■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 不定期刊行物【賞なしコネなしやる気なしで作家を気取る100の実験】 第37号 2003/1/25発行 ■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 1ごあいさつ Joy Sound http://www.joysound.com/ のHyper Joy http://www.joysound.com/products/hyperjoy/ がマニアックな選曲で良いですね。 スターリンが入っているカラオケを初めてみつけました。 スターリンの「STOP JAP」で 「おいらは哀しい日本人/西に東に文明こじき/北に南に侵略者」 なんて歌えるカラオケは他にない。 ただ、問題は誰と歌いに行くかですね。 普通の人と行けば確実に引かれます。 会社の仕事仲間や友人関係は避けた方が良いでしょう。 あくまでも、こういう歌がOKな人をライブハウスかネットでみつけて 行くのがベスト。 これが、頭脳警察の「銃をとれ」や「ふざけるんじゃねぇよ」 辺りだと、会社終わりに、仕事仲間と飲み屋に行って 仕事の不満と上司の悪口を言った後、 二次会カラオケで 「馬鹿に愛想ふりまくよりぶん殴る方が好きさ だけどあいつらは俺に手錠をかけたがるのさ ふざけるんじゃねぇーよ やられるまえにやるさ」 てのを歌っても違和感がない。 ただ、パンクや頭脳警察の精神からは遠くかけ離れた 安全な空気抜きになってますが。 もっと哀しいのが、仕事終わり、同じように 飲み屋で散々不満をぶちまけた後、 カラオケで歌うBoφwyのドリーミング。 「ボルトナットの仕組みで 組み込まれる街で 爆弾にはなれないWoo そんなやつらは好きじゃない 俺はそんなに馬鹿じゃない」 と背広にネクタイで歌うのはツライですね。 歌えば歌うほど哀しくなってきますから。 まあ、これは誰かのことを言ってるわけでなく 私自身のことを言ってるわけですが。 2奇聞屋(きぶんや) 一月二十二日第四水曜日、西荻窪行って来ました。 行った感想としては西荻窪という街自体が好きでしたね。 やっぱ中央線貧乏カルチャーって良いっすよ。 西荻窪の南口右側の屋台村みたいなところに出たのですが、 まず日本というよりアジア。 チャイナタウンとかそっち系のイメージで 特に東南アジア系の料理が充実していて みたことがないような食べ物が多く 南国を連想させる料理の香辛料の匂いや 料理の匂いがどの建物の厨房からも流れてくる。 飯を食うためだけに西荻窪に来たい。 奇聞屋は南口を出て左側の大通りを真っ直ぐ行ったところで アジアンテイストの高級料理店といった内装。 屋台の方が本物のアジアだったとすると こちらは欧米人の考えるオリエンタルに近い。 高級感のある異国情緒で、女性客が多く、 料理も美味しい物を少量頼んで注文する形式ですね。 私はししゃもを注文したのですが、 サラダの上にレモンや香辛料をいっぱいかけたししゃも3匹乗って 五百円。安くはないけど相当美味かったですね。 照明も蛍光灯ではなく熱電球に ダンボールのような凹凸のある紙のフードを掛けて 手作り風にまとめ、 テーブルは分厚い木製の板にうるし塗りといった 凝った内装。 職人服を着た料理人とタキシードのピアニスト。 店の奥にはグランドピアノとマイクと照明。 おそらく、そのタキシードの方が店の主人で 他の日にも色んな楽器の演奏者の人を招いて イベントをされています。 今回のオープンマイクによる朗読では 朗読に合わせて主人がピアノで伴奏をしてくれる設定。 実際には、参加者がピアノの伴奏を希望しているのかどうか 把握できないため、ピアノの依頼がなければ ピアノは演奏せず、どちらかというと 店の常連さんのバックで主に演奏をされてました。 常連さんは子供が中学や高校に入り 少し育児の手が離れた40〜50代の女性が多く 月に一度のパーティーにみな黒のドレスを身にまとい 楽しく雑談に興じる様子。 夫婦で仲良く参加されている方も約一組。 色付きのプラスチックで作った手作りステンドグラスの 歌集を持って皆さんで回し読みされてりしてました。 表紙がステンドグラスの本というのは 個人的にはちょっとした驚きで いかにも女性的な視点でつくられている。 他には20代ぐらいの女友達でこられている方が 一組と、やはりそのぐらいの年齢層で 朗読劇をされている女性の方が三名。 朗読は第二次大戦の敗戦直後に ヨーロッパを旅した日本人女性歌手の自伝を 読まれてました。 