第1回「おメダカ様保護活動家の感じた生き物事情」
メダカの保護活動してるなんて言うと、3代将軍よろしく「おメダカ様」メダカ偏狭至上主義者のように思われがち。端から行動だけ見ればそうかもしれないけれど、本人に全く自覚はなく、人に「メダカ教」を吹いたりするここともない。「地球に優しく」とおなじく「メダカに優しい環境を」なんてことばには、どうも欺瞞を感じるタイプのわたくし。今まで人類が、絶滅に追い込んできた種の数を鑑みれば、メダカの一つや二つ、業者が乱獲しようが死に絶えようが、別にどうということもない。
けれど都市空間(人の生活)をも含めた生態系の中で、生物無生物、様々な階層で連鎖。葦は葦、バクテリアはバクテリア、ミジンコはミジンコ、メダカはメダカ、サギはサギ、オオタカはオオタカ、土は土それぞれの場面で、役割を果たしているわけで、その役割をしている種類は、多い方がよい。ひとつの太い柱で支えるのではなく、小さな柱をたくさんってのが自然のやり方のもよう。
たしかに、昨年一年間、川に入ること数十回。子供のころは「またメダカか」の言葉とともにタモからほうり出されたメダカも、いまでは捕まえた大人が「おった!!メダカや!!」の叫び声を上げる貴重種に。数回足を運んでハタと気づく、「メダカ以外の生き物もおらんぞ!」。タナゴ、モロコ、モツゴのたぐい、どじょう、ゲンゴロウ。思えば、クワガタ、カブトムシはもとより、タマムシ、コガネムシ、てんとう虫も、昔に比べて、めっぽう見る機会ガ減っている。産業革命以来の種の減り方を見ると「そういえば最近人類見かけなくなったね」って日も近い?
リリオの会
事務局 きし たつお

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