<西尾,岩倉,立田メダカの分析結果>
1. 西尾5個体,岩倉5個体,立田4個体について分析を行った。
2. アイソザイム分析の結果,すべての個体が「南日本集団」の遺伝子型を持ち,南の中でも「瀬戸内型」,「山陰型」等の特徴は見られず「東日本型」と判断された。
3. ミトコンドリアのチトクロームb遺伝子の型は以下のようになった。
・西尾はすべて8型で,この型は山陰地方から東北の太平洋側にかけて広く分布する。愛知の小坂井,三重の鳥羽,静岡の磐田でも見られた型である。
・岩倉は4個体が14型,1個体が2型であった。立田は3個体が14型,1個体が2型でこの2カ所のメダカはよく似ていた。2型は東日本でもっとも一般的な型で,東北から紀伊半島の東側まで広く分布し,14型はこれまで,佐織,大垣,安八でのみで見られたものである。
4. 以上の結果は,これらのメダカが南日本集団の一員であり,尾張地方のメダカは美濃地方のものとよく似ている(木曽・長良川水系に特有の遺伝子がある)ことを示している。また,尾張のメダカと三河のメダカは遺伝子組成が異なる可能性を示している。
この結果を見ると,五条川のメダカは尾張・美濃地方のメダカの特徴をもち,立田メダカもまた同様であることが分かります。地元のメダカと考えていいでしょう。


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