北見競馬場

北見、という街の名は全国的にはあまり知名度が高くないかもしれないが、
その人口は10万人を数え、観光で有名な網走市よりもはるかに大きい。
オホーツク地方の中心都市なのである。実際、北見駅に降り立ってみると
駅前には立派なデパートとホテル、そしてミスタードーナツが営業中で、
”都会的な暮らし”に必要な最小限のものはそろっている感じだ。

そんなさいはての都会、北見市郊外に位置するのが日本最北の競馬場、
北見競馬場だ。あたりは明るくひらけており、向こうのエゾマツの林が
さわやかな印象をあたえてくれる。
近年は10,11月の開催になっているため、時期が合えば山々は黄金色に
染まり、そんな景色の中で どこか愛嬌のある”ばんば”達がそりを曳く姿は、
ちょっとメルヘンチックですらある。

ここはばんえい4場の中でもコースと観客席がもっとも近く、至近距離から熱戦を楽しめる。スタートからゴールまで200m、いっしょに歩きながら応援するのが、正しいばんえいの観戦方法だ。歩き疲れたら、名物『ばんば焼』(今川焼)をどうぞ。ただし食事ものはあまり充実しているとは言い難いので、街中で買っていった方が正解かも。

 ”オホーツクブルーの空がやがて夕焼けに変わり、メインレースが終っても、まだ帰るには少し早い。陽の落ちるのが早い時期なので、最終レースはほとんどナイターに近い状態で行われることもあり、これもまた一見の価値有り。

この時間ともなると、さすがに人もまばらになってくるが、それもこの競馬場の
開放感と清涼感を引き立ててくれるような気がした。
 澄みきった空にファンファーレの音が鳴り渡る..
そんな雄大なロケーションは、やはりばんえいにこそふさわしい。

(2006.11.26廃止)