■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 不定期刊行物【賞なしコネなしやる気なしで作家を気取る100の実験】 号外    2004/8/22発行 ■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 1ごあいさつ 花本武さん宅にてインターネットラジオ録音しました。 2ポエトリーリーディングからスターを生み出す方法 エブリネスでAGEHAさんのお話をうかがっていると AGEHAさんはポエトリーからスターが出て欲しいと 思われている節があるわけです。 ポエトリーイベントのイベンターという立場に身を置かれている以上 そう思われるのは、当然のことなのですが 実際問題として、ポエトリーブームを起こすような スターが出てきて欲しいと ポエトリーリーディングをやっている人の中で どのぐらいの数の人が思っているのでしょうか? 私は正直、スターが出て来なくて良いと思ってるんですね。 だってさぁ、仮に誰かが、 それこそスーパーに大根を買いに来ているオバチャンでも 知っているクラスの有名人になったとして、 テレビでもその人のポエトリーが流れて、 その人のスタイルを真似する人がいっぱい出てくると 別のリーディングスタイルは淘汰されて消えて行くわけです。 Aさんが注目を浴びると、ポエトリーなんか知らない人にとって Aさん=ポエトリーになる。 考えてみ、オープンマイクでみんな同じスタイルで朗読やってる状態、 少し想像しただけですごい。 リーディングのつかみで 「火星人ちゅーもーく」と叫ぶさいとういんこさん。 「**にズバッと警告!」と叫ぶ小林大吾さん。 そんなオープンマイク嫌だろ。 死紺亭スタイルでやらなきゃポエトリーじゃない みたいな空気になるんだよ。 いや、死紺亭さんが売れて、 ポエトリーのスタンダートになるパターンだから変なんで もう少し普通に、さいとういんこさんが売れたという設定で ステージ上で「レッツ・ラブ・ポエ!」と拳を振り上げる小林大吾さん。 小林大吾さんが売れて、 突然、小学生が作文の時間に書く詩の中にすら フランス語やラテン語が増えだして みんなが駅前留学とかして、 ポルトガル語交じりの日常会話を始めるとか。 まあ、少し想像してみただけでもあまり良い未来とは思えない。 いまのポエトリー界のことを、 フォークソングブームが起きる前夜のアングラフォークシーンに 例えた人がいる。 その頃の、フォークってのは出演者が20組〜30組いて 出演者の人数と客席の人数が同じか 出演者の方が多いぐらいだったという。 でも、吉田拓郎が第二次フォークソングブームを生み出すと 拓郎・陽水・泉谷の3人だけが残って、後は淘汰された。 もう少し厳密に言えば、リアルタイムでは何百組という フォークミュージシャンがいたけれども、 音楽史的には3人しかいなかったことになっている。 成熟した資本主義社会では、 一つの市場でマーケットを維持できる企業は三つだけだという。 デパートでも専門店でもどこでも良いけど、 そこに行って、ネクタイでもノートパソコンでも良いけど買うとしよう。 商品は何百種類もある。専門店に行けばネクタイの数なんて 何百も置いてある。 何を買って良いか判らない初心者が、専門知識のある店員に 「ネクタイ買うの初めてなのでどれが良いか教えてもらえますか」 と聞いた時に、店員が持ってくるのは、 三つの異なるメーカーのネクタイだ。 多すぎると客は選べない。少な過ぎると押しつけがましい。 三つというのがだいたい無難な線だ。 一番無難な業界1位のシェアを誇るメーカーのものと、 それがありきたり過ぎて嫌だという人には業界2位のメーカー製、 最後にちょっと変り種としてこんなのもありますよと業界3位。 日経エンターテイメントに、携帯電話のマーケットをモデルに 業界1位=全方位外交、2位=価格破壊、3位=技術革新。 と各業界の上位三社が順位に応じて取る 主な経営戦略を挙げていて、CPUや携帯電話をみると、 確かにそうなっているんだな。 信頼性の高いNTTの携帯電話が業界一位。 価格破壊で勝負をしたauが2位から3位に転落して、 写メールという新技術で技術革新をしたJ−フォン(現ボーダフォン)が 業界3位から2位に浮上。 CPUだと、信頼性勝負の業界1位インテルに、 価格破壊は業界2位のAMD、 CPUの情報処理能力で勝負した上記2社に対して、 省電力CPUという新技術で、 ノートパソコンやモバイルPCのバッテリーを長く持たせることに成功した トランスメタ社が業界3位。 