仮に視聴率五%として、 全国ネットで日本中の人口が一億二千万だと 六百万人ほど観ていて、宇田多ヒカルが八百万枚。 広告に対する実売比を観ると、 いかに小説が立派であるか というより、村上春樹さんがすごいだけなのですが いかに優れた商品であるかが分かると思います。 私は小説の広告をテレビで流せないかということを ずっと考えてて、 馬鹿だと言われりゃ馬鹿な考えなんですけれども 音楽の場合、ライブを中継すれば広告になります。 演劇でも、演劇の中継をすれば広告になります。 小説の場合、小説を上演する公演するということが ないためテレビで流しようがないわけです。 本を映して、本のタイトルと著者名言って それで終わり。 そこから先がないわけです。 もう少し具体的に行くと、 雑誌SPA!の広告の場合、 この雑誌を出している扶桑社の親会社が フジテレビであるため、しばしばSPA!の広告が テレビで流れるのですが、 本のタイトルを言って、 今週の特集のタイトルを言いながら紙面を見せて 最後に出版社名&発売日を言って終わる。 もう少し違うパターンだと 徹子の部屋というトーク番組なんかは、 本の著者がゲストとして出てきて その本にまつわる色んな話を三十分して終わる。 似たパターンで、マチャミさんが司会で 若手タレント、 俳優さんやスポーツ選手やお笑い芸人の方が 自分の愛読している本を持ってきて その本について語るトーク番組もありました。 本の広告を作るというのを真面目にやっていた例だと 「文學ト云フ事」 http://kurumi.sakura.ne.jp/~yen-raku/bungaku/index.html という番組があって 本を映画に見立てて、その本=映画の予告編を 作っていたのがありましたね。 小説中のワンシーンを映像化してみせる手法です。 箱の中に入って誰からも気付かれずに外を覗きみる 「箱男」という小説を映像化したシーンで 白い部分が青白くひかるブラックライト風の 青い照明の中で白衣の看護婦が服を着替えるのを ダンボール箱の中から覗き観る 安部公房の「箱男」の回が人気だったようです。 本の広告という目的ではないにしろ 結果としてそうなってしまった物が 「知ってるつもり」という ドキュメンタリー番組で みんなが知らないような歴史上の話を クイズやトークにしてみせる ドキュメンタリー番組で 情報源を本から持ってくるわけです。 ところが、番組の情報源として使われた本の著者 猪瀬さんが、ギャラも支払われず、 番組中一度も自分の本に触れられる事もなく 番組ラストのテロップにすら 私の名前も本の名前も出てこなかったと 抗議してから、番組の最後に 情報源となった本の紹介をして 番組をみてハガキを書いてくれた人の中から10名様に その本をプレゼントという形に変わりました。 最近は、「これが事実かどうかはわかりませんが、 この本の説によるとこうなってます」という テロップを流したりして、 違う意味で本の紹介になっていたりするのですが。 本の広告をテレビで流すと言ったときに 一番成功した例が角川映画になるかと思います。 が、これはあまりにも金がかかりすぎる。 私は文学のライブをやって 見世物として楽しめるレベルの物が生まれれば テレビで流せるんじゃないかと思って 詩の朗読会なんかに足を運んだわけです。 学生さんなんかと話していると 「音楽だとインディーズで成功している人がいるのに なんで文学ではインディーズがないんだ」と いう話が出てきたりするわけです。 これ細かいこと言い出すとキリなくて 色んな理由があるのですが 音楽はインディーズでも テレビで演奏する機会がいくらでもあるんですよ。 地上波でアマチュアが演奏する機会は少ないですが 衛星放送やスカパーやCSになると、 いくらでも演奏する媒体があるし、 ライブビデオを持って売り込めば そこそこの質をクリアしてるバンドなら いくらでもメディア露出できるんです。 テレビ・ラジオ・雑誌とアマチュアバンドでも メディア露出する媒体はいくらでもある。 CDの流通も外資系CDショップをみると 質さえクリアしてれば全国へ流してもらえる。 そうなるとテレビで広告して、 全国のCD屋さんで売るわけですから メジャーとインディーズの垣根がないわけです。 対する文学は、人を集めてショーをするということが 出来ないからテレビで流せない。 