┌──────────────────────────┐
   │【関数コレクションシリーズ】   ==Number.021==│
   └──────────────────────────┘

◆ 今日の問題 「特定なものだけ合計する」

Q━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆

  下図のメーカー「アブジャ」の合計をC12に記しなさい。

   ┏━┳━━━━┯━━━━┯━━━━┯━━━━┯━━━━┓
   ┃ ┃A   │B   │C   │D   │E   ┃
   ┣━╋━━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┫
   ┃1┃日付  │商品名 │メーカー│金額  │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃2┃8/1   │ベッカー│トキオ │  2400│    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃3┃8/1   │ロナドー│アブジャ│  3600│    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃4┃8/1   │ジーダン│トキオ │  1800│    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃5┃8/1   │アジャ │アブジャ│  2000│    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃6┃8/1   │ドーハ │バツータ│  2600│    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃7┃8/1   │マイム │バツータ│  2200│    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃8┃8/2   │マイム │バツータ│  2200│    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃9┃8/2   │ベッカー│トキオ │  2400│    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃10┃8/2   │ロナドー│アブジャ│  3600│    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃11┃    │    │    │    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃12┃  アブジャ合計 │    │    │    ┃
   ┗━┻━━━━┷━━━━┷━━━━┷━━━━┷━━━━┛

A━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆

  C12に =SUMIF(C2:C10,"アブジャ",D2:D10)と入力して、Enter

 ─────────────────────────────────

 ・今回は、基本問題です。これまでにも取り上げたことがあります。非
  常にわかりやすく、実用的な関数ですので、しっかりマスターしてく
  ださい。

 ・SUMIF関数は、=SUMIF(範囲,検索条件,合計範囲) で設定します。

   範囲   検索する数値や文字列が含まれる範囲

   検索条件 検索する数値や文字列(文字列の場合は、"" で囲む)

   合計範囲 計算する数値が入っている範囲

  つまり、SUMIF関数 は、条件付き合計式ということです。一つの表か
  ら、特定のものだけ合計したいときに使います。

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 ・検索条件は、直接入れるのでなく、セル番地を入れておいて変化させ
  ることもできます。上手に使ってください。


   ┌──────────────────────────┐
   │【関数コレクションシリーズ】   ==Number.022==│
   └──────────────────────────┘

◆ 今日の問題 「部分的に一致するものだけ合計する」

Q━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆

  下の表から、北関東と南関東の合計だけを計算し、E12に関数を設定
  しなさい。

   ┏━┳━━━━┯━━━━┯━━━━┯━━━━┯━━━━┓
   ┃ ┃A   │B   │C   │D   │E   ┃
   ┣━╋━━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┫
   ┃1┃日付  │商品名 │メーカー│支店名 │金額  ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃2┃8/1   │ベッカー│トキオ │北関東 │  2400┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃3┃8/1   │ロナドー│アブジャ│九州  │  3600┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃4┃8/1   │ジーダン│トキオ │南関東 │  1800┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃5┃8/1   │アジャ │アブジャ│四国  │  2000┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃6┃8/1   │ドーハ │バツータ│南関東 │  2600┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃7┃8/1   │マイム │バツータ│北関東 │  2200┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃8┃8/2   │マイム │バツータ│北関東 │  2200┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃9┃8/2   │ベッカー│トキオ │南関東 │  2400┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃10┃8/2   │ロナドー│アブジャ│東北  │  3600┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃11┃    │    │    │    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃12┃    │    │北関東・南関東合計│    ┃
   ┗━┻━━━━┷━━━━┷━━━━┷━━━━┷━━━━┛

A━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆

  E12のセルに =SUMIF(D2:D10,"*関東",E2:E10)と入力して、Enter

 ─────────────────────────────────

 ・単に、北関東だけの合計ならば、前回同様、SUMIF関数を使って

   =SUMIF(D2:D10,"北関東",E2:E10)

  とやれば、北関東の合計が出ます。南関東だけならば

   =SUMIF(D2:D10,"南関東",E2:E10)

