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不定期刊行物【賞なしコネなしやる気なしで作家を気取る１００の実験】
号外　２００７／５／１２発行  
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1はなしやサロン概要
http://tinyurl.com/3cgheu
きんのくわがた社のきたざわさんに誘われて行ってきました。
第一回はなしやサロン。
日時２００７／５／１０（木）
場所：東京都渋谷区渋谷2-12-13八千代ビルB１F青い部屋
主催：下関マグロ
タイムスケージュールを敬称略で書くと
１９：００開場
１９：３０開演
タンケン（ＤＪ）
神無月ひろ（漫画家）
ドーベルマン吉澤（ひとり芝居）
momo姫（セクシーセラピスト）
ドイツ三本（漫画家）
２０：４５〜２１：００　休憩
ミヤマ仮面（変身前の姿は、プロレスラー垣原賢人）
川柳つくし（落語家）
山田参助（漫画家）
松沢呉一（ライター）
なべやかん（タレント）
２２：３０終了
２３：００閉店
入場料金は前売り１５００円、当日２０００円で
５００円のドリンク代別料金。
前売りは二日前までに青い部屋に申し込むこと。
次回開催６月７日木曜日で、定期的に開催される予定です。

形式的には、マイク一本で一人持ち時間１０分〜１５分。
事前エントリー制のオープンマイクで、
出るには知名度・観客動員力も含めた意味で
ハードルは高そうな気がします。
パンフレットには「トークをしたい方、随時募集中！
下関マグロまでご連絡ください。」とあって
ＴＥＬやメールアドレスも書いてあるのですが
無断転載もどうかと思うので、興味のある方は
下関マグロさんのｂｌｏｇにでも問い合わせてください。

ハードル高そうという意味では、
青い部屋のブッキングマネージャーのタンケンさん、
このイベントの一番バッターだった方ですが、
タンケンさんに企画を出したときに、ミヤマ仮面の出場が決まって
初めてイベントのＧｏサインが出たという話です。

イベント開催のきっかけは落語会をやりたいと下関マグロさんが
企画を出すが、お客さんが入らないからとタンケン氏に難色を示され
あるとき、なべやかんさん主催のＴ−１グランプリを見て
これだと思い、Ｔ−１主催のなべやかんさん、
審査員の松沢呉一さん、第七回Ｔ−１優勝者のミヤマ仮面さんの
協力を取り付けイベント開催にこぎつけたらしい。

Ｔ−１グランプリに関してはなべやかんさんの
やかん日記３月２８日（水）参照
http://www.office-kitano.co.jp/contents/OFFICE/YAKAN/diary/index.html

下関マグロさんとしてははなしやサロンはＴ−１の予選会ということで
面白い人が居たらＴ−１にスカウトしてもらうために
なべやかんさん、松沢さんに来て頂いているということらしい。
だから、トークバトルとはなっているが、
その場での審査や審査結果はなく、どちらかというとトークショー的な
雰囲気でイベントは進んでいきました。

２はなしやサロンレポート
青い部屋に行ったのは初めてだったのですが、
ホステスさんがいるようないかがわしいお店という雰囲気の内装で
ステージと客席の段差はなく、ステージにはグランドピアノが一台と
アンプ・スピーカーが何台かあり、客席にはミラーボールが回っている。
ガラス張りのＶＩＰルーム的な部屋があって、そこも普通に出入り自由で
ドアを閉めるとステージの音は聞こえないので「避難所」と
司会の方は呼んでました。

開演前に、きたざわさんから
インディーズで「靴下のあな」
http://www.atono.co.jp/shop/36_257.html
というほのぼの系の曲を出された
山下知恵さん http://blog.livedoor.jp/nokonokon/
を紹介していただいたり、
コピーライター兼歌手の方とか、
「予言カフェ」というところで予言をされている牧師の女性とか
アサヒ芸能の編集者の方とか、言葉のＳＮＳコトバラの会社の方とか
左翼活動家の方など、いろんな方を紹介して頂いて
名刺交換＆交流をさせて頂きました。

トップバッターのタンケンさんは、
大学で日本文学における笑いについての勉強をされていたときの体験談。

神無月ひろさんは、職業がアイドル兼ルポ漫画家ということで
アイドルの衣装を着て、ルポ漫画のためにスカパーを体験取材する。
着いた場所はスカトロパーティー会場、略してスカパー。
アイドルはウンコをしないというお約束をネタに話を広げられてました。

ドーベルマン吉澤さんは、チンチンを使って
絵具でキャンバスに絵を描くというアクションペインティングの実演で
個人的に気になったのは、普段はギャラリーで
入場料５００円でやっているという話です。
画廊やギャラリーという気取った空間の中でそれをしたときの
お客さんの反応はちょっと見てみたい気がしました。

momo姫さんはセクシーな衣装で登場し、
「あら？イスが無いのね。（お客さんに）ちょっとひざ貸して」
といった客いじり芸ですね。
服を脱ぐのにわざわざお客さんの手を借りて
ホックやチャックをはずさせたりする。自分からHなことをさせておいて
「それはダメ」的なツッコミも入れて、距離感を縮めたり離したりする
飲み屋のママさん芸でした。
セクシー系の声色とツッコミを入れるときの地声の使い分けなど
かなりこなれた芸の方で自宅でレストランをやり
副業で映画などにも出られているそうです。

