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愛知県河川工事事務所長

  本守 眞人 殿

五条川護岸工事に対する嘆願書

                             平成12年3月30日

 
岩倉ナチュラリストクラブ 会長 暮石 三七
岩倉の水辺を守る会 会長 村上 儀正
おおくさ探検隊 代表 西尾 貞臣
大口自然塾 江口 昌宏
小牧エコロジー運動市民の会
代表幹事 旭  賢司
桜の里 世話人 石川 正美
雑木林 服部 てつお
日本野生メダカ保存会 会長 鈴木 広茂
リリオの会 代表 今枝  久

        

 

 日ごろの河川環境の保護改善へのご尽力感謝申し上げます。

 昨年2月、環境庁のレッドデータブックに、今まで特別な魚としての認識の低かったメダカが加えられたことから、その生息地である河川環境への関心は、環境団体のみならず一般市民の間でも高まってきています。
 五条川においてもメダカの調査が行われ、メダカの保護運動も始まりました。
 昨年の調査によって、

1.五条川で捕獲されたメダカは、新潟大学の酒泉教授の遺伝子鑑定の結果、濃尾平野固有の在来の遺伝子型を持つものであること
2.岩倉市内のメダカの生息エリアは、主に岩倉南部中学校より下流であること、(それより上流においても若干の確認事例はありますが、生殖定着はしていないと思われます。)

が、確認されました。

  建設省が毎年2回おこなっている水質検査では、下流の方が水質が悪いとされているにもかかわらず、下流に生息しているその理由としては、

1.河が大きく蛇行しており、緩流帯が存在する。
2.上流に比べ川幅が広く、流れが緩やかである。
3.左岸を中心に自然に近い護岸が、おおく残っている。
3.農業用水の排水溝が何ヶ所かあり川の中央の急流部からの避難地となっている。
 等が考えられます。

  めだかは泳ぐ力が弱いため急流では生きていけません。自然護岸には水のよどみができやすく、植物も繁茂します。
 
 ところが、その生息地の中でも、最大規模の群れが確認されていた岩倉希望の家のやや下流(西春町)において、護岸工事が行われています。ここは、土手及び周辺に草地、雑木林などがあり、近在の五条川では、もっとも自然に近い状態が残っていた場所です。くわえて、メダカは、他の水生昆虫・小型の野鳥などの格好のえさとなり、その生態系を形づくるうえでも重要な役割を担っており、ひとつの生物多様性の指標でもあります。また、ここは、多くの市民が野鳥観察にも訪れていた場所であるうえ、右岸には立派なエノキの木もありました。工事に伴いこの木をはじめ沿岸の雑木林が伐採され、市民からもあまりの様子の変化を嘆く声が聞こえてきています。

 今後五条川での護岸工事が行われる場合には、「残された自然環境が、少しでも豊かに次の世代に残されますよう、周辺の自然環境・いきもの・景観などに充分配慮して頂くこと。」を切にお願い申し上げる次第です。

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