■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 不定期刊行物【賞なしコネなしやる気なしで作家を気取る100の実験】   号外       2008/1/12発行 ■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 1ごあいさつ あけましておめでとうございます。木棚です。 いま、私はメンタル的に落ちてて、愚痴と悪口以外は 何も言いたくない状態なのですが、その状態でメルマガを書いてみます。 2自費出版業界の現状 http://www.pat.hi-ho.ne.jp/kidana/161gou.txt もともと私はインディーズ幻想が強い人間で、 だからこそ文学のインディーズ=自費出版にも、 かなり期待が高いのですが、新風舎騒動を見ても思うのは、 自費出版する側が無知すぎる。 こういうこと言っちゃいけないのかも知れないが 詩誌なんて、全部自費出版の詩集を出すお金で出版してます。 文芸誌を見ていたら、現代詩手帖の第一回新人賞の受賞者に 現代詩手帖が「うちから受賞作を自費出版しないか」と打診したが 受賞者に断られたため、詩集を出せなかった。と書いてあったりします。 いまは、制度が変わったから書けるが、昔は現代詩手帖もこうだった というネタで、新人賞の受賞者に自費出版を打診していたというんですよ。 当然ですが、現代詩手帖から詩集を出すには、 (詩集の出版代+雑誌現代詩手帖の出版代)=著者負担 ですから、通常の出版社から自費出版するより高い額が請求されます。 その代わり、現代詩手帖で取り上げてもらったり 特集を組んでもらったりされる。 すべての雑誌は広告でもっていますが、 すべての詩の雑誌は、 詩集を自費出版する人に向けての広告でもっています。 現代詩手帖でGoogle検索してトップに来たページが http://raintree.txt-nifty.com/raintree/2006/02/post_9e6d.html ですが、読んで馬鹿かこの人はとしか思わなかった。 内容は「現代詩手帖の年鑑特集「今年度の収穫」アンケートで、 2003年、多くの詩人・評論家に評価され、 2004年のアンケートでは2桁の票を集めた。 なのに、現代詩手帖の年間アンソロジーには自分の詩は掲載されなかった。 これだけ評価されているのに「今年の収穫」年間アンソロジーに 掲載されないのは納得できない。」 というものだが、現代詩手帖という雑誌も、 現代詩手帖の年間アンソロジーも、 思潮社から詩の自費出版をしてもらうための広告に過ぎず 思潮社以外の出版社から自費出版した詩集を掲載する理由がない。 そもそも公平中立なコンクールやオーディションでないことは 誰でも分かる話で、実際、上記BLOGにも 「思潮社から詩集を出しさえすれば一篇は掲載されるのである。」 「そこには、作品の評価ではなく、 何かわたしの思い及ばない別の力学が働いているのだろうか。」 「自費出版詩集だからという理由だけでアンソロジーから はずされるのだったら、納得がいかない。それでは詩は、 自分の詩集に百万円も出せる一部の金持ちのものだけになってしまう。」 などと書かれているが、 アホか。思潮社から自費出版するのは、他より高い。 だから思潮社は雑誌現代詩手帖も出せるし、年間アンソロジーも出せる。 詩集の印刷代しか請求しない安い出版社と 詩集+雑誌の印刷代を請求する高い出版社のどちらか迷って 安い方を選んだ。それだけの理由で雑誌に載れないのはおかしいって おかしいのはあんたの頭だろ!安い他社から出した詩集を 詩手帖やアンソロジーに載せていたら、思潮社が潰れるだろ。 トヨタのディーラーが日産の自動車を扱わないのと同じだろ。 新風舎が著者から百万円も負担を強いるのは高い という話がよく出ている。 テレビ業界は情報の流し手から広告費というお金をもらって 番組(情報)を消費者(情報の受け手)に無料提供している。 雑誌も情報を流す側から広告費を取って、ただ同然で情報を流している。 