Scheibenholz競馬場


 どんな競技でも世界トップクラスの実力がありそうなスポーツ大国・ドイツ。しかし競馬については
ヨーロッパの
中ではやや地味な存在で、凱旋門賞やジャパンカップを勝つような馬が10年に1頭くらい
出る、というようなレベルである。
したがって、ドイツ競馬についての日本語での情報もびっくりするほど少ない。ドイツ旅行をするにあたり
日程を現地のサイトで調べたところ、ちょうどライプチヒの競馬場で開催があることがわかった。

競馬場の公式サイト(ドイツ語オンリー)を見てみると、2018年の開催は4日間しかないようである。
海外ではそういうところも珍しくないらしいが、ライプチヒほどのメジャーな街でたった4日とは。。
旧東ドイツ地域だし、かなりさびれた競馬場をイメージしながら現地へ向かった。

 


 

 ライプチヒは、首都ベルリンから鉄道で約90分。バッハやベートーベンゆかりの音楽の街として知られる。
美しい石畳と教会がある旧市街のはずれに突然高層ビルが建っており、屋上の展望台に上がることができる。
赤い屋根の旧市街と、「東ドイツ」を感じさせる巨大な団地群のコントラストが印象的だ。
それらの郊外に広がる森の中に、これから行く競馬場のスタンドと、夕方に訪れるレッドブル・アリーナを
見つけることができた。

 


左)広大な森の中にトンガリ屋根の競馬場。 右)競馬場・サッカー場へはトラムで。

 競馬場まで直接行ける交通機関は無さそうなので、トラムで近そうな停留所まで行き、そこから公園の中を
歩いて行くことにした。
芝生(というか野原)で寝転がる人、川でカヌーで遊ぶ人…この日は天気も良かったので、日射しの中で
全てがキラキラ輝いて、夢のように美しい光景でした。


競馬場へ続く道。

 川沿いの砂利道を歩くこと10分、橋を渡って競馬場の入口に着くと、意外にも入場券売場に列ができている!
一番安い9ユーロのチケットを購入して場内に入ると、既に相当な人口密度で、ものすごい活気。
ギャンブルとしての競馬場というよりも、年に4回しかないお祭りをビール片手にエンジョイ、という雰囲気だ。

1Rの時間が迫っていたので、まずは駆けつけでひと勝負。
プログラムを見ると、このレースだけ賞金や斤量、勝負服の記載が無く、ジョッキーが全員女性だったので
ひょっとするとエキシビション的なレースなのかもしれないが、それでもちゃんと馬券は売っているのが面白い。
馬券売り場は場内の至るところにあり、おばちゃんが事務机に手提げ金庫でさばいていたりして
(もちろん馬券自体はちゃんとした端末で発行)、ローカル感がたまらない。


 手元の入場券だけではスタンドに入れないので、ラチ沿いか馬場内
(レース間に馬場を渡って出入り可能)
観戦することになる。最前列の特等席は子どもたちが占拠し
、今か今かと発走を待っている。家族連れの姿は
日本の競馬場でも珍しくはないが、お父さんだけ馬券に夢中で家族はただのピクニック、という感じが多いので、
みんなで「競馬」そのものを楽しんでいる姿はちょっとうらやましかった。

レースの方は、「草競馬」らしくとんでもない大差がついたが、勝った騎手は大ガッツポーズ!


 この日は、すぐ後にサッカー観戦が控えていたため2レースだけ遊んで切り上げることにしていたのだが、
ここで失敗談をひとつ。1Rを外したので2Rは何としても的中をと、PLATZ
(複勝)を買っていた。
レースは直線3頭叩き合いの好レースになったのだが、自分の馬は惜しくも3着…。
 1Rの複勝が2着払いだったのと、PLATZ=英語のPlaceは"2着払い複勝"の意味
(3着払い複勝は"Show")
なので、ハズレと判断しとっとと競馬場を後にしたのだが、あとで確認したら的中してました。。

ドイツでは、日本と同じく頭数で2着払
(6頭まで)/3着払(7頭以上)が決まるとのこと。
基本中の基本ですが、確定するまで早とちりはなさらぬよう…。

 

 

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