■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 不定期刊行物【賞なしコネなしやる気なしで作家を気取る100の実験】 号外    2005/2/18発行 ■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 1ごあいさつ 5/17木曜の予定がつぶれて少し哀しい木棚です。 んんんなわけで、うさ晴らしにテノヒラタンカイベントvol.5に 行ってきました。 2テノヒラタンカイベントvol.5  『ウタノ降ル夜 〜ヒダマリ・リーディング〜』 DATE:  2005.2.17(木)  18:00 open  19:00 start TICKET:  1drink+α ¥1000 EVENT SITE:  5F-communication lounge-  渋谷区恵比寿西2-9-9 代官山テクノビル5F  tel/fax:03-3476-1499 ということで マラソンリーディングでご一緒させて頂いた天野慶さんに 誘われて、行って来ましたテノヒラタンカ(略してテノタン)。 最初、「1drink+α ¥1000」と言われて、チケットの値段が、 要1D+1000円で、1500円ぐらい。 +αで、店内でメシ食ったりすると2500円ぐらいかなぁの感覚で 行ったんですね。 チケット代が千円で、それとは別に ドリンクとフードぐらい注文して下さいよと。 そのつもりで行ったら、1000円でドリンクチケットついてて、 かつ、テーブルに一皿ぐらいスナック菓子が付いてくる。 予想より、かなり安くつきました。 主催者の方に、観客数聞いたら、スタッフ入れて約60人ぐらいとのこと。 会場の集客数がオールスタンディングで70人。 テーブルやイスも置いてあるので、だいたい60人ぐらい。 客層は二十代の女性がメインで、 そこに社会人男性が加わるみたいな感じ。 この辺は後で詳しく書きます。 NHKが取材に来ていて、 カメラさん+音響さん+照明さん+レポーターの4人クルー。 このイベントの様子は3/19PM7:30〜のNHKスペシャルで 放送されるそうです。 タイムスケージュールは 18:00 開場 17:00 スタート     オープンマイク     テノヒラタンカ投票     ゲストリーディング       石川美南(いしかわ みな)さん       http://homepage3.nifty.com/yaginoki/ 黒瀬珂瀾(くろせ からん)さん       http://www.kurosekaran.com/index.html     テノタン(主催者)リーディング       天野慶(あまの けい)さん       http://www.ao-kei.ne.nu/       天道なおさん       http://www5e.biglobe.ne.jp/~towa/   脇川飛鳥(わきかわ あすか)さん       http://tenohiratanka.com/03flash/wakikawa/wakikawa_3.html       (九州在住のため、映像による参加)     テノタン賞発表 21:00 交流 22:00 終了 まず、テノヒラタンカ自体を私はよく知らなかったので その辺から書くと テノヒラタンカ PCサイト http://tenohiratanka.com/ テノヒラタンカ モバイルサイト http://www.sansara.co.jp/i/ テノヒラタンカ 書籍 http://tinyurl.com/6yu7h テノヒラタンカvol.5会場HP http://blog.livedoor.jp/daikanyama5f/ テノヒラタンカ投稿募集 http://compe.japandesign.ne.jp/ap/01/lite/tenohira/ 今年で4年目、イベントは5回目。 「初心者ばっかりだったテノヒラタンカの投稿も  徐々に洗練されてきた。」 と主催者の方が言ってました。 上記HPを見れば分かるのですが テノヒラタンカは、歌人+イラストレーター+サウンドクリエーターで FLASHの動画アニメを作っていると。 上記HPぐらいは私も目を通していたのですが それだけじゃ分からないことがイベントに行くと色々あってですね。 まず、一般視聴者から、短歌の投稿を募集していて 毎月詠題(今月2月は「街」ですね。)があって その題にまつわる短歌を募集し、その中から一番優秀であったものを テノタン賞として取り上げ、イラストを加えた作品に仕上げる。 また、テノタン賞の年間チャンピオンとかそういうのもあるらしい。 去年の年間チャンピオンの女子大生の方もイベント会場にいらして オープンマイクで短歌を詠まれてました。 恵比寿という割りとオシャレな空間でイベントがあり 会場まで通りを歩くと、通りはガラス張りで通りから中が見える オシャレなオープンカフェ (ガラスがなくて通りと繋がっているのをオープンエアと言い 狭い意味でのオープンカフェは通りと店内の間が ガラス張りになっているものを言うらしい) や、ガラス張りのオシャレなレストラン/バー/ブティック /雑貨屋/ヘアサロンが並ぶ空間で 会場となる5階のレストランバーに行くと バーカウンターとソファーとプロジェクターやミキサーがあり 壁にはオシャレなアナログレコードのジャケットが掛けてあり と思ってレコードジャケットの並ぶ壁際に行くと アーチスト名もアルバムタイトルも書いてなくって短歌が書いてある。 テノヒラ短歌をカラー印刷して、 正方形の発泡スチロールに印刷してものが、壁に掛かっていました。 天野慶さんがいたので、「オシャレな空間ですね」と声を掛けると 「短歌というだけで、ワビサビ臭が漂うので、あえて洋風に オシャレ感を打ち出してみました」と 言われてました。 短歌同人らしき方々が 「二十代特集がなくなったんだよね。」 「みんな年取っちゃって、二十代が一桁しかいないから意味ないんだよ。 