犬山ため池レポート T |
99/10/11 雑木林 Tetsuo Hattori |
今回のため池現地調査に同行しての実感は、大部分のため池は水中の植物相が貧困であり、これから創造される動物相も期待出来ない。 これらのため池については、池の内部に対しその多様性を期待するのではなく、その周辺の整備、及び人工的手法による再編成によった、新たな価値創造を図る ことで補う事が必要である。 今回のルートにおける目玉は、No4の一群、No6,7における整備計画及びNo12,13となる。 これらの内 No12,13はロケーション、水質(目視による)植物相の多様性において最も豊かであり、充分な保護策をとる必要があろう。 周辺には、ヒトツバタゴ生息地があり、これらとの連環も考慮にいれたい。 〈補足〉1 今回のサイクルツアーに動向して特筆すべき点として、No3〜No4に至る途中の光景は驚嘆すべきものであった。 それは、現在なお有効に機能していると創造される「里山」の情景であった。 規模は小さいながらも、その情景は「海上の森」においてすでに途絶えてしまった人の営みを含む完全な「里山」が存在することは、期待していなかっただけにうれしいものとなった。 〈補足〉2 多くのため池において有力な魚種として生息しているものは、
と想像される。 だだ、これらの魚類の野放図な放流による、貴重な在来種(濃尾平野には、ここだけしかいない生物種が多い)の絶滅が危惧される。〈おまけ〉
正式和名、オオクチバス 1925年、芦ノ湖に輸入された。30年程前の釣りブーム頃から各地の池に移入が始まり、20年前頃からに生息地が拡大した。白身でおいしい魚である。
1960年、現天皇に対しシカゴ市水族館から贈られ、伊豆の湖に放流された。
よく親しまれた魚であるが、雑食性のため、無計画な放流は慎んだ方がよい。
元来 琵琶湖特産、ヘラブナ釣りのために各地に移殖。 前3種にくらべ環境、生態系に対する負荷は小さいが、程度問題。 |