赤羽スポーツの森公園競技場


サッカーの聖地・国立西が丘競技場の斜め向かいに、ナショナルトレーニングセンター (オリンピック
強化選手等の専用施設) の屋根付きトラックがあることは、アマチュアサッカーファンならご存知の
ことと思う。 しかし2010年春、そのまたとなりに、北区がサッカー場をつくったという話が聞こえてきた。

サッカーの聖地のとなりのサッカー場とはどんなところか? さっそく足を運んでみた。

いつものように、「西が丘競技場」のバス停で降りると、西が丘では大学サッカーをやっているらしく、
スタンドに横断幕が張ってあるのが見えた。自分がJリーグ以外のサッカーを初めて観戦したのも
ここ西が丘の大学サッカーだったな、と思い出す。
第2の聖地は、西が丘サッカー場からほんの200mほど北側。道路沿いに真新しいスタンドが建って
いる。スタンド以外の三辺はネットで仕切られているだけで、公園から丸見えの状態だ。
ネットの外側までピッチがはみ出している。きれいな芝生だ。 あれ? たしかここは人工芝のはず…
と思って良く見てみると、確かに人工芝。

サッカー用の人工芝があるというのは知っていたが、最近の野球場にあるような、ちょっと毛足の長い
だけのものを想像していた。でもこれはもう、ほとんど芝生。土の部分に真っ黒な素材が使われている
のが目立つくらいで、パッと見には天然芝としか思えない、それくらいのクオリティだ。

技術の進歩に感心しつつ入場しようとしたが、スタンド入口がどこも開いてなかったので、自動ドアの
1階玄関から入ると、左右に2階へ上がる階段があった。
「選手控席→」と書いてあるが、どうやらこれが
スタンドを意味するらしい。
立派な屋根が椅子席のほとんどを覆っており、しかも西日を背負う向きで観戦環境としては申し分ない。
満席でも500名くらいのキャパなので有料試合は無理だが、アマチュアには最高の施設だ。


きょうの試合は、関東サッカーリーグ1部 【
FCコリア海自厚木マーカス】。サポーターこそいないが、
選手入場時には代表戦でおなじみの
「FIFAアンセム」が流れ、なかなかのムードだ。観客は約100名。
関東サッカーリーグは、JFLの下の9地域リーグのひとつで、さらにその2部、県リーグ、市町村リーグ…
と続くピラミッドの中では「中の上」に位置する。地域リーグ所属ともなると、天皇杯県代表としてJクラブと
対戦することもあり、一般人レベルとしては超サッカーが上手いひとの集まりといってよい。
JFL以上のカテゴリは入場料を取る(ちなみに大学サッカーも有料)ため、タダで見れるサッカーの最高峰
のリーグということになる。

関東リーグからJFLに昇格するには、2位以内に入り地域リーグ決勝大会の出場権を得なくてはならない。
今日は4位対5位のサバイバルマッチ、しかも在日コリアンのチームと自衛隊チームの顔合わせという、
地域リーグならではの興味深いカードとなった。


おっとびっくりの「選手控席」


前半、厚木マーカスがスピードに乗った攻撃で再三ゴール前に迫る。さすが自衛隊、フィジカルが強い!
1点入っていればゴールラッシュもありうる勢いだったが、序盤の劣勢をしのいだホーム・FCコリアが
コーナーから先制すると、後半はハーフウェイ付近からの超ロングシュートで加点、その後は運動量で
完全に相手を上回り、さらに1点を追加、3−0となって大勢は決した。

せっかくなので公園側からも観てみようと思い立ち席を立つ。バック側はそのまま公園の緑地になっており
寝転がって観戦?するおじさんや、少年野球の帰りの子供たちが足を止める姿も見られた。

と、家族連れのお母さんが、近くで上手い人のサッカーみると迫力あるよね、Jリーグみたいでお得だよね、
と話す声がきこえてきた。
そう、これぞマイナーリーグの魅力。このスタジアムの存在意義が早速できているなと、うれしくなりました。

 

もどる