  とやればいいのです。しかし、北関東、南関東の両方を計算したいと
  きは、ワイルドカードの「*(アスタリスク)」を使います。

  アスタリスクは、任意の数文字という意味ですから、北であれ南であ
  れ、後ろに「関東」がつくものが対象になります。

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 ・今年は、アスタリスクというヒット曲が出たため、「*」の知名度も
  上がりましたね。SUMIF関数は、このアスタリスクを使うことにより、
  利便性が高まります。是非使ってみてください。

 ・前回も説明しましたが、初めての方のために、補足しておきます。

   SUMIF関数  =SUMIF(範囲,検索条件,合計範囲)

   範囲   検索する数値や文字列が含まれる範囲

   検索条件 検索する数値や文字列(文字列の場合は、"" で囲む)

   合計範囲 計算する数値が入っている範囲


   ┌──────────────────────────┐
   │【関数コレクションシリーズ】   ==Number.023==│
   └──────────────────────────┘

◆ 今日の問題 「円書式にした文字列に変換する」

Q━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆

  下図の様に、1円単位を四捨五入して、頭に「¥」マークを付け、桁
  区切りをした文字列にしたい。関数を設定せよ。

   ┏━┳━━━━┯━━━━┯━━━━┯━━━━┯━━━━┓
   ┃ ┃A   │B   │C   │D   │E   ┃
   ┣━╋━━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┫
   ┃1┃価格  │表示価格│    │    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃2┃  1244│\1,240 │    │    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃3┃   146│\150  │    │    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃4┃   562│\560  │    │    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃5┃  1488│\1,490 │    │    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃6┃   455│\460  │    │    │    ┃
   ┗━┻━━━━┷━━━━┷━━━━┷━━━━┷━━━━┛

A━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆

  B2のセルに =YEN(A2,-1) と入力してEnter

  フィルハンドルをダブルクリックしてコピー

 ─────────────────────────────────

 ・これは、あまり使われない関数ですが、場合によっては便利かもしれ
  ません。結果は、数値ではなく文字列になることに注意してください。

 ・YEN関数は、=YEN(セル番地,桁数)で表します。桁数は、「0」ならば、
  1円未満を四捨五入、「-1」ならば、10円未満を四捨五入します。

  桁数の設定は、ROUND系の関数と同じです。小数点の位置を「0」と考
  え、右(小数点以下)へ行くときは正の数、左へ行くときは負の数を使
  ってください。


   ┌──────────────────────────┐
   │【関数コレクションシリーズ】   ==Number.024==│
   └──────────────────────────┘

◆ 今日の問題 「順位を付ける」

Q━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆

  次のようなゴルフのスコアがある。順位をつけよ。ただし、順位は、
  ネットの成績を基に付けるものとする(数字が小さいほうが優秀)

   ┏━┳━━━━┯━━━━┯━━━━┯━━━━┯━━━━┓
   ┃ ┃A   │B   │C   │D   │E   ┃
   ┣━╋━━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┫
   ┃1┃氏名  │グロス │ハンデ │ネット │順位  ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃2┃阿井上夫│   96│   12│   84│    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃3┃柿沼恵子│   148│   36│   112│    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃4┃指須清三│   74│    6│   68│    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃5┃太刀伝人│   82│   20│   62│    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃6┃何濡根之│   77│    0│   77│    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃7┃羽灯賦穂│   188│   36│   152│    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃8┃万美無免│   102│   18│   84│    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃9┃矢井優江│   110│   36│   74│    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃10┃羅利瑠流│   72│    8│   64│    ┃
   ┗━┻━━━━┷━━━━┷━━━━┷━━━━┷━━━━┛

A━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆

  E2のセルに =RANK(D2,$D$2:$D$10,1) と入力

  フィルハンドルをダブルクリック

 ─────────────────────────────────

 ・RANK関数は、順位を求める関数です。公式は、

   =RANK(セル番地,範囲,順序)

  で、順序は、「1」ならば昇順、「0」ならば降順になります。今回は、
  スコアが少ないほうが上位になるので、昇順を選びます。

 ・大切なのは、範囲を「絶対参照」にすること。これを相対参照のまま
  にしてしまうと、順位を求める範囲がずれてしまい、正しく計算され
  ません。RANK関数を使うときは、範囲を絶対参照にすると強く覚えて
  おいてください。

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 ・今回は、基本的な関数を見直してみました。順位を付けることはよく
  あることで、ちょっとした大会などに役立ちます。