それだったら、個人で特集組んだ方が良いしさ」 「新しく入ってくるものみんな六十代ばっかだし」 という会話をされていて、テノヒラタンカが 年長者が多い短歌同人と十代・二十代をつなぐ役割 なんだなと感じました。 テノヒラタンカの作品を見れば分かるのですが イラストは昔で言う渋谷系。短歌は中学生高校生大学生辺りの 恋愛を歌った口語叙情詩。作り手も受け手も女の子中心で 雑誌でいうと「りぼん」「なかよし」。学園ラブコメの世界です。 イベントに来ていた15歳の女子中学生に 「天野慶さんが私のHPにイベント告知の書き込みをして 下さったので来た」と言うと 「すごぉ〜〜〜〜〜い!天野さんは私の憧れの人なんです!」と 本気で尊敬されていたので、 女子中高生からするとテノヒラタンカは本気ですごい存在なのでしょう。 オシャレで、すすんだ女子中高生は、いま携帯の待ち受けがテノタン! みたいなノリですね。退屈な授業中、 先生に隠れてこっそりテノタンにアクセス! 受け手のコアターゲットが女子中高生だとすると 投稿者のメインは大学生で、テノタン賞の年間ベストをもらっていた 女子大生の方もイベントにいらして、 NHKの取材等を受けられていたのですが 就職活動のため髪を黒に染め直して詠まれた短歌は 中学生や高校生と比べると上手いし大人でした。 テノタンの主催三名は皆1979年生まれの女性で、 テノタン自体が二十代女性による短歌を指向していると。 マラソンリーディング経験や俵万智さんの朗読等を踏まえると 短歌を年齢で大きく三つに分けると ・10代・20代のテノタン・恋愛歌・相聞 ・30〜60代ぐらいの口語叙景詩 ・60代以上の文語挽歌・哀悼歌 ぐらいに大雑把に分かれて、技法の成熟度や洗練のされ方も ずいぶん異なっているのだが、マスコミや資本と一番結びつきやすいのが テノタン的なもので、ここなんかは投資してもうまく行けば 「キッパリ!」 http://tinyurl.com/4tkew 的な売れ方を期待させるのだと思う。 深く洗練されればされるほど素人にはとっつきにくくなるてのもあるし ライトユーザーに広く浅く、ファッション性を前面に出して というのは選択肢の一つだなと思う。 オープンマイクで詠まれた短歌より 「パン一個 200カロリー こんだけで 5時間走れて きみにもあえる」 「魔法済み 生ちゅういくら 飲ませても 井上和香には 見えないらしい」 by山本真弓 私がオープンマイクで詠んだのが 「天野慶 かわいい声に 誘われて のぼる階段 5階へ続く」 会場が5階だったのですが 「5階はダブルミーニングということで」 と言ったら少しうけてました。 その後、バレンタインにちなんで手作りのチョコを来場者に配られている 天野慶(既婚)さんからチョコをもらってこんな会話してました。 木棚:こんなことするから、ごかいしてしまう。 天野慶:5階はマズい。2階ぐらいにしておかないと。 木棚:俺なんか地下5階に潜っちゃってるから。すげーアンダーグラウンド 天野慶:ごかいが深くなっちゃってるんですね。 木棚:上手い事言いますね。 天野慶:伊達に短歌やってませんから。 会場には伊津野重美さん http://officedragonfly.cocolog-nifty.com/vol_de_nuit/ や斉藤斎藤さん http://saitousaitou.hp.infoseek.co.jp/ もいらして、伊津野さんからはオープンマイクで詠んだ 「どうせ皆 500年後は 死んでいる ピラミッドから ガラスのコップ」 てのをほめて頂きました。 テノヒラタンカ投票では 一月の投稿短歌:詠題「白」を87首印刷したものを配られて うち2首を選んで投票し、最後に一番票の多かった物に テノタン賞を与えられてました。 個人的に選んだのが 「ぐしぐしと雪道踏んでいくように コートのボタンをあなたははめる」 「恋人に伝えたいこと映画館 字幕の白い文字が語るよ」 の2首で、コートの方は、普通に考えると あまり結びつかないようなもの二つをあえて並べるというのは 俳句でいう「二物衝撃」というか、 構造的には一番よくある形式だと思う。 構造がはっきりしているものが 俺みたいな素人には理解しやすかったのだろう。 あと、店に入った時に、上着を脱ぐのに やたら時間の掛かってる女の子いるじゃん。 コートのおっきなボタンをいじくり倒してるんだけど 不器用でなかなかはずれない。 そういうのをみると、かわいいなと思ってしまうのが バカな男の感性って奴で、ぐしぐしと雪道踏んでいくというのが そういう不器用さを感じさせて少し色っぽかったかなと。 ちなみにテノタン賞を取ったのが 「コンデンスミルクの海で溺れてるいちごのように甘い絶望」 で6票入ったと。次点が4票で 「高機能美白美容液を買って何かに勝ったようにほほえむ」 他高得点で 「君からの受信メールの白い文字ばかりの保護を休日に解く」 ミルクといちごは絵的にきれいですけど、 最後に絶望という抽象的な概念を持ってくるのは、 減点対象になるんじゃねぇ〜の?とは思います。 美白美容液は、使ってないのに買った地点で満足してしまう、 まだ勝負していないのに、勝ったような気になってしまう、 そんな女心について、会場では熱く語られてました。 3イベント情報 3/4(金)SSWS 4/1(金)SSWS 5/6(金)SSWS 6/3(金)SSWSチャンピオントーナメント イベントHP http://www.marz.jp/ssws/index.html ■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 【賞なしコネなしやる気なしで作家を気取る100の実験メルマガ】 登録ページ http://www.pat.hi-ho.ne.jp/kidana/mmg.htm 登録と解除は上のページで。 関連HP:掲示板に感想・御批判入れて下さい。 http://www.tcup3.com/356/kidana.html 発行者 木棚 環樹:kidana@pat.hi-ho.ne.jp ■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□