平成11年3月29日、”いわくらの水辺を守る会”の村上会長、奥田理事にお会いして、以下の提言書を提出してきました。”リリオの会”、”水辺を守る会””いわくらボランィアサークル”との、協同事業で以下に記述の提言内容を実現できないか、おたずねしてきました。当然、建設省などとのからみもあるのでその辺は、水辺の奥田さんに、お願いすることになる旨お伝えしてきました。
 お二人とも以前より、お顔は知っていましたが、本当に五条川が好きでたまらないと言った表情は、見ていても頼もしかったです。五条川については、いろいろ意見を言われる方も見えますが、村上会長や、奥田氏のような人がいて今の五条川のレベルを、保っているという気がしました。
 事前に、山下もうちゃんなどが、いろいろ説明しておいてくれたせいもあって、大変前向きに検討していただけるとのことで、期待に、胸膨らむ。



五条川における生物多様化及び水質改善についての
実験実施に関する提言書
平成11年3月29日

〈はじめに〉
 先日(3月14日)の五条川クリーン作戦に参加しあらためて五条川の状態を確認したところ、思った以上に水生生物の生活環境がよくないことを実感した。
 これは、冬季の渇水期であることを割り引いても変わりはない。なぜなら水面はコンクリートの護岸に囲まれ川床の変化に乏しからで、これは高水期(5月下旬から10月頃まで)においても岸辺の植物群との接点が無い状態から同じく結論付けられる。
 以上の事から魚群は、成魚・底性魚類は生存可能であるが、幼魚等は一定水域にとどまる事がができず、流下してしまうことが予想される。また高水期は、木曽川から木津用水をへて導水されるため、夏場でありながら水温が低いのが懸念材料である。しかし木曽川の水を導入したことで夏場の水質は比較的良好である。反面冬季の渇水期には、導水がされないため、水源としては雨水と都市廃水のみであり、水質の悪化は避けられない。この落差による悪影響も大きなものであろうと推測される。
 我々は以上の観点より五条川に多様な自然をとりもどし水質改善を図る目的をもって以下の実験の実施を提案します。




<メダカを含む水性小動物の保護と増殖のために>

 

五条川においてメダカの生息環境はほとんど無いといっても良い。
・メダカ等の小型魚類は遊泳力が小さいため止水域に近い水面。
・ また産卵のための水草があること及び外敵・増水から身を守るためのシェルター。
市街地における五条川にはこの2点が欠如している。よって以下の対策を行う必要がある。


一部分流を造成し、川上部に蛇籠を設置、葦、低木(柳)を植栽し、下流部緩流帯を造成、水路の両岸を蛇籠等で土手を保護しつつ、植物を植える。 これにより分流の水質を改善しつつ水路埋没を防止する。
川床に蛇籠を埋没することで、伏流水を人工的に創出し水質の改善を図る。
埋没の上下流部を掘り下げて淵を形成する。
堤防側面に人口洲を設置し、柳等を植栽し浅水面を創出する。
現在堤防に設置されている魚道ブロックの有効利用を図るために一部に植物を植栽(葦・ガマ等)し、小動物の退避場所とする。
以上4つの提案を別個にまたは複合して行う事で水質の浄化と小動物の増加が期待できる。


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