物流自体は、オンライン出版(書籍コード付き)てのが 10万円ぐらいで出来るみたいなので 全国へ配送できる仕組みにはなっている。 問題は物流でなく、パブリシティーの問題だとすると テレビの放送に耐えるぐらいの文学ショーを どうやって作るのかという一点に掛かって来るわけです。 3詩の朗読イベント情報 1/29渋谷アピア http://homepage1.nifty.com/apia/ で青木研治さんライブ 18:30開場。19:00開演。 チケット1300円 〒150‐0031東京都渋谷区桜丘町3−15 TEL 03‐3464‐9590 2/9 独唱パンクvol.27 ペンギンハウス http://www3.plala.or.jp/FREEDOM/PENGUIN.htm にて青木研治さんライブ。 場所:杉並区高円寺北3−24−8 TEL 03‐3330‐6294 LIVE TIME 19:00〜23:00 PUB TIME 23:00〜3:00 3/8(土)18:30新宿「風花」にて 古井由吉、鷺沢萌の朗読イベントがあります。 チケット¥3000(ドリンクつき) TEL:03−3354−7972 場所:新宿区新宿5‐11‐23 都営地下鉄線「新宿三丁目駅」降りて、C7出口出てすぐ、 クイーンズシェフ伊勢丹の裏。 3/29「ひなたぼっこ」にて 武力也(ぶりきや)さん参加の詩のイベントがあります。 オープンマイクで、一人三分ほどであれば飛び入り参加可。 コミュニティカフェ−ひなたぼっこ 場所:千葉県船橋市本町4‐31‐23 石国ビル1F 交通 = JR総武線船橋駅南口より徒歩10分 http://homepage2.nifty.com/swampland/chiba/hinatamap.gif 4/17「全心ストリッパー on DJ」 boxinglee’s cofe http://www07.u-page.so-net.ne.jp/sf6/boxlee/index.htm にて 青木研治+DJのライブ DJ: RYOTA, RED, SODOM 開演19:00 終了24:00 チケット1500円(1ドリンク付き) 4/29祝日午後六時〜第二回詩のボクシング東京大会が 科学技術館/サイエンスホールにてあります。 入場料二千円。 第3回「詩のボクシング」全国大会 7月12日(土)13:00 会場:イイノホール。 東京都千代田区内幸町2−1−1飯野ビル7階   TEL:03‐3506‐3251 http://www.iino.co.jp/hall/map.html 定期イベント Ben's Cafe http://www.benscafe.com/ja/poetry_j.html 毎月第三日曜日にオープンマイクイベントがあります。 朗読希望者の受付17:30〜 リーディング18:30〜21:00 参加費:無料 奇聞屋 http://www.kibunya.jp/ にて今月第四水曜日 OPEN18:00/LIVE 19:30に オープンマイクの朗読イベントがあります。 参加料:無料 場所:杉並区西荻南 3−8−8 B1 TEL:03‐3332‐7724 JR中央線西荻窪駅南口 徒歩1分 BeGood Cafe http://begoodcafe.com/tetra/openmic.html 日曜日(不定期)にオープンマイクイベントあり。 NPOの活動、自然食品や平和活動等の情報も多い。 boxinglee's cafe http://www07.u-page.so-net.ne.jp/sf6/boxlee/freesong.htm 毎月第1土曜日にオープンマイクイベントがあります。 (1月、5月のみ第2土曜日) 開場18:00 開始19:00 参加料:\500+1オーダー(\500〜) 場所:〒167−0051東京都杉並区荻窪5‐16‐15井上ビル3F п彦AX 03‐3220‐0267 ■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 【賞なしコネなしやる気なしで作家を気取る100の実験メルマガ】登録ページ http://www.pat.hi-ho.ne.jp/kidana/mmg.htm 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