中日新聞 平成11年8月31日
岩倉市本町の岩倉北小学校(井戸則夫校長、児童八百六十人)の児童らが、夏休みを利用して中庭に造ってきた水生生物などを飼育するピオ卜ープがこのほど完成した.

 ビオ卜ーブは「動植物が生息できる空間」を意味する言葉で、水辺や森林などを小規模に再現して造る.最近では「気軽に自然と触れ合える場所」として、学校の環境教育に利用したり、公共施設に取り入れる自治体も出てきている.
造ったのは児童やPTA、環境を考える市民団体リリオの会(今枝久代表)メンバーら.同小学校では授業の一環で、これまで同市北島町最中の自然生態園に出掛けて自然環境について学んでいたが「もっと身近に自然の動植物と触れ合える場所ができないかと考え、リリオの会に相談を持ちかけた」(井戸校長)のがきっかけだった.七月中旬から毎週末に延べ二百人が中庭の遊具を除いだり池を掘るなどの作業を続け、縦二十四メートル、横十二・一メートルのビオ卜ーブを完成させた.
 ヒオ卜ープには一面に腐葉土を敷き、水田(縦四メートル、横三・五メートル)、メダカや卜ンボのヤゴを入れる沼地(縦五メートル、横二メートル、深さ一メートル)のほか、ビワや力キ、イチジクなどの果樹の木片を集めて昆虫を生息させる模擬果樹園などが配構されている.
 沼地は、重機で掘った後、水が地下にしみ出さないよう、屋根の防水剤などとして使われる速乾難性のウレ夕ンゴムを土の表面に吹き付け、水を入れた.ヤゴなどが上陸してサナギになれるように、水際には緩やかな傾斜を付けて麻布を敷き、土で覆うなど、凝ったつくりが随所に見られる.
 作業に携わった自然塾「翔学塾」経営の服部徹雄さん(三十六)は「来夏には卜ンボのふ化やホ夕ルの乱舞が見られるかも」.井戸校長は「子どもたちにはヤゴ捕り、どろんこ遊びなどに大いに利用してもらおう」と思っている|と話している。
訂正
PTAが主体で,児童はほとんど参加しておりません。作業する保護者らといっしょにきた子どもたちが、少し手伝った程度。
完成は、来年(2000年)春頃。今回はとりあえず、池などの土木工事が終わったのみ。果樹園下草などは、まだ一部が移植されたのみ。
PTAが主体で、リリオの会、教職員、地域企業、防水塗装業者らの協力のもと行なわれた。校長が以前から「校内にビオトープが欲しい。」と考えていたのは事実だが、そこへ偶然PTA会長の高桑氏が「岩倉北小学校にビオトープを作りたい。」と持ちかけ、リリオに方法などを相談。

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