第1話 パラパラ作戦

まずは、社会全般の勉強法について考えてみよう。名づけて「パラパラ作戦」ん?なんじゃ?と思う人もいると思うけど、文字どおり、パラパラとめくるようにする方法で、社会を勉強するには、この方法が効果的なんだ。

具体的にいうと、社会は、机にかじりついてガリガリやるような勉強は向かない。むしろ、ちょっとした空き時間に、気分転換も兼ねて、パラパラやるのがいいんだ。

 ★ 勉強の最大の極意は、いきなり覚えないこと ★

これに尽きるといってもいい。これが、わかっていない人が多い。いきなり暗記から入る人がいる。しかし、暗記科目ほど、いきなり覚え始めてはいけない。

★ 丸暗記ほどもろいものはない ★

ことを認識しなければならない。よく、社会は、暗記科目だから覚えればいいという人がいるけど、そういう人は、絶対に覚えられない。たとえ、覚えても、すぐに忘れてしまう。つまり、丸暗記は、定期テストのような、短期のものならば、ごまかせるけど、入試のように、範囲の広い試験には通用しないということ。

そこで、受験生は、パラパラ作戦が、必須になってくる。教科書でも参考書でもなんでもいいから、パラパラ見るものを決めておこう。地理が苦手な人ならば、地図帳でもいい。「覚える」のではなく「見る」のだ。これを、毎日、習慣にする。例えば、昼休みに、軽く、地図を見るとか、寝る前に歴史の教科書をめくるとか、場面場面でやることを決めておくと、実行しやすい。しかも、すべて、数分でいい。大げさにならないようにやるのがコツだ。

この作戦は、スポーツなら、毎日のランニングと言える。走ることに、あまり意味がなくとも、たいていのスポーツはランニングをするよね。つまり、パラパラ作戦は、頭のランニングだ。覚えなくていいのだから、誰でもできる。時間もかからない。ただ、パラパラする機会を確保するだけでいい。

そして、この作戦を実行していくと、いい感じになることがある。何となく覚えられるような気がするときがあるわけ。そういうときが、覚えるチャンスなんだ。

★ いい感じになった時、一気に覚える ★

わかるかな?つまり、毎回、覚えていたのでは、覚えて忘れての繰り返しで、なかなか覚えられないんだ。しかし、普段は、無理に覚えようとせず、パラパラパラパラという感じで短時間繰り返し、いい感じが出たときに、覚えるんだ。そうすると、記憶も長持ちするし、覚える自信もついてくる。これは、絶対だ。同じ量を覚えるのに、時間は、半分ぐらいで済むよ。社会に限らず、暗記しなければならないものは、すべて、同じなんだ。

この方法を知っているだけで、全然違ってくる。パラパラ作戦は、すべての勉強法の根本だ。いきなり暗記するのは、準備運動しないで、荒海に飛び込むようなもの。頭の方も持たないよ。今は、いい時代だ。覚えたいものがあったら、パソコンで印刷して、しばらくパラパラする。そうすれば、すぐに頭がなれて、いい感じになる。そこで覚える。それだけで、暗記物なんて、おしまいだ。この手順さえ忘れなければ、暗記科目は、本当においしい科目になるよ。