自費出版としてみた場合、新風舎が要求している金額は決して 法外に高いわけではない。 「ひつじ書房」という学術系出版社のHPより http://www.hituzi.co.jp/academic/ 「1冊の本を出すと言うことを考えれば、500万円程度のものです。」 バブル全盛期の頃の「ぴあ」でカラーページ一ページ分の広告費が 一千万円だったとか、西武デパートのポスター一枚を作るのに 糸井重里さんのギャラが50万円だったとか、 情報の流し手が広告費を払う制度(≒自費出版)としてみた場合 新風舎の百万円が法外に高いとは思えない。 新風舎が著者に対して、広告主と言わずに、著者と言ったり 自費出版といわずに共同出版と言ったりしたのはサギだが 通常、出版業界が企業や個人からお金をもらって本を作るとき 新風舎よりも高い金額を請求しています。 通常、本を書店流通させようとすると取次口座が必要で 取次を通すには三千部以上の部数を売らなければいけないのですが ある人から聞いた話ですと、 「200部でも全国流通できるよ。雑誌の号外とか特別号で どうしても出したいときは280万円用意したら、 流通させると**が言っていたよ。」 てな話もありました。200部で280万円ということは 一部一万八千円ですか。それもたぶん、流通経費だけで280万円で 印刷・製本代別だと思うんですよ。 雑誌ですから、たぶん一冊300〜500円ぐらいで売るのでしょう。 スポンサーが金を出さなきゃそんな特別号出せないですよね。 おっきなスポーツイベントがあって、そのイベントのスポンサーが 特別号を出してくれというときなどに使われるそうです。 それと比べて新風舎が法外に高かったかという話ですよ。 3「Oh my Cafe関東」 今日は悪口しか書かないけど、オーマイニュースのイベントで 「Oh my Cafe関東」というイベントに2007/12/15に 参加させていただきました。 Oh my Newsとは何かから書きますが、ニュースサイトで HPから市民記者というのに登録すると、 記事の投稿が出来るようになります。 投稿された記事は、編集部によって推敲されて、webにupされます。 このシステムは韓国で成功し、韓国資本によって、 日本にも進出した物です。 韓国において無料のレンタルWEBやレンタルBLOGが発達する前に 日本におけるBLOGの代わりとして発達し、 多くの人が記事を投稿するようになったのですが、 日本においては既に無料のレンタルWEBやレンタルBLOGがある以上 あまり浸透していないのが現状で、 一日に大体40ほど投稿があり、35ほど記事になり、 没記事は「ニュースのたね」として推敲されずにUPされます。 市民記者の登録者数は4千人を越え、 朝日新聞の記者の数に匹敵する量を誇るようです。 一つの記事のページビューは、平均四桁。少ないと三桁で、多いと五桁。 日本版オーマイニュースの初代編集長が鳥越さんで、 ガンとの闘病に入って以降、編集長が元木さんに変わりました。 「Oh my Cafe関東」では、記事の書き方や、 オーマイニューススタッフへの質問などがありました。 個人的に面白いと思ったのは、記事のタイトルの付け方で ダメなタイトルは「**について」「**のこと」などと 名詞・主語しかないパターン。 良いタイトルは「**する++」「**は++する」など 主語+動詞の形になっている。 動詞がないとタイトルに動きがなくなる。 週刊現代・FRIDAYの編集長を歴任した元木氏は 「タイトルで雑誌の売れ行きが10万部変わる。」 「タイトルを付けるのが編集長の仕事。」 「初めにタイトルありきで、取材を始めることもある。」 「電車の吊り広告で、読みたいと思わせるタイトルをメモると、  良いタイトルがつけられるようになる。」 などという話が出ました。 雑誌の編集長としての経験に基づく非常に面白い話を聞けたのですが その方法をオーマイニュースでやるのは、どうかなと思いますよね。 人の興味を引くセンセーショナルなタイトルを付けて、雑誌を買わせれば、 記事は平凡でも売上げは上がります。 