そのままリョーマの身体のラインを確かめるように手を這わせ、服を一枚一枚剥ぎ取ってゆく。 最後のボタンを外し終えたところで手塚の暖かな手がリョーマの肌に触れてきた。 「くにみつの手………今日はあったかいね」 手塚は何も応えずに、肩口からリョーマのシャツをゆっくりと落としてゆく。そして手で辿った後を追いかけるように肩から項へとキスの雨を降らせる。 「ああ……っ」 胸の突起を摘み上げられて、リョーマの唇から熱い吐息が漏れた。 「リョーマ…」 耳元に熱く囁きかけながら、手塚がリョーマのベルトを外し、ファスナーを下ろして中に手を差し入れる。 「ああっ、やっ!」 手塚が緩く撫で上げただけで、リョーマは激しく身体を痙攣させる。 「お前こそどうしたんだ?……もうこんなにして……」 「だって……アンタが……っ、あ……っ!」 手塚はリョーマのズボンを足首まで下ろし、震える身体を抱き上げた。そのままベッドに優しくリョーマを下ろし、すべての衣服を剥ぎ取ると、自らも服を脱ぎ始める。 眼鏡を外してベッドサイドに置き、 深いグリーンのタートルを脱ぎ捨て、潤んだ瞳で見上げるリョーマを見つめながらベルトを外しファスナーを下ろす。 そこから取り出された手塚のものはすでに固く天を仰ぎ、収まるべき鞘を求めて熱く脈打っていた。 リョーマは一瞬息を飲んだが、手塚に向かってゆっくりと両手を差し伸べた。左腕のブレスレットがキラリと揺れる。 「寒いよ、くにみつ………早く……」 手塚はやわらかく目を細めると、ゆっくりとリョーマに身体を重ねていった。 「くにみつ…」 「リョーマ…」 二人は互いの身体を抱き締めあった。直に触れる肌から相手の温もりを感じて愛しさが胸にこみ上げる。 顔を合わせる機会は何度か作ったものの、なかなか身体を重ねる時間を取れなかった二人は、久しぶりの感覚に心が舞い上がっていた。 次第に早くなってゆく鼓動が心地よく響き合い、互いのボルテージをさらに高めてゆく。 手塚の唇がリョーマの頬から首筋、鎖骨、腕の付け根と、時には赤い印を残しながら徐々に降りてゆき、やがて胸の突起に辿り着く。 「ああ……んっ………っ、や……」 固く小さな蕾をきつく吸い上げるとリョーマの唇から熱い吐息が甘い声と共に漏れ始めた。軽く歯を立てるとリョーマの身体が妖しく揺れる。 手塚はもう一度リョーマの唇に深く口づけながら、その引き締まった右脚の膝を立てさせた。 蜜を零し始めている熱い屹立には触れずに、その奥に現れた秘蕾に指を這わせる。 「ん、ああ、や……だ、あ…んんっ」 リョーマが手塚の肩を掴んで軽く抵抗してみせる。手塚はリョーマにしか聞こえない声で名前を囁きながら、ゆっくりと秘蕾に中指を埋めていった。 「あっ……」 「…硬いな……痛いか?」 「ん…平気…」 熱い吐息を漏らすリョーマの唇を深く塞ぎながら、手塚がゆっくり指を回す。堪らずにリョーマが喉を反らすと、手塚が逃すまいとその唇を追いかける。 久しぶりに身体の奥を掻き回される感触にリョーマがきつく眉を寄せる。 「…つらいか?」 手塚の囁きにうっすらと目を開いたリョーマは、答える代わりに手塚の首に腕をまわした。 「………っ、んっ」 手塚の指が付け根まで入り込み内壁を刺激する。それでも肝心なところは掠めるだけで触れてこない焦れったさに、リョーマの腰が揺れ始める。 「……欲しいのか?」 リョーマが無言で手塚にしがみつく。 「久しぶりだからな……もう少し我慢しろ」 「……っ」 自分だけが欲しがっているように言われて、リョーマは少し手塚が憎らしくなった。仕返しがしてやりたくて目の前にある滑らかな、しかし男らしい首筋に軽く噛みついた。 「つっ!………コラ、噛むな」 軽く噛んだつもりが思ったよりくっきりと歯形がついてしまい、リョーマは少しビックリした。 「…………ごめん」 自分のつけた噛み跡にそっと舌を這わせる。 「ごめん…痛かった?」 「…………っ」 リョーマが覗き込んだ手塚の瞳には、すでに獰猛な光が宿っていた。 「…ったく……お前は………っ」 「えっ、あ、………やっ!ああっ!」 手塚がいきなり三本に増やした指でリョーマの中を少し荒っぽく掻き回し始めた。さらに回しながら出し入れされて、リョーマの身体が急激に開かされる。 「やっ、ああっ、んんっ……くにみつっ…!」 縋り付くリョーマに乱暴に口づけ、手塚は手を伸ばしてベッドサイドから潤いになるものを取り出した。 「ひっ!」 いつものように直接内部にクリームを絞り出されて、リョーマの身体が一瞬硬直する。 