私立弾劾凰学園・第2話「涙のクリスマス・イブ」
キーンコーンカーンコーン・・・
ミア 「ふう・・・これで会場の準備はほとんど完了ね。」
パイ 「それにしても体育館でクリスマスパーティーなんて、冴えないよなあ。」
ランバ 「だって、学校主催のチャリティーパーティーだもの。そう予算はかけられないんじゃない?」
ロール 「まあ、ささやかな会だけど、きっとみんな喜ぶよ。ねえ、ミア」
ミア 「ええ、みんな喜んでくれるといいな。だってクリスマスって、みんなが幸せでいられる日ですもの・・・」
ターサン「うんうん。その通りじゃ。このパーティーが成功すれば、我が校の評判も上がって、わしも幸せになれる・・・というわけじゃよ」
ランバ 「校長先生ってば、珍しく儲けにならない企画許したと思ったら、単に学校の宣伝のためだったのね」
ターサン「宣伝の何が悪い!学校の経営はなかなか大変なんじゃ。さあ、予算内で少しでも豪華にな。ツリーの飾りはもっとないのか?」
ミア 「教室に置いてありますけど・・・じゃ、私取ってきます!」
ロール 「ひとりで大丈夫かい?ミア」
ミア 「うん、大丈夫よ。行ってきます」
? 「ふっ・・・来たな、ミア=アリス!」
ミア 「さて、飾りも取ってきたし、早く体育館に戻らなきゃ」
ギル 「・・・待ちかねた、待ちかねたぞミア=アリス!!」
ミア 「あ、ギル先生。どうしたんですか?こんなところで・・・」
ギル 「貴様に一言注意する為に、ここで待っていた」
ミア 「えっ?私がなにか・・・」
ギル 「何だその格好は?!」
ミア 「このサンタの格好ですか?私、パーティーの実行委員なのでサンタ役をやるんです」
ギル 「その、スカートの短さのことを言ってるんだ!!」
ミア 「あっ・・・あの、私もふつうサンタはズボン履いてると思うんですけど、この衣装しかないって言われて・・・こんなミニスカートとストッキングになっちゃって・・・。わ、私もちょっと、恥ずかしいんです」
ギル 「そんな格好で歩き回るのを見過ごすわけにはいかんな」
ミア 「で、でも・・・これは校長先生が用意した衣装だし・・・じゃあ、校長先生に頼んでなんとか替えてもらえるように・・・」
ギル 「いや、それよりまず、パーティーを中止するんだ」
ミア 「えっ?!」
ギル 「クリスマスだからといって浮かれて騒いでるような奴等は、目障りだ!!」
ミア 「そんな・・・風紀を乱すようなことも、騒いだりもしません。みんなが楽しみにしているのに・・・中止にするなんて、できません!いったい、どうして・・・」
ギル 「忠告はしたぞ、ミア=アリス。とにかく中止することだ・・・」
ミア 「あっ、待って!先生・・・・・・行っちゃった」
ギル 「見ていろ、ミア=アリス・・・この俺のやり方をな」
ロール 「え、えっと、皆さん・・・」
パイ 「ロール!司会だろ、しっかりやれよ!」
ロール 「ごほん、では、パーティを始めます。メリークリスマス!」
一同「メリークリスマス!」
ミア 「ギル先生・・・どうするつもりかしら。パーティーは予定通り始めてしまったけど・・・。なんで中止しろなんて・・・」
ランバ 「気にしすぎよ、ミア。ギル先生がミアにつっかかってくるのは、いつものことじゃない。」
ミア 「うーん・・・私、何か忘れているような気がする・・・ギル先生のことで。もう少しで、思い出せそうなんだけど・・・」
パイ 「それよりほら、仕事、仕事!みんなにケーキ配らなきゃだろ。頼むぜ、サンタ役!」
ミア 「あ、う、うん!」
ミア 「校長先生、ケーキです。どうぞ」
ターサン「おお、ありがとうミアくん。これで全部配り終わったかの。ご苦労さん」
ロール 「えーと、皆さん、宴もたけなわとなって参りましたが、そろそろ実行委員による余興の準備を・・・」
ランバ 「あれ?ミア、ケーキが一つ余ってるよ」