音楽で言うと、三大パンクバンドといえば セックスピストルズとクラッシュとダムド。 インディーズ御三家といえば、有頂天、ウィラード、ラフィンノーズ。 YMOでテクノブームの頃の三大テクノバンドといえば、 P−モデル、ヒカシュー、プラスチックス。 ヤードバーズの三大ギタリストといえば、 エリック=クラプトン、ジェフ=ベック、ジミー=ペイジ。 三大ハードロックバンドといえば、 レッド=ツッペリン、ブラック=サバス、ディープ=パープル。 ネオアコ御三家といえば、 アズティックカメラ・オレンジジュース・ペイルファウンテンズ。 R&Bでもなんでもブームが起きて、 収束して行く時に生き残れるイスは三つしかないと。 では、そのポエトリーリーディングブームの生み出し方、 ブームの火付け役になるスターの生み出し方を 音楽ビジネスをモデルに考えてみます。 3旅芸人モデル 音楽のビジネスモデルで言うと、 中堅どころの安定しているライブバンドの場合、 ライブでの観客動員数=CDの売り上げ枚数ということが多い。 もっと極端に言うと、 「ファンクラブの会員数=観客動員数=CDの売り上げ枚数」 になる。 ライブ会場は、客席数が200人前後のライブハウス、 2000人規模のホール、20000人規模のドームでいうと、 ホール規模を中心に年間30〜50ヶ所回わる。 2000人規模のホール×30ヶ所で=6万人。 年に一枚のアルバムを出して、6万枚の売上。 CDがアルバムで一枚三千円だとして、 定価の10%が原盤権としてレコード会社に入り 定価の6〜7%が作詞・作曲・歌唱・演奏等の印税として ミュージシャンサイドに入る。 原盤権は売れるかどうか分からないミュージシャンのCD制作に レコーディング費用等を払うレコード会社側の リスク等に対して払われる権利だと思って良い。 で、仮に広告等をまったくしなくても、 勝手に自分達でライブをやって、勝手に自分達でCDを売ってくれる ライブミュージシャンがいたとして、 そのミュージシャンの年間観客動員数=CDの売り上げ枚数が 6万枚だと、3000円の10%=300円で、 一枚あたり300円×6万枚=1800万円ぐらいが何もせずに レコード会社に入ることになる。 この定価の10%分は、製造原価でもレコーディングの費用でもなく、 純粋に売れなかった時のリスク&レコード会社の儲けだから (場合によってはミュージシャンの売り出しのための広告費に使われる) 何もしなくても、年間6万人の前で演奏して、 6万人にアルバムを売ってくれる人はありがたいわけだ。 ちなみに、第二次フォークソングブームが起きた時は レコード会社が何もしてないのに、 吉田拓郎が自力で3万枚だか5万枚だかレコードを売った時に フォークは金になると他のレコード会社も思って、 一気に色んなフォークシンガーとメジャー契約していったのが きっかけになっている。 つまり、レコード会社のバックアップなしに 3万枚とか5万枚CDを売れば、ブームは起きる。 で、CDの売り上げ=観客動員数なのなら 3万枚CDを売るには、3万人の前で歌を歌えば良い。 吉田拓郎は、新宿西口の改札口の前で路上演奏を行い、 拓郎の歌を聞くために座り込んだ若者達と それを通行の邪魔だとする機動隊の間で衝突が起きたことは有名だ。 新宿駅の改札口に百数十名の若者達が拓郎を中心に 座り込んだというから、確かにそれは通行の邪魔だっただろう。 ただ、新宿駅の一日の利用者数を考えると、 下手すると、一日に3万人ぐらいはなんらかの形で 拓郎の歌を聴いたのじゃないか? そう思う一年間で3万人の前で歌を歌うのは そんなにむずかしいことじゃないような気もする。 川嶋あいの「525のページ」という曲が有線で流れていて 結構良い曲だなと思うのですが、彼女のHPを見ると http://www.kawashimaai.com/ いくつかの目標が掲げられていてそのうちの一つに 「1000回路上ライブをする」 というのがあった。 一年が365日であることを考えると、一日一回ペースでは 3年かかってしまう目標だが、多い日は一日3回路上ライブを行い 着実に1000回目に近づいているという。 キーボードの弾き語りで一ヶ所で三曲と決めて 路上ライブをするらしい。 ポップスの場合、普通一曲三分半だとして、 三曲で1回の路上ライブが10分ほど。 学校の帰りなどに、毎日やっていたらしい。 仮に、一年間で1000回の路上ライブをやったとして 1回のライブで仮に10人しか聴く人がいなかったとしても 年間一万人の人が聴いている計算になる。 