平成10年11月5日、今枝代表はじめ総勢5名にて、万博協会をたづね、協会 管理部広報公聴課の野間課長と面会し名刺交換、自己紹介の後、提言書を手渡し、提言書の説明、意見交換、質問要望の交換を行いました。
下の写真は、野間課長と今枝代表はじめやや緊張した面持ちのメンバー。(ネクタイをするのは何年ぶりというメンバーもいたとか)
その後、会場跡地に関しては、主に県に関係するとのことで、そのままその足で県、万博推進局に出向き同様の提言書を提出しました。

以下が提出した提言書です。





 2005年日本国際博覧会協会事務局長 殿

1998年11月 5日
                   リリオの会
                       代表  今 枝  久


 私たち「リリオの会」において、万博開催について議論を行った結果、具体的に実現可能な方向性が見出されたので別紙 提言書に取りまとめました。
 御一読の上、御検討下さい。

提 言 書

 

テーマ     万博会場における
         里山自然の復旧および
         エコビレッジの開発について


はじめに

   わたしたち「リリオの会」は尾張地方を中心に"生活と自然のかかわり"
  をテーマに活動を始めた研究サークルです。 その活動のひとつとして万博の
  開催方法などについて話し合いを行い、会の活動方針を下記のように決めました。

    1.   「万博」について会として反対はしない。

    2.   「万博」成功のための方法を考察する。

    3.   「万博後」について考察する。

    4.   年間を通し野外活動をする。

    5.   エコロジーに留意し、できる事から対応する。


      このような立場にたって、以下の提案を行います。

主文

「海上の森」での国際博覧会開催を受けて発足した我々の会合は、この博覧会に対して我々がどのように関わっていくかを模索していた。
 その過程で博覧会協会より会場素案と基本理念が公表された。(7月末)
 我々は、これを受けて新たな考察を開始した。 素案は、当初計画より大きく様変わりし、そこに協会の発想の転換と意気込みが感じられた。
 しかし、「森」を開発した上での環境万博の開催という矛盾や、極めて地方的な「森」に全地球的普遍性をもたせ、「自然の叡智」を引き出す事への考察や解答はいまだ出されていないように思われる。
 我々は、これまでの議論の中で、この万博は、その開催期間中の内容のみに意味があるのではなく、その会場跡地をいかにするかが、この万博の試金石であることに気が付いた。
 「森」に残すべきは、万博跡地としてのモニュメントではなく、「自然の叡智」と「人間の叡智」の高度な融合体であるべきだと考える。
 ここを出発点として考えなければ、この万博が人類に問うものが見えてこないだろう。
 この点を踏まえ以下に2件の事例を提案する。

提案1
  会場施設は、あくまでイベント期間に限定したものとし、本来の里山自然の復旧を目指すプロジェクトを万博開催と同時進行させる。
 会期後も積極的に復旧を推進し、年次報告を公開する。 
 これは、自然環境科学の実験として、その成果を世界に発信し続けることで環境問題への啓発の場とする事ができ、人類への貢献が期待できる。

提案2
  元来、「自然の叡智」と「人間の叡智」の融合のひとつのモデルシステムとしての存在であった「里山」を再構築する企画として、会場跡地を、環境循環型森林田園住宅融合団地=エコビレッジ(仮称)の開発を行う。
  たとえば、団地に入居する住民に「里山」の維持管理を託し、「森」の恵みを享受するシステムを再構築してもらおうというものである。

  今後の地球環境を考えるとき、「森」の再生は急務であり、その「森」と人間との相互関係の樹立がもとめられるのは必至であろう。

おわりに
  わたしたちの提案が、この「万博」を一過性のイベントにとどめず、今後の一つの指針として発展する事を希望します。
  現在もわたしたちは、会場跡地に「残すべきもの」の考察と検討を続けており、今後、一応の形ができ次第、逐次ご報告いたしたいと考えております。
   また、同時に、展示内容等についての提案も準備中であり、これらも逐次提出できるものと考えております。
    

     連絡先
           リリオの会
                事務局所在地
             〒482-0011   愛知県岩倉市昭和町1-23
             FAX     0587-66-0003
             E−mail  lilio@ngy1.1st.ne.jp




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