リョーマの口内に入り込んできた手塚の舌が、リョーマの舌を絡め取り、リョーマの理性を吸い取ってゆく。そして吸い取られた理性の代わりに手塚の熱い想いが流れ込んでくるようで、リョーマの思考はその心地よさに酔うようにゆっくりと痺れ始めた。 「ん……」 優しく、激しく、火傷しそうなほど熱い手塚の口づけにリョーマの中心が熱を持ち始める。リョーマに押しつけられる手塚の雄もすでに固く張りつめていた。 「………ここでするつもり?」 ようやく解放された唇の隙間から、リョーマは掠れた声で手塚に訊いてみる。 「………向こうに行くか?」 手塚は視線だけで大きな橋脚のある方を示した。 「ヤダ……あそこ行くまで持たない」 「…参ったな」 二人はクスッと小さく笑い合うと額を摺り合わせた。 「でもここじゃ…見つかりそう…」 「………そうだな…」 「やめられる?」 手塚は苦笑して「今ならな」と呟いた。だがリョーマは、離れようとする手塚をそっと制する。 「…リョーマ?」 「…………」 何も言わずにギュッと目を閉じて手塚の身体を引き寄せるリョーマに、手塚はそっと溜息をついて微笑んだ。 「…少しだけ…付き合え…」 そう言いながら手塚はリョーマの下腹部に手を伸ばした。途端にリョーマの身体がビクッと震える。 「…やっ」 「…確かに、これでは歩けそうにないな」 リョーマの耳元でそう囁くと、手塚は素早くリョーマのズボンのベルトを外して前をくつろげさせ、直に熱い屹立を握り込んだ。 「は、あ……っ」 「リョーマ…」 手塚がリョーマに深く口づけながら緩やかに手を動かす。 「…ん、ん……んっ」 時折身体を小さく痙攣させ、リョーマの腰が手塚の動きに合わせて揺れる。 「リョーマ…」 「あっ……ああ…」 リョーマを見つめる手塚の瞳が危うい光を湛え始める。だが、まだ手塚の中に残る理性の欠片がその先へと進みたい衝動を抑え込んでいた。 「…や、ダメだよ……出ちゃう……っ」 「……出していいぞ」 「ヤダっ」 リョーマの手が、ガッチリと手塚の手を押さえ込んだ。 「リョーマ?」 どうかしたのかと手塚が覗き込んだリョーマの瞳は、艶めきながら揺れて、手塚の理性を食い荒らした。 「独りでイクのはヤダって……アンタと一緒がいいって…何度言わせんの…」 「………っ」 真っ直ぐ手塚を見つめるリョーマの瞳が、ふと、反らされる。 「…アンタが入っててくれないと…ちゃんとイけないんだよ………責任取ってちゃんとイかせてくんない?」 蚊の鳴くような小さな声で呟くリョーマの頬に、手塚はそっと触れてみた。 「熱いな…」 「…アンタが恥ずかしいコト言わせるからっしょっ!」 たぶん耳まで真っ赤に染め上げているだろうリョーマに、手塚は深く口づける。そうして貪るように舌を絡めてからゆっくりと唇を離し、額にもそっと口づけを落とした。 「…誰かが来ても、止まらないぞ?」 「………いいよ」 手塚はもう一度、今度は触れるだけの口づけをしてから、リョーマの身体を俯せにさせた。 「あ…」 リョーマのズボンを少しだけ下ろし、現れた秘蕾になんの躊躇いもなく舌を這わせ、孔を拡げてゆく。 「はっ、んんっ、……やくっ、も、いいからっ」 「………」 手塚は身体を起こすと、自分のズボンの前をくつろげて下着をずらし、肉剣を取り出した。 「…痛かったら言え」 「ん…」 小さく頷くリョーマの頭を優しく撫でてから、手塚は固く張りつめた肉剣を唾液で濡れた秘蕾にあてがった。 「…っ!」 手塚の肉剣が少し強引にリョーマの秘蕾を押し広げ始めると、リョーマの背中に緊張が走った。それでも止まろうとはせずに、手塚は括れの部分まで一気にリョーマの中へ捩り込んだ。 「…う、あっ…っ」 「くっ…」 一呼吸置いてから、手塚はゆっくりと自身のすべてをリョーマの中に埋め込んでいった。手塚の肉剣がすべて収まると、リョーマの身体がビクビクと痙攣を繰り返し始める。 「つらいか?」 手塚がそっとリョーマの耳元に声をかけると、リョーマは固く目を閉じたまま首を横に振った。 「ちが……っ、すごい……気持ちいい……っ、あッ、イク………っ!!」 「ん、うっ」 リョーマの身体が大きく震え、目一杯手塚を絞り上げる。 「あっ、あ、あぁ…っ、あぁっ!!」 とうとう堪えきれずにリョーマは熱い激情を放出してしまった。 