■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 不定期刊行物【賞なしコネなしやる気なしで作家を気取る100の実験】 号外    2004/11/16発行 ■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 1あいさつ 文学フリマに行ったりとか、ごちゃごちゃしていた木棚です。 フリマでは買い忘れが多くて、うーむとは思ったのですが、 買った物の中で、面白かった物を一つ紹介します。 2新世紀書店 FLOOR GUIDE 新世紀書店というちょっと変わった本屋があって、 客が店の棚を作ったり、 本とその本を推薦する人の顔写真を 並べて売っていたりするという話を聞いて このガイドを300円で買った。 本に芸能人の推薦文「この本を読んで泣きました」 &芸能人の顔写真が、POPや帯についているのは いまどき当たり前だが、新世紀書店では、 無名の一般人の名前と顔だけを信用して、 本の中身どころかタイトルすらチェック出来ないよう パッケージされた本を売ったりしているらしい。 また、書店のお客さんが、自分の売りたい本を選んで、 POPを作って、展示する。お客さんのお勧め本コーナー というアイデアは、聞いた瞬間、 「それ、西荻窪ハートランドの古本フリマじゃん」と思ったが この新世紀書店の立ち上げメンバーの中に ハートランドの斉木さんが入っていて、 この「新世紀書店 FLOOR GUIDE」も 発行所がポエトリーカレンダートウキョウと同じ ハートランドになっている。 新世紀書店の概要は公式HP http://www.super-jp.com/shinseiki/ を見て頂くとして、HPと冊子から、面白いと思ったところを引用。 P20  ・いま、日本では年間1000店以上の書店が閉店・廃業している といわれるが、(中略)本を効率的に買うなら インターネットの方が便利だし、じっくり見て回るなら、 なるべく大きな書店に行ったほうがいろいろな本に出会える。 ・「店の感じがいいということ。 それ以外に小さな本屋の取り得はない」 ・「店の感じが良い」とは、その店の店主やスタッフに 是非売りたい本があって、そのことが伝わってくる店のことを指す。 「これは生き残る方法なんかじゃない。でも、どうせ潰れるなら 楽しくやったほうがいいよね。」 p22 グッズ班のミーティングをのぞいてみる。グッズといったら、 Tシャツとかブックカバーの打ち合わせをするのかと思いきや、違った。 最初に話し合っていたのは「値札」のこと。そうか、確かに本を売る上で 値札は絶対に欠かせない。しかも値札の大きさやデザインによって イメージは変わってくる。 八百屋の値札とプラダの値札は全然雰囲気が違うものね。 p16 ・単に欲しい本を買うだけなら、ネットで注文すればそれで事足りる。 ・これからの書店が目指すべきは、単なる「本の売り場」を超えた、 「出会いの場」なのである。 ・「いまの彼とは友達の結婚式で出会ったんです」 というカップルが、いかに多いことか。 ・誰かが結婚式を挙げるたびに誰かと誰かが出会い、 その二人が結婚式を挙げると、また誰かと誰かが出会う。 結婚式っていうのは、まるで裏編みと表編みみたいなものだ ・すなわち「結婚式のできる書店」これでなくてはならないのだ。 p15 ・本屋がリラックスできる空間であってはいけないのか。 ゆっくり読める試読室、靴を脱いで上がる絨毯敷きのスペースや、 足湯に浸かりながら本を読む幸せ。あるいは、美容院のように、 客は椅子に座りっぱなし。 店員が次から次へと推薦本を持ってきてくれるとか。 ・当世風に携帯電話を使うアイデアも。 バーコードを読み取ることで、その本の書評サイトへアクセスできる。 私もレンタルビデオ店という、文化の小売店みたいな場所で 働いていて、色んな矛盾には出くわす訳です。 チェーン店は、本部が仕入れて、店舗が商品を並べるので 仕入れ側と並べ側の意図が食い違ったり、本部一括仕入れなので 店舗ごとの独自性が出ないとか、棚の半分以上は商品の内容でなく 商品の発売日順に並べ古くなった物から順に捨てて行くという 超整理法by野口悠紀雄な並びだったりして、 およそ文化的な商品というより 生鮮食料品のような取り扱いをしていたり。 そんな中で 可能/不可能なアイデアを溢れさせているこの企画は 後書きで斉木さんが書かれているように 「やっている当人達は楽しい」でしょうし、 実現可能なアイデアで構成された出来あがりよりも、 不可能性が混じった作って行く過程の方がスリリングでしょう。 その過程を伝えるための冊子だと、 私は斉木さんの後書きから感じました。 ちなみにこのイベントは11/17まで、 渋谷パルコロゴスギャラリー地下1階で 行われているそうです。営業時間は午後8時まで最終日は午後5時まで。 ■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 【賞なしコネなしやる気なしで作家を気取る100の実験メルマガ】 登録ページ http://www.pat.hi-ho.ne.jp/kidana/mmg.htm 登録と解除は上のページで。 関連HP:掲示板に感想・御批判入れて下さい。 http://www.tcup3.com/356/kidana.html 発行者 木棚 環樹:kidana@pat.hi-ho.ne.jp ■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□