ミア 「おかしいな、全員に配ったはずなのに・・・。あれ、なんだろう?なにかが心の中にひっかかってるような・・・」
ギル 「ミア=アリス!貴様等にクリスマスプレゼントをやろう・・・恐怖と、敗北だ!」
ミア 「この声は!・・・外から?」
パイ 「ミア?どこに行くんだよ!」
ミア 「やっぱり、ギル先生!!」
パイ 「何だ?校舎の屋上にロボットが!!」
ランバ 「あれってまたギル先生の?」
ギル 「ふっ・・・このブラッディ2で、体育館を破壊する!」
ミア 「いけない!止めなくちゃ!」
ターサン「やれやれ、またか・・・。よし、ダンガイオーチーム、出撃!」
ロール 「あの・・・これからパーティーの余興があるんですけど・・・」
パイ 「それどころじゃねえだろ!」
ミア 「クロス・ファイト!ダンガイオーーーーーー」
生徒達「な、なんだなんだ?」「見て!飛行機が4機!」「合体してる?」
ロール 「ダンガイオー、見参!!」
ギル 「現われたな、ダンガイオー・・・。この前のようにはいかんぞ!」
ミア 「ギル先生・・・。新しいメカを造ってまで、パーティーを中止させたいなんて・・・」
パイ 「ふん、また一撃で倒してやるさ。いくぞ、ロール!」
ロール 「ああ、みんな、準備はいいな?」
ランバ 「うん!面倒だから戦闘シーンはまた手短に済ましちゃいましょ」
ミア 「やめて、先生!どうして戦わなくてはいけないの・・・?クリスマスは、世界中みんなが幸せに過ごす日なのに・・・」
ギル 「みんなが幸せ、だと?思い上がるな、ミア=アリス!そうやって貴様等は俺を嘲笑っているんだ・・・」
ミア 「そんな・・・」 ギル 「クリスマスなど、破壊されるに相応しい!まずは貴様等のパーティーからだ。いくぞ!」
ロール 「速い!」
ランバ 「よけて、ロール!」 ミア 「だめ、体育館を巻き込んでしまうわ。ブラッディ2の攻撃を受け止めなきゃ!」
パイ 「仕方ねぇ、体育館をかばうぞ!」
ギル 「ほう・・・剣を受け止めたか。だがそのままでは動けまい。このまま貴様等もろとも体育館を貫いてやる!」
ロール 「だめだ、身動きがとれない・・・」
ランバ 「やだぁ!今回は手短に済ますどころか、なんだかピンチじゃない〜」
パイ 「こっちの弱みにつけこみやがって、ギルの奴・・・」
ミア 「どうしてそんなに、クリスマスを、私達を憎むの・・・?先生は・・・あっ!ひょっとして・・・」
ギル 「終わりだ・・・ダンガイオー!」
ミア 「そうだわ・・・そうだったのね・・・」
ロール 「どうしたミア、パワーが落ちているぞ!」
ミア 「・・・ごめんなさい、みんな、私が悪いの」
パイ 「さっきから、いったい何のことだよ?ミア!」
ミア 「ごめんなさい・・・ギル先生。でも、みんなを・・・クリスマスを守るために、戦わなきゃ!私達は、負けられない・・・!!」
ギル 「こ、この力・・・!!ばかな!奴のどこにこんな力が残っていたというのだ!」
パイ 「よし!ブラッディの剣をはじき返してやったぜ!」
ランバ 「ミア、大丈夫?」
ミア 「ええ・・・。反撃しましょう、ロール!」
ロール 「よし、サイキック・斬で行く!サイキック・ウェィィィーーーーーブ」
ギル 「くっ、またこの攻撃か!」
ロール 「サイキック・ざーーーーーーーーーーーん!!」
ギル 「い、いかん!!」
ロール 「やったぁ!ブラッディを破壊したぞ!!」
ランバ 「また都合のいいことに、爆発は校庭内だけでおさまったみたいね」
ミア 「でも、これじゃあパーティが台無しに・・・」
生徒達「まさか余興でスーパーロボットショーが見られるなんて!」「特撮か?本物みたいな迫力だな〜」「いいぞー実行委員!」
ランバ 「みんな、なんだか喜んでるみたいよ」
パイ 「余興の一部だと思われてるのか。ったくみんな呑気だぜ・・・」