詩のボクシングと違って、 文章は朗読者が書いたものでなくても良いため 一般に出版されているノンフィクションの朗読で 内容的には「世界の車窓から」の豪華版。 世界中を旅し、どこかの国の王子と恋をし まだ日本が貧しかった時代に 世界中のホテルやパーティーや劇場に出入りして 社交界で名をあげた女性の自伝。 朗読の合間合間にラジオのジングルのように ピアノのワンフレーズが演奏され、 ときには朗読に伴奏が乗って、 優雅な時間が流れる。 朗読に時間の制約がないため 参加人数を見ての目分量でプログラムが組まれ 一人が終わると、 「次、朗読される方」 と客席を順番に回って行く主人。 マイクを客に渡すとき、 自分が使った後だとマイクの口の部分をハンカチで拭くが 他のお客さんが使った後だと拭かなかったり マイクのしゃべる部分を持って マイクの取っ手の部分を相手に差し出して マイクを渡す。 お辞儀をするときには90度かそれ以上に 深く腰を曲げてあいさつする。 店の主人のご婦人方に対する態度が 驚くほど丁重で、 錦野あきらさんのディナーショーを 連想させた。 テレビでナインティーナインが錦野の客のことを 「おばちゃん」と言ったのに対して 「おばちゃんというな!奥さま方と言え!」 と叫んでいたあの錦野さんのディナーショーだ。 奥さま方という客層に接客する技術や文化に 根ざした演出がされている。 値段一つとっても、高級感をあおってるわりには 500円〜のドリンクのみで入場可。 料理も500円〜1000円ほどで おいしいものを少量だけ出す。 女性に料理の原価計算をさせて 「家ならこれと同じものがもっと安く作れるのに」 と思わせないために、 家庭の匂いを感じさせない食材や料理を出す。 これがライブハウスやクラブだと 入場料二千円〜二千五百円ほどで 500円〜のドリンクは別注文。 詩のボクシングでも会議室を借り切ったような無機質な部屋で 入場料もしくは参加費が一人千円。 それと比べるとかなり安い料金設定がされているのが分かる。 ロフトや屋根裏といった オールスタンディングのライブハウスで 踊ったり暴れたりすることに慣れた 男性には正直それほど居心地の良い空間ではない。 けれども、育児から手を離れた女性向けの商売として 確かにこういうやりかたはあるなという感じはする。 ちなみに、ここでも一応 もしも桃太郎がポエムだったら てのをやってみたのですが 始めは普通に聞いていたお客さんの中に かなり険悪な空気が流れて、 確かに考え直さなければいけないなぁという 気はしました。 文学フリマで足を止めていただいたお客さんに 朗読したときは8割方笑ってもらえたので 気分よく行けたのですが、 詩のボクシングで朗読したときは 審査員の楠さんの表情は露骨に曇りましたし 今回はさらに険悪な空気が流れました。 言葉に意味なんかないんだ 言葉には型(パターン)しかないんだという 気持ちで昔話の桃太郎を色んなパターンで書くというのを やったのですが、当然それは文学を冒涜する行為なわけで ありふれたパターンや紋切型の羅列によって ポエム風味であればポエムという 形式を小馬鹿にして笑っているわけです。 同じものでも「詩」と言わずに「ポエム」と言うことで より世間から嫌な目で見られるような表現になるわけです。 言葉の選び方もより、嫌な方嫌な方へ行ってるわけです。 文学フリマのお客さんには それはそれで通用した。 あの場のお客さんは当時の私と同じように 文学を一段低くみていたわけです。 文芸同人誌をつくって、フリマで売るような連中を 一般の人よりも一段低いダメな連中だと思って みに来ている人だったわけです。 詩のボクシングの会場では 暴力的な詩を詠んでいるような人の中には 面白がってくれる人もいつつ、 真面目に詩をやってる人からは 自分の言葉になってないとか 自分の内側から出てきたものじゃないとか 言われるわけです。 私としては言葉に意味はなく ただパターンだけが存在するんだというメッセージは 自分の中から出てきたものだという 気がするのですが、まあ、それはそれです。 これが今回の奇聞屋の空間でやると その場にいるのは みな真面目に朗読をやっている人達なわけで しかもみな店の主人からおほめの言葉をもらうことに慣れている。 そこへ自分が行って、詩の朗読をする人の姿を より醜く物真似する。 この醜さがあなた達の姿ですよと 言い切ってしまう。 そりゃ険悪な空気も流れるでしょう。 文学に興味のない一般の人の持つ 詩に対する胡散臭いイメージ。 