 ・尚、絶対参照と相対参照について、前に解説したものを再掲しておき
  ますので、よくわからない方は参考にしてください。

 -----------------------------------------------------------------

  絶対参照とは、フィルハンドルでコピーしても値の変化しない参照方
  法です。例えば、「$A$1」ように、$ マークをつけると、その部分は
  変化しません。「$A1」や「A$1」のように片方だけ固定することもで
  きます。

  それに対して、通常使っているセル参照が、相対参照で、単に、A1の
  ように表記します。これは、フィルハンドルでコピーすると、相対的
  に変化します。

  絶対参照を作りたいときは、直接 $マークをつけもいいのですが、と
  りあえず、A1と入力した時点で、F4キーを押すと、自動的に絶対参照
  になります。また、F4キーを続けて押すと、片方だけ固定など、いろ
  いろなパターンが順番に現れますから、試してみてください。

  F4キーは、関数の貼り付けボックスを使い、数式パレットを使ってい
  るときも有効です。また、後から、その部分をクリックして、変更す
  ることも可能ですので十分利用してください。


   ┌──────────────────────────┐
   │【関数コレクションシリーズ】   ==Number.025==│
   └──────────────────────────┘

◆ 今日の問題 「重複をチェックする」

Q━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆

  品名が並べられている表がある。この表で、上から順番に重複してい
  るものがある場合は●印を付けたい。関数を設定せよ。
  ただし、下図のように、1つ目は無印で、2つ目以降のみに●を付け
  るものとする。

   ┏━┳━━━━┯━━━━┯━━━━┯━━━━┯━━━━┓
   ┃ ┃A   │B   │C   │D   │E   ┃
   ┣━╋━━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┫
   ┃1┃品名  │    │    │    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃2┃みかん │    │    │    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃3┃りんご │    │    │    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃4┃レモン │    │    │    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃5┃みかん │●   │    │    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃6┃バナナ │    │    │    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃7┃キウイ │    │    │    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃8┃バナナ │●   │    │    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃9┃りんご │●   │    │    │    ┃
   ┗━┻━━━━┷━━━━┷━━━━┷━━━━┷━━━━┛

A━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆

  B1のセルに =IF(COUNTIF($A$1:A1,A1)>1,"●","") と入力

  フィルハンドルでダブルクリック

 ─────────────────────────────────

 ・一つ目のものは、空白のままで、二つ目以降のものにはチェックをつ
  けるという技です。先頭固定と COUNTIF関数をうまく使います。

 ・=IF(COUNTIF($A$1:A1,A1)>1,"●","")の意味は、一番上のセルからそ
  のセルまでに、そのセルの値と同じものの数が、1つを超えていると
  き(2つ以上)には●を、そうでないときは空白を返しなさいというこ
  とです。

  先頭を固定($A$1)してあるため、コピーすると下のように変化します。

   B1のセル($A$1:A1,A1) → A1のセルの値がA1からA1までいくつ?
   B2のセル($A$1:A2,A2) → A2のセルの値がA1からA2までいくつ?
   B3のセル($A$1:A3,A3) → A3のセルの値がA1からA3までいくつ?
   B4のセル($A$1:A4,A4) → A4のセルの値がA1からA4までいくつ?
   B5のセル($A$1:A5,A5) → A5のセルの値がA1からA5までいくつ?
   B6のセル($A$1:A6,A6) → A6のセルの値がA1からA6までいくつ?
        ・              ・
        ・              ・
        ・              ・

 ・このように、先頭を固定し後方をスライドさせる方法は、これまで、
  何度か取り上げました。始点部分のセル番地を「絶対参照:相対参照」
  の形にするだけでできます。あらゆるところで活躍する有効な技です。


   ┌──────────────────────────┐
   │【関数コレクションシリーズ】   ==Number.026==│
   └──────────────────────────┘

