第4回 「ビオトープ的なもの」
里山。
全く人の手を入れない自然ではなく、薪燃料、住宅などの材料、食物の採集などの為に人が手を入れた森。手をいれることによって形成された生物多様性。今では、経済効率からその役割が必要とされず、荒れている場合が多い。
私の住む岩倉市は濃尾平野の中央に位置し、地形的に平坦な町。山はない。ご多分に漏れず名古屋のベットタウンとして宅地化。桜で有名な五条川も全域コンクリートによる護岸。周辺の田園地帯は圃場整備済。残された寺社林なども、わずか。私が子供のころに遊んでもらったカブトムシ、クワガタ、タマムシはもちろん、こがねむしやシジミ蝶、タテハの類もお目にかかる機会は減る一方。
そんな現状の中、食料とか燃料のキーワードを、癒し、学習(子どものみならず生涯学習も含めて)、地域、自然観察などに置き換えて里山できないかしら?山はないので、里川、里たんぼできないかしら?第1回にお話したマイクロビオトープの後、借りている家庭菜園にビニールシートを使って、2畳ほどの池を自作。トンボやカエルの集まる家庭菜園ビオトープ。一昨年は岩倉北小学校に、昨年は岩倉曽野小学校に学校ビオトープ。本年に入り五条川の州にメダカ保護池。リリオの会も協力しましたが、 それぞれptaや地域npo、子どもたちとの協働でできた手づくり。
今この尾張地方でも各地で、いろいろなかたちの自然環境の保全、創出が行われています。が、未だその試みは、いろいろ問題を内包したまま途についたばかり。既にハチャメチャ息たえだえの生態系にとって、こんな程度のことで昔のように豊かになるとは思えませんが、何十年後かに成果を見る「始まりの始まり」くらいには、ならないかな〜。
       4回連載 おしまい。
リリオの会
事務局 きし たつお

読み物INDEXへ