栃木県グリーンスタジアム


 Jリーグ誕生から15年。今では、関東1都6県プラス山梨県にもJクラブがあり、首都圏では皆それぞれに地元
のチームを応援できるようになった。 …ただひとつ、栃木県をのぞいて。

しかし2007年、JFLの雄・栃木SCがついにJリーグ入りを目指し動き出した。「Jリーグ関東制覇」最後の舞台と
なるのが、ここ栃木グリーンスタジアムである。

これまで、スタジアムへのアクセスはマイカーに頼る他なかったが、J準加盟を機に宇都宮駅からのシャトルバス
が開設された。高崎駅弁をしのぐクオリティと評判の「
松廼屋のとりめし」を仕入れたら、駅東口のバス停へ。
バスは広い道路を快適に飛ばし、走ること30分、大きな工業団地の中にスタジアムはあった。

ゲートとスタンドの間は空堀?のようなもので仕切られており、そこにかかった「橋」を渡ってスタンドへ入場する。
モダンなデザインのスタンドは、建物というよりは階段状のベンチに屋根をつけただけという感じで、一種独特の
構造になっている。風がスースー吹き抜けるのは、春夏は良いが冬はつらいかも。 バック・ゴール裏は芝生席。
売店にはおいしそうな「けんちんうどん」があった。限られたメニューの中で、暖かい食事も出そうという姿勢は
うれしい。


 スタジアムの周囲は林が残されており、ムードよし。こういった施設というのは殺風景な立地になりがちだが、
ここはまさにグリーンスタジアム。
グラウンドは西武ドームのような掘り下げ式になっており、非常に見やすい。良いスタジアムの代名詞として、
東の仙台・西の鳥栖」と言われているが、関東代表として加えたいくらい。緑のピッチに黄色・青・赤のユニが
鮮やかだ。いかにもアマチュアという感じの配色ではあるが、これも教員チーム時代からの大切な伝統。
SC”というクラシカルな名称と共に、プロ化してもぜひ残してほしい「味」だ。

 


 試合前、サポーターは栃木県歌を斉唱する。その姿には、同じ北関東にホームを置く草津・水戸の両チーム
にも共通する独特の熱さが感じられる。そんな彼らのサポートは、チーム伝統のイケイケサッカーと相まって、
栃木劇場、とでもいいたくなるような激しいサッカーを演出している。

 将来の「
関東一のサッカースタジアム」候補、とここで予言しておこう。
先物買いで一度観にいくのも悪くない。


【追記】 2009年より、ついに栃木SCはJ2に戦いの舞台を移すことになりました。”SC”という名称も、
     アマチュアチックなユニフォームもとりあえずはそのままのようで、うれしい限り。
     草津・水戸とのダービーマッチが今から楽しみです。

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