旺角大球場



 

近年、ACLの常連となりつつある香港リーグの強豪、傑志(キッチー)。

2022年大会ではグループリーグ最終戦でヴィッセル神戸と対戦、終了間際の同点弾で

香港勢初の決勝トーナメント進出を果たしたのは記憶に新しいところだ。

 

傑志のホームスタジアムは、香港中心街にほど近い旺角(モンコック)大球場。

最寄駅は地下鉄の「太子」駅。いかにも香港らしい、雑居ビルの街並を10分ほど歩くと

「花墟道」という、花屋さんがたくさん集まっている通りに出る。

 
花屋さんの向こうにスタジアム。

ここは観光地としても有名で、店先のお花や観葉植物をのんびり眺めていると

サッカーを観にきたことを一瞬忘れそうになるが、その通りの北側がもうスタジアムだ。

私が尊敬するスタジアム巡りの先達は、このスタジアムを大宮サッカー場に例えているが

全体の規模感といい、近代的でシンプルなスタンドのつくりといい、確かに良く似ている。

 

入口脇にはちょっとした飲食売店が出ていたが、香港の街ではそこらじゅうの飲食店で

テイクアウトができるので、敢えて利用するほどではないかもしれない。

場内には傑志のテーマソング(アニソン風)が大音量で流れており、

♪We are キッチー!キッチー!というフレーズがやけに耳に残る。


”傑志”のエンブレムがかっこいい!

 

メイン・バックスタンドともそれほど大きくはないが、ちゃんと屋根がついており、

椅子も個席で快適に観戦することができる。

眺めが良いのは東側のゴール裏スタンド(ここのトイレは香港滞在中一番清潔だった)。

屋根はないが、上段からはフィールドの向こうにたくさんの高層アパートがそびえ立ち、

アジアの活力を感じることができる。きっと夜景もきれいなんだろう。

 

一方、背後からはなぜか鳥のさえずりが盛んに聞こえてくる。

スタンドの裏は細長い公園になっているのだが、そこにたくさんのおじさんが鳥かご

(サッカーのボール回しではなく、竹でできた中国風の鳥籠!)を持って集まり、

それぞれ自慢の小鳥の歌声を競っているのだった。

 

そんな香港の日常の中にある旺角大球場、ローカル感を愛するスタジアム好きなら

きっと気に入ると思います。

香港を巡る政治状況から、街の状況や香港リーグの存在も今後どうなるか予断を許さないので、

早めの訪問をおすすめします。

 

 

文章・写真は2014年訪問時のものです。

 当時とは状況が変わっているかもしれませんがご容赦ください。

 

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