◆ 今日の問題 「ど真ん中の数値を調べる」

Q━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆

  下図のように球速が書き込まれた表がある。この球速の中央値を知り
  たい。D2のセルに関数を設定せよ。

   ┏━┳━━━━┯━━━━┯━━━━┯━━━━┯━━━━┓
   ┃ ┃A   │B   │C   │D   │E   ┃
   ┣━╋━━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┫
   ┃1┃球速  │    │中央値 │    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃2┃   132│    │    │    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃3┃   150│    │    │    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃4┃   146│    │    │    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃5┃   128│    │    │    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃6┃   155│    │    │    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃7┃   138│    │    │    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃8┃   144│    │    │    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃9┃   136│    │    │    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃10┃   148│    │    │    │    ┃
   ┗━┻━━━━┷━━━━┷━━━━┷━━━━┷━━━━┛

A━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆

  D2のセルに、=MEDIAN(A2:A10) と入力して、Enter

 ─────────────────────────────────

 ・MEDIAN関数は、中央値を求める関数です。中央値とは、数値を小さい
  順に並べた場合、その中央に位置する値のこと。平均ではないので注
  意してください。

  要は、真ん中の順位の数値と考えればいいでしょう。ただし、データ
  が偶数の場合は、中央に属する2つの数値の平均になります。例えば、
  データが、10個ならば、5位と6位の平均ということです。奇数の場
  合は、必ず、ど真ん中の順位がありますので、その数値になります。


   ┌──────────────────────────┐
   │【関数コレクションシリーズ】   ==Number.027==│
   └──────────────────────────┘

◆ 今日の問題 「早見表からデータを取り出す」

Q━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆

  下図のように、担任の名前が書いてある表がある。B9のセルに学年、
  B10のセルにクラスの番号を入れると、B11に担任名が表示されるよう
  にするにはどうしたらいいか? B11に関数を入れよ。

   ┏━┳━━━━┯━━━━┯━━━━┯━━━━┯━━━━┓
   ┃ ┃A   │B   │C   │D   │E   ┃
   ┣━╋━━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┫
   ┃1┃組/学年│1年  │2年  │3年  │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃2┃1組  │西田  │川島  │桜井  │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃3┃2組  │篠原  │山田  │中島  │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃4┃3組  │大田  │西島  │星野  │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃5┃4組  │屋久島 │倉田  │大曽根 │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃6┃5組  │恩田  │小椋  │原田  │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃7┃6組  │筑比地 │吉田  │西山  │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃8┃    │    │    │    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃9┃学年  │    │    │    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃10┃クラス │    │    │    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃11┃担任  │    │    │    │    ┃
   ┗━┻━━━━┷━━━━┷━━━━┷━━━━┷━━━━┛

A━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆

  B11のセルに =INDEX(B2:D7,B10,B9) と入力して、Enter

 ─────────────────────────────────

 ・INDEX関数は、=INDEX(セル範囲,行番号,列番号) で設定します。行番
  号や列番号は、セル範囲内で数えます。今回は、セル範囲が「B2:D7」
  ですので、B2のセルが行番号も列番号も「1」になります。

 ・ここを基準に、(行番号,列番号)で表すと、下のようになります。

   ┏━┳━━━━┯━━━━┯━━━━┯━━━━┯━━━━┓
   ┃ ┃A   │B   │C   │D   │E   ┃
   ┣━╋━━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┫
   ┃1┃組/学年│1年  │2年  │3年  │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃2┃1組  │  (1,1)│  (1,2)│  (1,3)│    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃3┃2組  │  (2,1)│  (2,2)│  (2,3)│    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃4┃3組  │  (3,1)│  (3,2)│  (3,3)│    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃5┃4組  │  (4,1)│  (4,2)│  (4,3)│    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃6┃5組  │  (5,1)│  (5,2)│  (5,3)│    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃7┃6組  │  (6,1)│  (6,2)│  (6,3)│    ┃
  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  ですから、2年の3組ならば、上の表で言うと、(3,2) になります。

  しかし、このままでは間違いやすいので、うまくセル参照させる必要
  があります。解答では、下のように工夫しています。

    =INDEX(B2:D7,B10,B9)
           ↑ ↑
           行 列

   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃9┃学年  │    2│←列  │    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃10┃クラス │    3│←行  │    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃11┃担任  │  西島│    │    │    ┃
   ┗━┻━━━━┷━━━━┷━━━━┷━━━━┷━━━━┛