実際には渋谷の駅前などでやっているらしいので 一回のライブで10人ということはないだろう。 何もやらなくても何百人という人がいる場所やん。 そこで演奏すれば、聴こうと思ってない人も含めれば 一回の路上ライブで、何百人が耳にしているはずやねん。 しかも、その路上ライブをやっている場所で、 CD売ったりビラ配ったりしているわけやん。 川嶋あいのHPによると、 まだ路上ライブをやっても人がほとんど集まらなかった時に 10人ぐらい人が足止めるかなぐらいの時に 初めて、路上でCD売ったら一日で10枚売れたと書いてある。 いくらで売ったのか知らんよ。 百円で売ってるのか、千円で売ってるのか知らんけど、 仮に千円だったとして、一日で一万円の売り上げやからね。 時給8百円で8時間働いて日給6400円、 休憩一時間分の時給引かれて5600円やったら、 約二日分の日給やん。自主制作のCDなんか、一枚百円で焼けるし ジャケットカラーコピーやなんかしても、300円しない。 一日7000円は稼いでる計算で、 路上ライブで十分食って行けるやんて話ですね。 実際、渋谷のハチ公前で路上ライブやろうとしたら 警察やヤクザやイベンターやのしがらみがあって ややこしそうですが、もっと楽に路上ライブ出来る場所なんて いくらでもあるからね。 都内のおっきな公園とか、**競技場とか行くとみんな普通に 路上ライブとかフリーコンサートしてるし。 ライブハウスに行ってライブハウスのスケージュールをみると どのライブハウスでも、月に一度か週に一度は ライブハウスで定期的にライブをするバンドをみつけるための オーディションデーやセッションデーが入っている。 CD売ろうと思ったらまず、路上ライブやねん。 路上に人が百数十人も集まってしまって、 このままやったら迷惑掛かるなとなった時に そこで初めて入場料を取ってのライブハウスやねん。 新宿とか渋谷みたいな人口の多い場所でも同じ場所でやり続けたら 同じ人相手に二度三度聴かせることになる。 これだと、CDを買ってくれる人は既に買ってくれてるし 買ってくれな人は、何度やっても買ってくれないわけで 新しい人(客)を求めて別の場所へツアーをしなきゃいけなくなる。 自分を知ってる人が誰もいないような場所に行ったら、 当然、ライブのチケットは売れないわけだから、 路上ライブをやって、 路上でライブのチラシを配りライブのチケットを売る。 浜省クラスでも、やってることは同じやねんて。 参照 http://www.pat.hi-ho.ne.jp/kidana/39gou.txt 地方で、ホール規模の会場のチケットが埋まりません。 じゃあ、埋まってない分を路上ライブや 公園や広場でのフリーコンサートをやって手売りで売ろかと。 やってることは選挙の立候補者とおんなじなんですよ。 ポスター貼った宣伝カーに乗って、スピーカーから 「何月何日、どこでライブやります」と流しながら ご近所回って、ポスター貼って、チラシ配って 今後も定期的に情報を欲しいという支持者の人の住所と名前を聞いて 支持者の住所録を作って定期的にダイレクトメールを流す。 その住所録に載ってる人達がファンクラブの会員なわけやん。 バンドブームの頃のバンド見てても、インディーズで自力だけで 年間50本のライブをやって、 バンのワゴン車に機材とメンバーを乗せて 全国ツアーして、一年後にはメジャーデビューてのが パターンだったわけで。 レコード会社側からすると、 アイドルでレコード会社が広告費を使って メディア露出させて5万枚売ったのと、 ライブバンドが広告費使わずに、自力だけで 5万枚売ったのでは、同じ5万枚でも レコード会社にとって全然利益率が違うわけです。 平日は働きながら、週末は自力でライブやってツアーやって 年間50週間で50本のライブ。 山下達郎のインタビューとか読むと、 メジャーで二枚アルバム出して、 三枚目のアルバム作っていた時ですら 音楽と関係のないアルバイトしながら、 全国ツアーみたいなこと言ってたりしますからね。 そんなもんちゅや、そんなもんなんでしょう。 松尾芭蕉の奥の細道ってのも、そういう 全国ツアーの一貫だったらしいんだよね。 東北方面に松尾芭蕉が顔を売りに行くツアーで、 各町の句会に出て、句会の主催者や地方の有名な俳人と 交流を深める旅だったと。 