ナルシスティックとかなんとかってのを 演じてるから、文学に興味のない人には イメージ通りかもしれないが 真面目な朗読会でやれば、 険悪な空気になって当然なわけです。 文学をやってない人の中で文学をやる分には このスタイルで良くても 文学をやってる人の中で このスタイルを続けるわけにはいかない。 そんなこんなで失礼します。 3詩の朗読イベント情報 1/29渋谷アピア http://homepage1.nifty.com/apia/ で青木研治さんライブ 18:30開場。19:00開演。 チケット1300円 〒150‐0031東京都渋谷区桜丘町3−15 TEL 03‐3464‐9590 2/9 独唱パンクvol.27 ペンギンハウス http://www3.plala.or.jp/FREEDOM/PENGUIN.htm にて青木研治さんライブ。 場所:杉並区高円寺北3−24−8 TEL 03‐3330‐6294 LIVE TIME 19:00〜23:00 PUB TIME 23:00〜3:00 3/8(土)18:30新宿「風花」にて 古井由吉、鷺沢萌の朗読イベントがあります。 チケット¥3000(ドリンクつき) TEL:03−3354−7972 場所:新宿区新宿5‐11‐23 都営地下鉄線「新宿三丁目駅」降りて、C7出口出てすぐ、 クイーンズシェフ伊勢丹の裏。 3/29「ひなたぼっこ」にて 武力也(ぶりきや)さん参加の詩のイベントがあります。 オープンマイクで、一人三分ほどであれば飛び入り参加可。 コミュニティカフェ−ひなたぼっこ 場所:千葉県船橋市本町4‐31‐23 石国ビル1F 交通 = JR総武線船橋駅南口より徒歩10分 http://homepage2.nifty.com/swampland/chiba/hinatamap.gif 4/17「全心ストリッパー on DJ」 boxinglee’s cofe http://www07.u-page.so-net.ne.jp/sf6/boxlee/index.htm にて 青木研治+DJのライブ DJ: RYOTA, RED, SODOM 開演19:00 終了24:00 チケット1500円(1ドリンク付き) 4/29祝日午後六時〜第二回詩のボクシング東京大会が 科学技術館/サイエンスホールにてあります。 入場料二千円。 第3回「詩のボクシング」全国大会 7月12日(土)13:00 会場:イイノホール。 東京都千代田区内幸町2−1−1飯野ビル7階   TEL:03‐3506‐3251 http://www.iino.co.jp/hall/map.html 定期イベント Ben's Cafe http://www.benscafe.com/ja/poetry_j.html 毎月第三日曜日にオープンマイクイベントがあります。 朗読希望者の受付17:30〜 リーディング18:30〜21:00 参加費:無料 奇聞屋 http://www.kibunya.jp/ にて今月第四水曜日 OPEN18:00/LIVE 19:30に オープンマイクの朗読イベントがあります。 参加料:無料 場所:杉並区西荻南 3−8−8 B1 TEL:03‐3332‐7724 JR中央線西荻窪駅南口 徒歩1分 BeGood Cafe http://begoodcafe.com/tetra/openmic.html 日曜日(不定期)にオープンマイクイベントあり。 NPOの活動、自然食品や平和活動等の情報も多い。 boxinglee's cafe http://www07.u-page.so-net.ne.jp/sf6/boxlee/freesong.htm 毎月第1土曜日にオープンマイクイベントがあります。 (1月、5月のみ第2土曜日) 開場18:00 開始19:00 参加料:\500+1オーダー(\500〜) 場所:〒167−0051東京都杉並区荻窪5‐16‐15井上ビル3F п彦AX 03‐3220‐0267 ■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 【賞なしコネなしやる気なしで作家を気取る100の実験メルマガ】登録ページ http://www.pat.hi-ho.ne.jp/kidana/mmg.htm 登録と解除は上のページで。 関連HP:掲示板に感想・御批判入れて下さい。 http://www.tcup3.com/356/kidana.html 発行者 木棚 環樹:kidana@pat.hi-ho.ne.jp ■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□