週刊現代やFRIDAYのセンセーショナルなタイトルは 電車の吊り広告で、多くの人の目に触れるでしょう。 でも、オーマイニュースは、電車に吊り広告を出していないでしょうし タイトルが多くの通勤客の目に触れることもないでしょう。 雑誌の場合、タイトルで興味を引き、本を買わせた地点で勝ちですが、 無料で見れるwebの場合、タイトルをクリックした地点で勝ちなのか? 記事がセンセーショナルであれば、あちこちからリンクを張られて ビューが上がりますが、タイトルがセンセーショナルで、 記事が平凡だと、外部リンクは張られないと思います。 とわいえ、まあ、楽しい時間を過ごし、オーマイカフェの二次会として 居酒屋に行きました。私の前には新聞業界の方がいらっしゃって 熱い激論をされていました。その方、曰く 「オーマイニュースの中で、新聞業界出身の人間と 雑誌業界出身の人間がいて、お互いやり方が違う。 元木さんは雑誌出身だからセンセーショナルに行こうとするが、 新聞というのは信憑性が大事で、過激で面白いことを書いても、 情報の信頼度がなくなれば意味がない。」 主旨としては雑誌出身記者のやり方に俺は合わないという内容なのですが 聞いていて思ったのは、雑誌と新聞どっちが正しいのか?と言いますが オーマイニュースはwebですよね。webのニュースサイトとして ロイター通信や共同通信や政府・官庁の公式発表だけを載せていたら YahooポータルやMSNと同じ、 ポータルサイトになってしまいますよね。 それらと競争して、勝てると思っているのですか? その新聞業界の方からすると、いま新聞はwebに押されて 売上げが落ちている。新聞にとってwebは敵だし、好ましくない。 そのwebのニュースサイトに新聞出身の記者が協力すること自体が 腹立たしい。という要素もある。 本音を言えば、webを見ずに新聞を読めと言いたいが、 世の流れ的にそうも行かないから、新聞も webで収益を上げるビジネスモデルを確立させなければいけない。 でも、実際にはwebのニュースサイトも赤字で、 某ニュースサイトは立ち上げて三年間で九億円の赤字を出し、 あと一億赤字が出たら、ニュースサイトから撤退すると言っている。 などという話が出てくる。三年間で九億の赤字ということは、 平均すれば八ヶ月で一億の赤字。残り一億しかなくて、 切り詰めて運営しても一年持たない計算です。 居酒屋ではそのニュースサイトの固有名は出ていたのですが ここでは伏せます。 私の目からみて、その新聞業界の方が言ってるやり方は 政府や官庁や大企業の公式発表を転載するという話にしか見えない。 私の知る限り韓国のオーマイニュースは、記者クラブの大本営発表ではなく 実際に、発表通りに運営されているのかを調査報道して名をあげた訳です。 大手新聞社よりもむしろ「噂の真相」に近い媒体として名をあげた訳です。 飲み屋でそんな熱い議論をしたのが去年の12月15日。 それから15日ほどして、2008年になったら、 オーマイニュースの編集長が元木さんから 平野日出木編集長に変わっていた。上記の新聞業界の方とは別人だが 日本経済新聞社出身の新聞畑の方だ。 鳥越さんから、元木さんへの編集長の移行は、 鳥越さんの病気という一身上の都合だが、今回の移行は オーマイニュースの業績悪化を受けての話に見える。 紙の新聞や雑誌の売上げがwebによって落ちているが webのニュースサイトの収益も上がっていない。 他人事ながら大変だと思う。 ■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 【賞なしコネなしやる気なしで作家を気取る100の実験メルマガ】 登録ページ http://www.pat.hi-ho.ne.jp/kidana/mmg.htm 登録と解除は上のページで。 関連HP:掲示板に感想・御批判入れて下さい。 http://www.tcup3.com/356/kidana.html ■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□