4広告代理店的ビジネスモデル ある音楽雑誌で、 「『ベック=ハンセンのことを広告代理店の優秀な若手社員じゃないか』 という悪口が以前聞かれたが、決してそうではない」 てなことが書いてあって、 80年代初頭のコピーライターブームを経験している自分としては 「広告代理店の社員」という肩書きが悪口として使われるということを いまいち理解できなかったりしたのだが Beingという、 日本を代表する広告代理店的音楽プロダクションについて 考えるところから話を始めよう。 別冊宝島653音楽誌が書かないJポップ批評18 Boowyと「日本のロック」p78・79 「あざといビーイングvs青臭いBoowy!?」より 世の流行に対してチャチャを入れたがる癖がこの事務所にはある。 (中略) それこそ、森高千里の出現に際し、 ZARD(坂井泉水+織田哲郎など)で対抗したように。  ただ、こういったあざといまでに高度な戦略を、 青臭いほどに純粋な感性は嫌う。 Boowyの面々も、そうだったのではあるまいか。 ディスコブームにチャチャを入れる形で生まれたスピニッジパワー (当初は、謎の外国人バンドという触れ込みだった)に 氷室が途中から駆り出されたのは (中略) また、デビューアルバムにつけられた“ラストパンクヒーロー” “エアロスミスとサザンとアナーキーを足して3で割ったバンド” というキャッチコピーにしても、 いかにもビーイング流の便乗精神が感じられ (同じ頃、織田哲郎のいたWHYも “ロック界のアリス”として売り出された)、 彼らが愕然としたというのも無理はない。 この引用から何を言いたいのかは、ある程度わかると思う。 ビーイングという、CMソングを主に作ってきた広告代理店的な 音楽プロダクションがある。 CMソングというのは基本的には、 「ロート・ロート・ロート・・ロート製薬」 「マルコメ・マルコメ・マルコメ・・マルコメ味噌」といった 商品名・企業名を連呼するだけの簡単な曲が主だが フィル=スペクターがプロデュースで、 ロネッツが歌ったロリポップのように 「ロリポップ・ロリポップ・ローリ、ロリロリ・ロリポップ」と 商品名を連呼するだけのCMソングからでも ヒットシングルが生まれる現象は 60年代の洋楽シーンにおいて既にあった。 CMソングからヒットシングルを生み出すということを 最も効率的に行ったのが90年代初頭にビーイングブームを起こす ビーイングだ。 CMを作る広告代理店的なビーイングが、取った企業戦略は その時々のブームに対して、 相手のすべてを否定する形で同じ物を作るという 戦略であった。 * *ブームに便乗しつつも、 そのブームを生み出したオリジナルに対して アンチテーゼを唱えて、多少の差別化ははかる。 上記の引用文で書かれている「チャチャを入れる」とは そういうことだ。 広告代理店に勤めていたある人と話したときも 聞いたのですが、基本的に企業に企画を通そうとすれば 1自分の通したい企画の売れている類似品を大量に挙げる。 (これは多ければ多いほど良い) 2それらよりも、この商品(企画)の方が売れる理由を 大量に挙げる。 企画書に書くのは、この二つだけで、 商品の中身なんていらないと言うんですね。 広告代理店というのは、広告を作ったり、商品を売ったり、 プレゼンテーションをして企業に企画を通したりするプロですから いかに企画を通すかということに関してはノウハウがある。 その人達が言うには、中身なんかどうでも良い。 儲かるの?儲からないの?儲かるとしたらその根拠はなに? これだけです。 芸術だから、表現だから、アートだから、そんなの関係ない。 一個の商品を売り出すのに、その人の年収分ぐらいの金は使うわけで 赤字が出ましたじゃ済まないわけだ。 企業というのは基本的に、いま目の前にある市場しかみえない。 いま、**という商品がこれだけ売れている。 これが**の市場で、ここに**と同じものを、 **より○%安く売り出せば、**の半分ぐらいは売れるはずだ。 てな計算をする。 表現で食って行こうとか思っている人は 「いままでになかった」「まったく新しい」「オリジナルの」 とか言いたがるのですが、企業からすると 「いままでにない」というキャッチコピーは 市場も客もマーケットも「いままでにない」ことを意味するわけで それは、自分で売って下さい。 旅芸人モデルで行商して下さいという話です。 企業が好むキャッチコピーは「第2の**」 「**とほぼ同じ」「**と似たようなもの」です。 **と同じ流通網を使って、同じ市場に投下すれば良いわけだから 市場が明確なんですね。 「広告代理店的ビジネスモデル」からは既存の商品に対する 改良版は出てきても、新しいブーム・新しい商品を生み出すことは ありえない。 