ミア 「よかった・・・。これで、クリスマスが、みんなの幸せが、守られたわね・・・」
ロール 「ごほん、では司会として、ヒーローショー"ダンガイオーVSブラッディ 聖夜の大激突!"を締めさせていただきまーす。戦いは終わった・・・いや、この世に悪がある限り、ダンガイオーの戦いは終わらない!負けるなダンガイオー!戦えダンガイオー!さあ、みんな一緒に・・・」
生徒達「ダンガイオー・クロス・ファイト!!」
ターサン「やれやれ、一時はどうなるかと思ったが、おかげでパーティーは大成功だったな。これで学校の評判もあがるわい」
ギル 「く・・・作戦は失敗か。引き上げるぞ!」
パイ 「お、ブラッディ2の残骸からギルが脱出していくぜ」
ミア 「あ、待って!先生!!」
ランバ 「ミア、どうしたの?」
ギル 「貴様・・・何のつもりだ」
ミア 「先生、これ・・・」
ギル 「?こ、これは・・・」
ミア 「パーティーの招待状です。さっきやっと思い出したんですけど・・・ごめんなさい。うっかり先生のだけ出し忘れてたんです・・・」
ランバ 「そっか。何か忘れてるような、って言ってたけど、このことだったのね、ミア」
ミア 「そんなことも忘れて、私たちだけ楽しくやってたなんて・・・私たちを憎むのも当然です。クリスマスが、世の中が憎いのも、すべてを破壊したくなるのも当然です・・・」
パイ 「普通そこまでは思わないだろ、おい」
ミア 「さあ、まだパーティーは終わってないわ。行きましょう、みんな。先生も、今からでもいっしょに・・・」
ギル 「・・・な、何だと?」
ミア 「さあ・・・早く、こっちへ!」
ギル 「ふっ・・・甘い!甘いぞミア=アリス!!誰がパーティーなんかに行くか!貴様ら、覚えてろよーーーー」
ミア 「あっ、先生・・・行っちゃった」
パイ 「また、お決まりの捨て台詞だな。ったく、あいつが素直に来る訳ないだろ」
ランバ 「招待状はしっかり持っていったみたいだけど。やるだけのことはやったんだし、気にしなくていいんじゃない、ミア?」
ミア 「先生・・・。ケーキもまだあるって、言えばよかったかな・・・」
ロール 「お待たせ〜。あけましておめでとう、みんな!」
パイ 「よし、全員揃ったな。さあ、初詣に行こうぜ」
ランバ 「うん!・・・あれ、ミア、携帯鳴ってるよ」
ミア 「あ、ターサン校長からだわ。もしもし・・・」
ターサン「もしもし、ミアくん、みんなもいるな?ダンガイオーチーム緊急出撃じゃ!」
ミア 「えっ!?」
ロール 「そんな、突然どういうことですか!?」
ランバ 「そうよ、今は冬休みなのに〜〜」
ターサン「実は、正体不明のメカが神社に出現した、と学校に連絡があったんじゃよ」
パイ 「なんで学校に連絡なんだ?あたし達には関係・・・って、ま、まさかそのメカ・・・」
ミア 「ギル先生の?!」
ターサン「このあいだのクリスマスの騒ぎで、どうも有名になってしまったようでな。もっともみんな、また何かのイベントとでも思ってるらしいが・・・というわけだから、みんな、頼むぞ!」
ロール 「しかたない、行こうみんな!」
パイ 「おう!それにしてもギルの奴なんでまた・・・ん?どうしたミア、まさか、何か心当たりがあるのか?」
ミア 「・・・・・・あっ!ギル先生に年賀状、まだ出してなかった!!」
ランバ 「もう、ミアってばぁ。・・・どうやら、今年も苦労しそうね☆」
完
第1話がバレンタインで第2話がクリスマス・・・って、時間戻ってるよ!(汗)
それとも、第1話の10ヶ月後なのか・・・?まあ、深く考えないで下さい。(←無責任)
ちなみに今回の話は冬コミ用に作ってたのですが、不参加になったので
webのみの発表になってしまいました・・・
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