ドイツ三本さんはヒットラーを連想させるファッションで
人に不快感を与えるようなことをワザと言うスタイル。
「ザワークラウトと、ユダヤ人虐殺！」
「判るか？キャベツと差別を分けたのだ」という入り方で
「ホリエモンのウンコヒルズ、石原都知事のウンコ都庁、
　羽田のウンコ国際空港」とウンコネタを、
イラストを持って紙芝居形式でやり
「このあいだ、このネタをやったら、mixiでレベルが低いと書かれた」
には笑いました。お笑いでスベっている事をネタにして成功している例を
初めてみました。
あと、この芸風のまま深夜のテレビに出て以来、
１５年も同じ芸を続けているという話も、すごいなと思いました。

ミヤマ仮面は、プロレスラーの垣原賢人さんですが、
「今まで受けたプロレス技で痛かったものベスト３
　第３位。馬場さんのチョップ。」
これは、入り方として非常に上手くて、素人がプロレスを馬鹿にするとき
真っ先に挙げるのが、ジャイアント馬場さんのスローな動きで
特に馬場チョップはギャグのネタにされやすいのですが、
それを痛かったプロレス技話のトップに持ってくるのは上手いです。
話としては当時還暦を過ぎた馬場さんと二十代の垣原さんが試合で当って
馬場さんは６０歳を過ぎて肉が落ちて、手が骨ばっている。
その硬い骨が、２メートルの身長から、力を抜いて重力に逆らわずに
脳天に落ちてくる。という話でした。

川柳つくしさんは女流の落語家さんで、今回は落語でなく
ウクレレ漫談だったのですが、プロなので普通に上手い。
発声が聞き取りやすく、耳障りが良く、小さな声量でよく通る声です。
マイクありより、マイクなしの方がよく通る声も、
普段の練習がそういう環境を前提にしているからだと思います。

山田参助さんは、金色夜叉を朗読しながら合間に合間に
軽く解説やツッコミを入れていくのですが、
本業は漫画家じゃないだろと思うぐらいに
朗読が上手い。貫一・お宮の一人二役の発声が活弁師並みに上手い。
同じセリフを、このように読むとエロ小説になってしまうので
あえて、ここはこういう解釈でこう読んで・・と、
読み方によって解釈が変わるのを実演して見せる辺りは
役者だと思いました。

松沢呉一さんは、明治期から昭和３０年代までのエロ本の収集と
分析についての話でした。
民俗学的なアカデミックな話に所々笑いも入れつつ。
「私も風俗ライターをやってますと、体験取材で色んな店に行くわけです。
すると、世間の人は言うわけですよ
『Hなことをして気持ち良くなって、それでお金ももらえて良い仕事だね』
でもね。
（溜めて）
実際、（声を上げて）その通りなんです！」

なべやかんさんは、まあ、ご存知のようにプロのお笑い芸人さんで
やっぱりプロだなと。芸風というより、
ネタが師匠のお下がりじゃないかと少し思いましたが、それはそれで。
なべやかんさん主催のイベントで、同じく主催に名前を連ねている方が
ワハハ本舗の方とか、西口プロレスの方とからしくて
まあ、その辺りもなるほどなぁと思いました。
Ｔ−１グランプリではグランドチャンピオントーナメントもやるとか
（ＳＳＷＳかい！）本当にヤバイ人もエントリーしていて
昆虫を食べる人やオナラで風船を膨らます人などがいるらしいとか
浜田省吾さんのプロダクションに勤めていて、
スピッツのマネージャーをされている方が、
すごく危ない芸をされるらしいとか、話が出ました。

全体としては主催者・出演者・観客共に出版関係者が多く
伝統芸能的な発声をする方（momo姫・川柳つくし・山田参助）の
すごさが際立った印象でした。
一人芸でボケとツッコミをやらなきゃいけないときに、
右向いたらご隠居で、左向いたらハチベイという分け方よりもは
同じ方向を向いていても、まったく別の安定した声色を
二種類持っていた方が強いと感じました。

３リンク集
青い部屋　http://www.aoiheya.com/index2.html
下関マグロ　http://ameblo.jp/maguro1958/
タンケン　http://www.tranceformer.org/
神無月ひろ　http://www.hirohiro.info/
ドイツ三木　http://blogs.yahoo.co.jp/yoshiharumitsumoto/
ミヤマ仮面　http://www.miyamakamen.com/index.html
川柳つくし　http://tsukushi-info.net/
山田参助　http://tinyurl.com/3cjlt8
松沢呉一　http://www.pot.co.jp/matsukuro/
なべやかん　http://tinyurl.com/3ccc5g
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