「あ……はぁ……あ…っ、ん…」 すべてを出し終えて肩で息をするリョーマを、手塚はそっと抱き起こした。 「…ちゃんとイけたか?」 リョーマはうっすらと目を開けると、自分を抱き締める手塚の腕に自分の手を重ねた。 「ごめん……アンタが中に来ると、我慢できなくなる…」 「何度でもイけばいい」 「くにみつも……我慢しなくていいから……」 抱き締めてくる手塚の腕に、リョーマは愛しげに頬を寄せる。手塚はリョーマを自分の方に向けさせ、身を屈めて深く口づけた。 「んんっ……あ、んっ」 「リョーマ…っ」 膝立ちの体勢のまま手塚の腰がうねり出す。手塚が動くたび、内臓ごと出し入れされるような感覚に、リョーマは息を飲んだ。 「ああ……」 手塚が感じ入ったような声を漏らすと、リョーマの胸に喜びと手塚への苦しいほどの愛しさが湧き上がる。耳にかかる手塚の熱い吐息は、リョーマの官能をくすぐった。 「もっと……もっと、くにみつ、………もっと…」 リョーマの内壁の襞が手塚の動きと共に巻き込まれ、捲れ上がり、手塚の肉剣に吸い付くようにまとわりつく。手塚がその襞を強引に掻き分けて奥まで熱塊を捩り込み、さらにその奥を抉るように突き上げながら腰を回すと、リョーマの口から小さな叫び声が頻繁に上がり始めた。 「あっ、いっ、…やっ、あ、ああっ!」 そのリョーマの声に煽られるように手塚の動きが加速してゆく。 手塚はリョーマの身体を前に倒して地面に手を着かせると、その細腰を抱え込んで思い切り激しく突き込み始めた。 「っ、…っ、……ゃ…ぁ、…っ!」 まるで嵐に抱かれているかのようなあまりに強すぎる快感に、リョーマは目を見開いたまま声さえ出せずに揺すられ続ける。 「あっ、くに、み…っ、あっ、んっ、んっ!」 「ん、くっ、リョ……マ……っ、ああ……」 布越しに腰がぶつかり合い、ガツガツという鈍い音が川から吹く風にさらわれてゆく。 「くにっ、あっ、ああっ!」 また固く張りつめてきていたリョーマの熱塊が、手塚の激しい突き込みに堪えきれずに再び弾ける。構わずに突き込み続ける手塚に揺すられながら、熱い肉剣に押し出されるようにリョーマの白濁液が飛び散った。 「あ…あっ、……っあ…」 「もう少し……っ」 手塚の呼吸が荒くなり、腰の動きがさらに加速する。 奥深くを抉りながら、時折そのままの勢いで左右に揺すられ、その度にリョーマは悲鳴に近い声を上げさせられた。 延々と激しく求められ、リョーマの意識が薄れ始める頃、手塚がようやく絶頂を迎えた。 「くっ、あっ……リョーマ………っ!」 「やっ、ああっ!」 リョーマの腰を鷲掴み、思い切り自分の方へ引き寄せるようにして最奥へ肉剣を捩り込むと、手塚は天を仰いで身体を硬直させた。 「あっ、く……っうっ」 手塚の熱い体液がリョーマの直腸に勢いよく注ぎ込まれてゆく。 「ああ……す…ごい……っ」 リョーマがゾクリと身体を震わせた。感覚のないはずの腸壁が、大量に注ぎ込まれる手塚の体液の熱さをリョーマに伝えてくる。 手塚はさらに奥を抉るように腰を突き入れながら、一度では出し切れない激情を何度も何度もリョーマの中へ吐き出し続けた。 「くにみつ…あ、は、ぁ……」 リョーマも、先程出したばかりであるにもかかわらず、自分でも気づかぬうちに、手塚と同時に三度目の射精を終えていた。 「……リョーマ……」 すべてをリョーマの中へ吐き出し終えた手塚が、深く息を吐きながらリョーマをきつく抱き締めた。 「愛している…リョーマ……愛してる……」 「オレも……どうしたらいいか…わかんないくらい……アンタのこと、愛してる……」 二人は繋がりあったまま草の上に横になった。 「このまま…朝まで繋がっていたいほどだ……」 「うん……もう少し、中にいてよ……」 「ああ……お前の中は、とても心地いい……」 手塚が大事そうにリョーマを抱き締め、リョーマのこめかみに優しく口づける。手塚の優しい口づけに、そしてしだいに整ってくる呼吸に、なぜかリョーマは胸が締め付けられるような切なさを感じた。 「くにみつ…もっときつく…抱き締めて…」 「………」 リョーマに請われるまま、手塚はさらに腕に力を込めた。 「くにみつ…」 うっとりと目を閉じるリョーマの横顔を、手塚はじっと見つめていた。 |
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