チューブを投げ捨てた手塚がリョーマの脚を左右に大きく開かせた。 息を弾ませて手塚を見つめるリョーマの瞳を真っ直ぐ見つめ返しながら、手塚は濡れた秘蕾に自身をゆっくりと埋め込んでいった。 「あ、………待っ……くにみつ……だめだっ!」 きつく眉を寄せるリョーマの顔を覗き込みながら、手塚が一気に根元まで肉剣を突き入れた。 その直後。 「ああっ、あああっ!!……んっ…くっ………はぁっ………っ」 勢い良く上がった飛沫がリョーマの胸元を濡らしていた。 「………リョーマ……?」 白濁液に濡れたリョーマの胸が激しく上下している。 「お前…」 「……だから………っ、待って、って……言ったじゃんかっ!」 呆けたように見つめてくる手塚の視線から逃れたくて、リョーマはそっぽを向いてしまった。 挿れられただけで達してしまった自分が情けなくて、リョーマの胸が恥ずかしさでいっぱいになる。 黙ってしまった手塚をチラッと盗み見ると、リョーマはその手塚の表情に少し驚いた。 手塚が嬉しそうに頬を染めてリョーマを優しく見つめていたのだ。 「…く…にみつ?……あっ、んっ!」 手塚の熱塊が、リョーマの中でさらに硬度を増した。ドクンドクンと、音が聞こえそうなほど大きく脈打っている。 「リョーマ…」 とろけそうなほど甘い声で手塚がリョーマの名を呼んだ。 「あ………あんっ、ああ、やっ……」 優しく口づけながら、手塚がゆっくりと腰を動かし始める。 指とは比べものにならない太さのものが狭い器官の壁を擦りあげる感覚に、リョーマはきつく瞳を閉じた。 「ふ、……う……リョーマ……っ」 手塚の熱い息遣いがリョーマの耳元にかかる。 「あ、ああ、ん、…ね…、…くに…みつ……っ、気持ち……、いい?」 ゆっくり大きく揺さぶられながら、リョーマが手塚の背中を撫で上げた。 「うっ、くっ……、ああ、最高に、いい…っ」 「くにみつ…っ、んあっ」 だんだんと突き上げが鋭くなり、無意識の嬌声がリョーマの口から発せられる。 「あっ、ああっ、はっ、や…あっ………も………っと…」 手塚はリョーマの首に右腕をまわすと、抱き込むように肩を掴んで思い切り引き寄せる。 「い、やあぁっ!ああっ、あっ、あうっ」 急に深いところまで抉られ始めて、リョーマが目を見開く。 反り返ったリョーマの腰に左腕を回すと、手塚は骨が折れそうなほどその愛しい身体を抱き締めた。 「あああっ、深……っ、くにみつ…っ」 「リョーマ…リョーマ…っ」 手塚の腰骨がリョーマの尻朶に食い込む。それからまださらに突き込まれて、その度にリョーマの身体がベッドに激しく沈み込んだ。 「やぁっ、ああっ、ああっ、ああぁっ!」 リョーマの嬌声に混ざって、ベッドがギッシギッシとリズミカルに大きな音をたてる。 「…もう、少しだ、リョーマ……あ…う…」 リョーマの耳元で手塚が快感に呻く。その艶めいた声に、吹き飛びそうだったリョーマの意識が引き戻される。 「くにみつっ、くにみつ…っ、あっ、好きっ………あああっ!」 手塚がリョーマの身体を抱き締め直した。 「リョーマ…っ、いくぞっ」 手塚の腰が数回大きくうねる。そしてリョーマの奥深くに留まって身体を震わせた。 「あっ………くぅっ、……んっ」 「くにみつ…っ!」 リョーマが手塚を思いきり締め上げると、猛り狂っていた手塚の激情がリョーマの体内に数回に渡って勢い良く放出された。 熱い手塚の体液に身体の奥がたっぷりと満たされてゆくのを、リョーマは目を閉じて感じ取る。 やがて手塚はすべてを注ぎ終えると、リョーマの中に留まったまま大きく息を吐いた。リョーマも締め上げていた力を緩めて同じように息を吐く。 「…またイったのか?」 濡れた感触にチラリと自分の腹の辺りを見やった手塚が、優しくリョーマの前髪をはらいながら微笑んだ。 「…だって、すごかったから……」 「なにが?」 リョーマが上気した頬をさらに赤くしてプイッと横を向いた。 「よかったのか?」 手塚がリョーマの耳元に甘く囁く。 少しの間を置いて小さく頷いたリョーマの頬にそっと口づけてこちらを向かせると、リョーマの潤んだ瞳が手塚を見上げた。その瞳に吸い込まれるように手塚が深く口づけてゆくと、リョーマもそれに応える。 余韻を味わうようにしっとりと舌を絡ませて、水音をさせながら名残惜しげにゆっくりと唇を離す。 「……続けてしてもいいか?」 「ヤダって言うと思う?……覚悟しろって言ったのアンタでしょ?」 「…そうだったな」 手塚はふっと微笑むと、もう一度深く舌を絡めていった。 |