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不定期刊行物【賞なしコネなしやる気なしで作家を気取る100の実験】
創刊準備第１号　’９９／１０／２０発行

会社員時代にもらった金で、100冊も同人誌を作ってしまった私が、
書籍コードの無い本を抱え、この本を扱ってもらえる書店をめぐる日々の日誌。
このメルマガは私の抱える同人誌の在庫がなくなるまで続きます。

現在の在庫状況　文体演練法７４冊　寓話集５９冊　最悪な気分６８冊
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今回は｢文体演練法｣の表紙撮影秘話です。
この内容はHP上(http://www.pat.hi-ho.ne.jp/kidana/style1.htm)
でも公開しております。

この本の表紙撮影したときの個人的な状況でも書くとですね。
とりあえず表紙は派手な方が良いだろうと思って派手なカッコして、
三脚＆タイマーで自分を撮ると。

ほんとは被写体になってくれる可愛い女の子でもいれば、
そっちの方が良かったんですが、
当時真面目な会社員していた自分としては、
会社にも友人にも
「こんな同人誌を作るからモデルになってくれ」
とか頼める状況じゃなかったわけで。
まあ、頼んだらＯＫもらえたかも知れないわけですが。

そんでですね。
自分としてはシャッター開きっぱなしの長時間露光で
夜の月光のみの自然光で撮りたかったわけです。
で、
当然シャッターが長くひらけるカメラってのは高いわけで、
レンタル機材屋さんに行って手配するわけですが、
実際に借りてみるとタイマーの場合長時間露光が出来ない。
また、長時間露光でも一分半しかシャッターを開きっぱなしに出来ない
という制限があってですね。ガッカリ＆苦労しました。

イメージは木の下でノート型パソコンで小説書いてる・・
「そんな奴いねーよ」と思った人・・
それは正しい。
けれどノートパソコンのＣＭでは
必ず電車でノート開いてる人出ますよね。
実際には見ないけど。
実際には飛行機や新幹線はともかく、
山手線でノート開くバカいないんだけど、
ＣＭ的には開くんですよノート。
こうあったら良いなって、ファンタジーの世界ですね。

木の葉の隙間から筋状の月光が射し込む中にノート開いて
小説書いてる奴がいる･･
なわけねぇーだろなんですけど、
あくまで最初の理想のイメージがそうだったと。
で、夜中に派手な服着て
三脚とカメラとノートパソコン持って
撮影に向かうわけです。

あの、写真では普通にみえる赤いズボンや白いシャツですが
現物見るとかなり派手な色してます。
どういうことかと言うと、
宝塚の女優さんたちは眉毛の下からまぶたにかけて
全部青に塗りますよね。
近くで見るとグロテスクなんですが、
舞台、最前列でも女優さんから5メートル、
遠い席だと五十メートルほど離れてしまう舞台の上では
眉から下は全部目という設定で青く塗ってしまった方が
目の位置とか顔の向きとか分かりやすくて表情も出ると。
それと同じで、舞台衣装のつもりでかなり派手な服着たんですね。
その格好で外に出るということは、
なるべく知ってる人に出会いたくない。

で。夜ですから、
というよりそのときに限って、
暴走族が走りまわってるんですよ。
バイクの走りまわる音がだんだん近づいてくる。
そのときの自分は絡んでくださいと言わんばかりの派手な服。
しかも重い三脚と高価な借り物のカメラ。
何があってもこのカメラだけはちゃんと無事に帰さないと
弁償とかなるとかなり高そう。
もう、撮影中も、バイクの音源から族がどこにいて
どこに向かうか考えて自転車にはカギもかけずに
いつでも逃げれる準備をして街灯の下で撮影とか、
すげーおびえての撮影でしたね。
一応路上でとかもやったんですけど、
族と遭遇しても良いように交番前でとか。
族の方もですね。
こっちに興味はあるんですよ。
でも、遠巻きにグルグル回ってもコンタクトを取ろうとはしてこない。
バイクが３台の人数にして６・７人ですか？
バイクで囲まれる事のない台数で、
でも、ケンカになったら絶対に勝てない条件。
こっちはカメラがあるんだ。
逃げるにしても自転車とバイクでしょ？
逃走ルート色々考えたけど
結局いかに早くお巡りさんをみつけるかってとこにしか行かないわけで。
公園の木の下って設定で撮ったのは一番最後で、
一番本命のロケーションを最後にとっておいたわけですが、
さっきまで公園でおしゃべりしてたおばさんたちが急に居なくなりましたね。
撮影始めると。
カメラを三脚にセットしてタイマーだと長時間露光が出来ないので、
自分でシャッター切ってノートパソコン持って、
走って木の下行ってポーズとって１分半。
シャッターの切れる音で顔上げてカメラに向かって走る。
バカなことしてましたね。
車乗ったアベックがこっち見て話してるんですよ。
時々指差して笑ったりして。完全にバカにされてますね。
写真あがってみると光暗すぎ、
１分半じゃ足りないって。
もっと良いカメラ貸せよ。
一眼レフだって話だったんだけど、
「長時間露光できれば一眼に必ずしもこだわらない」
って言っちゃったもんだから、
「一眼レフ並み」っていう振れ込みのカメラで、
フレームがカメラ覗いていた時より大き過ぎ。
文字入れるので一応上下空けたんだけど、
にしてもなぁ。
それから写真に入れる文字。
境界線汚すぎ。同人誌屋のおばちゃんが、
「暗い写真の場合境界に白い輪郭入れないと文字読めないよ」
つうんで、入れてもらったんだけど、
にしても汚い。特にスキャナーで撮り込むと。
ただ、パソコンでレタッチした一番左の画像は綺麗だと思うんだよなぁ。
誰か壁紙に使ってやってくれ。
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発行者 木棚 環樹:kidana@pat.hi-ho.ne.jp
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