  この方法ならば、学年の番号、クラスの番号を入れるだけで、担任を
  表示させることができます。構造をしっかり理解して作成してくださ
  い。

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 ・このような早見表からデータを取り出す場合は、式を作った後、何度
  か試し打ちをしてみましょう。正確に動作するか確認することが大切
  です。


   ┌──────────────────────────┐
   │【関数コレクションシリーズ】   ==Number.028==│
   └──────────────────────────┘

◆ 今日の問題 「選手名から順位を求める」

Q━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆

  下図のように、マラソンの順位表がある。E1に名前を入れたら、E2に
  順位が入るように、E2に関数を入れよ。(図では、大平美紀を入れた
  ら、順位の3 が出ています)

   ┏━┳━━━━┯━━━━┯━━━━┯━━━━┯━━━━┓
   ┃ ┃A   │B   │C   │D   │E   ┃
   ┣━╋━━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┫
   ┃1┃順位  │選手名 │TIME  │選手名 │大平美紀┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃2┃    1│高橋愛子│ 2:21:44│順位  │    3┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃3┃    2│野口瑞穂│ 2:22:16│    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃4┃    3│大平美紀│ 2:26:42│    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃5┃    4│渋井茶々│ 2:27:33│    │    ┃
  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃98┃   97│中谷香里│ 2:46:12│    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃99┃   98│本田園子│ 2:48:30│    │    ┃
   ┗━┻━━━━┷━━━━┷━━━━┷━━━━┷━━━━┛

A━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆

  E2のセルに =MATCH(E1,B2:B99,0) と入力してEnter

 ─────────────────────────────────

 ・MATCH関数 は、マッチしたものが、範囲の何番目にあるかを調べる関
  数です。公式は、=MATCH(検査値,検査範囲,照合の型)で、今回のよう
  に完全一致するものを調べる場合は、照合の型を「0」にします。

 ・これで、名前を入れると、それが範囲の何番目かがわかりますので、
  簡単に順位を調べることができます。ちょっと人数の多い大会などに
  使うことができます。


   ┌──────────────────────────┐
   │【関数コレクションシリーズ】   ==Number.029==│
   └──────────────────────────┘

◆ 今日の問題 「千を超えるたびに●をつける」

Q━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆

  下図のように累計している表がある。C列の累計が、1000を超えるた
  びに●印を付けたい。D列に関数を入れよ。

   ┏━┳━━━━┯━━━━┯━━━━┯━━━━┯━━━━┓
   ┃ ┃A   │B   │C   │D   │E   ┃
   ┣━╋━━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┫
   ┃1┃日付  │ポイント│累計  │    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃2┃ 7月1日│   580│   580│    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃3┃ 7月2日│   390│   970│    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃4┃ 7月3日│   560│  1530│● ←100台から1000台に
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃5┃ 7月4日│   520│  2050│● ←1000台から2000台に
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃6┃ 7月5日│   240│  2290│    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃7┃ 7月6日│   320│  2610│    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃8┃ 7月7日│   360│  2970│    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃9┃ 7月8日│   480│  3450│● ←2000台から3000台に
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃10┃ 7月9日│   360│  3810│    │    ┃
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃11┃ 7月10日│   520│  4330│● ←3000台から4000台に
   ┠─╂────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃12┃ 7月11日│   260│  4590│    │    ┃
   ┗━┻━━━━┷━━━━┷━━━━┷━━━━┷━━━━┛

A━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆

  D3のセルに =IF(ROUNDDOWN(C2,-3)<ROUNDDOWN(C3,-3),"●","") と
  入力して、Enter

  D3のセルを選択し、フィルハンドルでダブルクリック

 ─────────────────────────────────

 ・まともにやったのではできませんから、 ROUNDDOWN関数を使い、百の
  位以下を切り捨てて千単位に丸め、その大小を比較します。それによ
  り、上のセルより大きくなったときに働くようにするのです。

  ※ D2のセルではなく、D3のセルに入れるところに注意してください。

 ・この方法を使えば、いろいろ応用できます。万単位で丸めたいのなら、
  -3の部分を-4にしてください。

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 ・ROUNDDOWN 関数については、前にも説明しました。もう一度掲載して
  おきます。

 ・ROUNDDOWN 関数は、桁数を指定して切り捨てる関数です。

    =ROUNDDOWN(セル番地,桁数)