新しいビジネスモデルは、上記の旅芸人モデルのように 自力で一人一人の顧客に面と向かって売って行く形からしか生まれない。 旅芸人モデルで一個成功例が出ると、同業他社は その成功例と同じような商品を大量生産する様になる。 これが広告代理店的ビジネスモデルで、 同業他社が大量に参入してくるとそれは世間的にブームと言われる。 オーディション・コンテスト・コンクール、 これらはすべて、広告代理店モデルなんですね。 オリジナルとなるモデルが一個あって、それにいかに近づき、 それをいかに超えるかであらそうわけですから。 ライブミュージシャンに対するところの スタジオミュージシャン(英語ではセッションミュージシャン)や 音楽界に対するところの芸能界てのは、 旅芸人モデルに対するところの、 広告代理店モデルに対応してます。 レンタルビデオ店という小売りに近い業種で働いている 自分の個人的経験からいうと、 ある特定の商品が100万人に売れれば、 小売り店でその商品のコーナーを作ることになります。 そのとき、店の目立つ所に配置された**コーナーに **の類似品も、関連作品コーナーとして多く展示されるわけです。 このようなコーナーを作ると、 オリジナルも売れるし、類似品も売れる。 踊る大捜査線のプロデューサーは映画の広告として 映画関連グッズを170種類も作ったと言います。 良い商品だけを厳選して出すのではなく、 返品を怖れず売れない商品も作ったと言います。 100円ショップでも、売れ筋の商品と一緒に 売れない商品も置いてあるから、お客さんは商品を選ぶことができる。 センスの良いものを選ぶという行為を楽しんでもらうために 返品を怖れず売れない商品も作ったのだと、プロデューサーは言います。 つまり、広告代理店モデルが提出する商品の中には 粗悪品も多くあるのですが、それらの粗悪品も ブームの産出に一役買っているわけです。 フォークソングブームを例に出すと、 第二次フォークソングブームを生み出すきっかけとなった 旅芸人モデル=オリジナルが吉田拓郎だとすると、 三年に一回しかツアーをやらない井上陽水は スタジオミュージシャン系の 広告代理店モデルと言って構わないと思う。 ある市場に、イスは三つしかないとして、 イスの一つはその市場を生み出したオリジナルの人間が座り 二つ目は、そのマーケットの競争(コンテスト・プレゼン) の中で勝ち抜いた人間が座り、 残りはもう一つしかイスがない。そこの話はまた次回。 5文学イベント情報 8/22 詩のボクシング千葉大会予選 時間:午前10時30から午後1時まで (住居地が千葉県内の応募者) 午後1時から午後3時まで (東京都、埼玉県、神奈川県、栃木県、茨城県内の応募者) 場所:千葉県船橋市本町4-19-6 船橋勤労市民センター 第1・第2会議室 2F 入場料:千円。 http://www.asahi-net.or.jp/~DM1K-KSNK/chiba2.htm 8/31 9/1 Konitz Live 出演:山田詠美(朗読)、奥泉光(朗読&フルート)、 吉野弘志(コントラバス) ゲスト 8/31町田康(朗読) 9/1小山彰太(ドラム) 場所:杉並区西荻北3−12−18司ビル地下1F「Konitz」 (ハートランド隣) TEL:03-3301-7008 時間:19:00オープン、20:00開演。 前売り、予約のみで当日券なし。 20:00以降にTELで予約し、 8/25までに店までチケットを取りに来ること。 11/14 第三回文学フリマ 場所:101-0025東京都千代田区神田佐久間町1-9  東京都中小企業振興公社 秋葉原庁舎 第一・第二展示室 時間11:00開場、15:00終了 イベント公式HP http://bungaku.webin.jp/ 会場HP http://www.tokyo-kosa.or.jp/ ■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 【賞なしコネなしやる気なしで作家を気取る100の実験メルマガ】 登録ページ http://www.pat.hi-ho.ne.jp/kidana/mmg.htm 登録と解除は上のページで。 関連HP:掲示板に感想・御批判入れて下さい。 http://www.tcup3.com/356/kidana.html 発行者 木棚 環樹:kidana@pat.hi-ho.ne.jp ■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□