  切り捨て位置は、小数点位置を基準として、右方向(小数点以下)に正
  の数、左方向に負の数を使います。

  例えば、任意のセルに 1248.567 という数値が入っている場合、

    =ROUNDDOWN(セル番地,2)  1248.56
    =ROUNDDOWN(セル番地,1)  1248.5
    =ROUNDDOWN(セル番地,0)  1248
    =ROUNDDOWN(セル番地,-1)  1240
    =ROUNDDOWN(セル番地,-2)  1200
    =ROUNDDOWN(セル番地,-3)  1000

  このように、切捨てされます。


   ┌──────────────────────────┐
   │【関数コレクションシリーズ】   ==Number.030==│
   └──────────────────────────┘

◆ 今日の問題 「スペースで区切られた氏名から名前だけ取り出す」

Q━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆

  姓と名が、スペースで区切られた表がある。下図のように、B列C列
  に関数を設定して、二つのセルに分けよ。ただし、スペースは、どち
  らのセルにも残らないようにすること。

   ┏━┳━━━━━━━┯━━━━┯━━━━┯━━━━┯━━━━┓
   ┃ ┃A      │B   │C   │D   │E   ┃
   ┣━╋━━━━━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┫
   ┃1┃氏名     │姓   │名   │    │    ┃
   ┠─╂───────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃2┃山田 太郎  │山田  │太郎  │    │    ┃
   ┠─╂───────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃3┃佐々木 新次郎│佐々木 │新次郎 │    │    ┃
   ┠─╂───────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃4┃西山 悟   │西山  │悟   │    │    ┃
   ┠─╂───────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃5┃五藤 敏則  │五藤  │敏則  │    │    ┃
   ┠─╂───────┼────┼────┼────┼────┨
   ┃6┃勅使河原 昇 │勅使河原│昇   │    │    ┃
   ┗━┻━━━━━━━┷━━━━┷━━━━┷━━━━┷━━━━┛

A━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆

  B2のセルに =MID(A2,1,FIND(" ",A2)-1) と入力
             (=LEFT(A2,FIND(" ",A2)-1)でもOK)

  C2のセルに =MID(A2,FIND(" ",A2)+1,10) と入力
             (=SUBSTITUTE(A2,B2&" ","")でもOK)

  B2、C2のセルを選択し、フィルハンドルをダブルクリック

 ─────────────────────────────────

 ・MID 関数は、=MID(セル番地,開始位置,取り出す文字数)で、文字列を
  取り出します。「姓」の方は、開始位置が一番最初ですから、1 でい
  いのですが、「名」の方は、開始位置が不定ですから工夫する必要が
  あります。また、「姓」の方でも、取り出す文字数は不定ですから、
  うまく設定しなければなりません。

 ・そこで、検索したい文字列(ここでは、スペース)が何番目に入ってい
  るかを調べる関数、つまり、FIND関数を使います。

 ・FIND関数は、=FIND("検索文字列",セル番地)で設定します。例えば、
  A2のセルならば、スペースは、3番目ですから、3が返されます。しか
  し、「姓」の欄には、スペースは要りませんから、1を引きます。

   山田 太郎      1を引くことによりスペースの前までの
      ↓        ↓ 文字数になる(ここでは、2)
   =MID(A2,1,FIND(" ",A2)-1)
          ↑
       スペースは3番目

  言葉で表すと、A2のセルに入っている「山田 太郎」の1番目から、
  2文字取り出しなさいということです。

 ・これが、佐々木さんならば、スペースの位置が、4 ですので、1 引い
  て、3 になります。スペースの位置によって、取り出す文字数を自動
  的に変化させることができます。

  逆に「名」の方は、開始位置をFIND関数で調べます。これも、「姓」
  のときと同じ考え方で、スペースの位置を見つけます。ポイントは、
  姓の場合と逆に、1を足すこと。スペースの位置の次から開始するわ
  けですから、わかりやすいでしょう。

 ・尚、取り出す文字数を「10」にしましたが、これは適当でかまいませ
  ん。一番後ろですから、何文字取り出そうが、ないものは取り出せま
  せんので、少し多めの数字を付けておけばいいと思います。


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